節約ではなく、理想の暮らしに必要な額を稼ぐという考え方
旅や海外での暮らしを続けるためのお金について、僕の考え方は少し変わっているかもしれません。
正直に言うと僕ら家族は、節約して旅費や生活費をひねり出すという考え方をあまりとっていません。
代わりに考えているのは理想の暮らしにいくら必要かを先に出して、その額を稼ぐことです。
この記事では節約ではなく「必要な額を稼ぐ」と考えるようになった僕の考え方と、海外で暮らしてみて感じている「言葉ができること」と「その街で暮らせること」の違いについて書いてみます。
稼ぎ方のノウハウではなく、僕の価値観の話です。
節約だけでは理想の暮らしには届かない
少し節約してもバンクーバーでは暮らせない
僕らはいまバンクーバーで暮らしています。
ホテル代も航空券代も世界的に上がっています。こちらで暮らしていると、少し節約したくらいでどうにかなるレベルではないなと感じます。
少し節約したところでバンクーバーで生活できるようにはなりません。
なので僕は節約だけでは、自分たちが理想とする暮らしは実現しないと考えています。
節約を否定したいわけではない
誤解のないように書いておくと、節約が悪いと言いたいわけではありません。
一般的には旅のために支出を見直したり、年間の予算を決めたりすることは大事だと思っています。
ただ、節約した額を積み上げていくことは、うちの暮らしの中心にはありません。
ちなみに僕は旅行メディアの仕事をしているので、旅を仕事の経費として扱いやすい部分もあります。なので、うちの旅の使い方を一般的な家庭の旅行予算の例として見てほしくはありません。
節約の代わりに力をかけていること
節約の代わりに僕ら家族が力をかけているのは2つです。
- 今の生活の中でポイントとマイルを貯めるふだんの支払いをカードにまとめる。マイルは基本ANA、ホテルはマリオット系に絞る
- 必要なお金を稼ぐ叶えたいことの費用を先に出して、それを叶える仕事を作る
1つ目は今の暮らしを変えずにできることです。家族3人分の特典航空券をどう取るか、ホテルのステータスで部屋のアップグレードの可能性を少しでも上げられるか。そういうことを考えながら貯めています。
ちなみに僕は事業の支払いでもポイントを貯めています。家庭の支払いだけで同じだけ貯まるわけではないので、ここは分けて考えてください。ポイントとマイルの話は「僕がマイルを貯めるためにやっている9つのこと」に書いています。
この記事で書きたいのは2つ目のほうです。
先に「理想の暮らしにいくら必要か」を考える
考える順番を逆にする
僕が考える順番はこうです。
まず、自分たちが理想とする人生や暮らしに、いくら必要なのかを考えます。
そして、その必要な額を稼ぐことを目指して、そのために努力する。
必要な額は暮らし方によってまったく違います。たとえば海外で暮らしてみたいなら、家賃、子どもの学校や習い事、現地での移動、日本との行き来。旅を続けたいなら、行きたい旅の行き先と回数。まずは自分たちの理想に何が入っているかを書き出すところからだと思います。
「今の収入でできる範囲の暮らし」から考えると、どうしても削るところを探すことになります。順番を逆にすると、考えることが「どこを削るか」から「何をすれば届くか」に変わります。
僕ら家族の「理想の暮らし」
ここで大事なのは、理想の暮らしが「お金のかかる派手な暮らし」とは限らない、ということです。
僕ら家族が大切にしているのはこんなことです。
- 家族を最優先にする
- 自然に触れる時間、散歩する時間、読書の時間をとる
- スマートフォンに使う時間を減らす
- 文化や芸術に触れて毎日を味わって暮らす
仕事も午前中に大きな仕事を1つ進めて、午後は英語や散歩の時間にする。そんな1日の形を目指しています。
仕事の収入と、家族で過ごす時間。この2つをどう両立するかも、理想の暮らしを考えるときにいつも考えていることです。
必要な額を稼ぐと決める
叶えたいことがあればまず費用を出す
僕は行きたいところや叶えたいことがあると、まずその費用を出します。
