南仏とバンクーバー、二つの文化圏で暮らすことを選んだ理由
僕ら家族は2025年の春に南フランスのエクサンプロヴァンスへ移り、2026年の7月からはカナダのバンクーバーで暮らしています。
なぜフランスで、なぜ次はカナダだったのか。
どちらもどこか1つの理由で決めたわけではありません。前から好きだった気持ちと、娘のこと、そして仕事のきっかけが重なって決まりました。
この記事では南仏とバンクーバーという、まったく違う2つの文化圏で暮らすことを選んだ理由を書いてみます。
ちなみにビザや手続きのような仕組みの話は、この記事では書いていません。僕ら家族が何を考えて選んだか、という話です。
もともとは日本を拠点にするのが好きだった
最初に書いておくと、僕はずっと海外に住みたいタイプではありません。
独身のころはアジアやヨーロッパの街でアパートを借りて暮らしていましたが、好みとしては日本を拠点にしてときどき海外に出るくらいがちょうどいいと思っています。娘が生まれてからも、大阪、そして東京を拠点にしてきました。
それでも家族で海外に出たのは、娘のためです。
娘が小学校の低学年のうちに、日本とは違う環境で暮らす経験をさせたい。これは以前から考えていたことでした。娘の教育や成長に海外での経験が役に立つと思っています。
今の海外暮らしはずっと続けるものではなく、期間を決めた挑戦です。
フランスを選んだ理由
何度も訪れた好きな国だった
フランスは移住する前から20回以上訪れている国です。
街並み、料理、ファッション、そして暮らし方。フランスのライフスタイルにはずっと憧れと共感がありました。
独身のころはパリやモナコでもアパートを借りて2週間以上暮らしたことがあります。ニースからモナコにかけてのコート・ダジュールも訪れていて、「暮らすなら南フランスがいいな」と以前から思っていました。
娘を美しいものに囲まれた環境に
娘のために作りたかったのは、美しいもの、豊かなもの、色鮮やかなものに囲まれた環境です。
街並みも料理も暮らし方も好きだったフランスで、それを娘と一緒に毎日の中で感じられたら。これもフランスを選んだ理由の1つです。
きっかけはプロヴァンスのスタートアップ
とはいえ、好きなだけでは移住までは決められません。
実際に動くきっかけになったのは、南仏プロヴァンス発のスタートアップに誘われたことでした。好きな国、前から思っていた南仏、娘の年齢。そこに仕事の話が重なって、家族でエクサンプロヴァンスへ移ることにしました。
エクサンプロヴァンスの旧市街で暮らして

エクサンプロヴァンスでは旧市街で暮らしました。
中世の旧市街が残る街で、17世紀から続く石畳の道が街の中心に広がっています。途中で住まいを移り、後半は約350年前に建てられた、文化財に指定されているアパルトマンに住んでいました。古い建物の中で暮らすというのは、日本ではなかなかできない経験だと思います。
毎日の買い物はマルシェ(市場)です。野菜や果物を自分の目で見て選ぶのがふだんの暮らしになっていました。
こういう街の日常の中に学びが多いと感じていました。
娘は現地の公立小学校に通い、フランス語で学校生活を送りました。
カナダを選んだ理由
本当はフランスにしばらくいるつもりだった
最初はフランスでしばらく暮らす予定でした。
次の移動を考えるようになった背景には、南仏のスタートアップが落ち着いたことがあります。そこに、仕事の依頼があったこともきっかけになって、カナダを考え始めました。
もう1つの言語圏も経験してみたい
フランス語圏で暮らしたので、次はもう1つ別の言語圏での暮らしを経験してもいいんじゃないか、と考えました。
そこで英語圏のカナダでの生活に挑戦することにしました。
ちなみに僕ら夫婦は2人とも留学の経験はありません。移住したときのフランス語はほぼゼロで、英語も日常会話程度でした。語学に自信があったから選んだ、というわけではないんです。
ちなみにカナダではフランス語で学ぶ学校という選択肢も考えられました。娘はフランスで、フランス語で学校生活を送った経験があったからです。それでも今回は英語で学ぶ学校を選びました。
中学生の留学先として考えていた街を前倒しした
カナダは以前から移住先の候補の1つでした。
もともとは娘が中学生になったころの留学先として考えていた国です。その経験を、娘が9歳のこの時期に前倒しした形になります。
バンクーバーには仕事の縁と仲間がいた
カナダの中でもバンクーバーにしたのは、仕事の縁があったからです。
周りにもバンクーバーへ行く人や、子どもを留学させている仲間が多くいました。
前から候補だった国、別の言語圏への関心、娘の年齢、仕事の縁。こうした理由が重なって、2026年の7月に家族でフランスからバンクーバーへ移りました。
海と山にすぐ行ける、程よい都会

バンクーバーは海と山の両方にすぐ行ける街です。
大