そして、それを叶えるための仕事を作ります。僕の場合は新しくサイトを1つ作って、その分を稼ぐ、という形です。
旅費を先に出して逆算する具体的な順番は、「行きたい旅から逆算する」にまとめています。この記事はその手前にある考え方の話です。
誰でも同じようにできる、とは思っていない
ここははっきり書いておきたいところです。
僕がWebの仕事を始めたのは2011年で、そこから続けてきた時間があって今のやり方ができています。今から同じ仕事を始めて、同じようにいくとは思っていません。
始めたころは大阪のあいりん地区の三畳一間で、収入がほぼない時期もありました。そのころのことは「23歳でうつになって会社を辞めた僕が、家族で世界を移り住むようになるまで」に書いています。
なので、「稼ぐ」と言っても、僕と同じ仕事をすすめたいわけではありません。会社で働いている人なら本業で、自分で仕事をしている人ならその仕事で。伝えたいのは手段ではなく、「必要な額を先に決めて、そこに向かって努力する」という順番のほうです。
言葉ができることと、その街で暮らせる力は別
移住したとき僕ら夫婦のフランス語はほぼゼロだった
海外で暮らすというと、「まず語学が先」と考える人も多いと思います。
僕ら夫婦は2人とも留学の経験はありません。移住したときの英語は日常会話程度で、フランス語はほぼゼロでした。
僕は言葉ができることと、その街で暮らせる力があることは、別のことだと考えています。
言葉ができれば、その街で暮らせる力も自然についてくる。そういうものではないと思っています。
暮らし始めると言葉の外で決めることが多い
実際に暮らし始めると、言葉とは別のところで決めることがたくさんあります。僕らの場合はこんなことでした。
| 決めたこと | 僕らの場合 |
|---|---|
| 学校と家 | 学校と家の場所は密接に関係していると、選ぶ途中で実感した。暮らし始めてからは、習い事の場所も合わせて考える大切さに気づいた |
| 車を持つか | 運転・保険・維持管理・慣れない土地を考えて、まず車なしで暮らすことにした。必要になったら買う |
| お金の払い方 | 日本のカードやWiseが、政府系のオンライン決済などで通らないことが、フランスでもカナダでもたまにある。現地の銀行口座を1つ持った |
どれも語学の試験では測れないことだと思います。言葉とは別にこうした判断を1つずつ重ねていくことが、その街で暮らすということなのかなと思います。
お金の払い方は「海外で暮らすときのお金の流れ」に詳しく書いています。
お金の話とつながっている
この話をお金の記事に入れたのには理由があります。
「語学ができないから海外は無理」「お金が貯まっていないから無理」。どちらも、1つの条件がそろうまで動けない、という考え方に近い気がしています。
理想の暮らしを先に描いて、そこに必要なものを1つずつ考えていく。お金も言葉も、その中の1つだと僕は思っています。
稼ぐ力の先で何を経験するか
日本を出たころはどこにいても稼げることが、僕の目指す姿でした。
今は少し変わっていて、稼ぐ力の先で何を経験するかを選べることに価値があると思っています。文化に触れること、芸術を味わうこと、子どもに世界を見せること、暮らす場所を選ぶこと。
理想の暮らしに必要な額を稼ぐ、というのは、お金そのものを目的にすることではありません。家族で何を経験したいかを先に決めて、それを選べる状態を自分で作る、ということだと思っています。
この考え方のもとにある「POWERTRAVELER」という言葉については「POWERTRAVELERとは」に、僕のこれまでは「プロフィール」にまとめています。うつで会社を辞めてから日本を出るまでの2年間は、著書『どんなに弱くても人は自由に働ける』(朝日文庫)に書きました。
仕事や暮らし、海外での子育てのことはnoteでも書いています。旅を続けるためのお金を段階ごとに考えたい方は、「旅とお金」からいまの自分に近い段を読んでみてください。
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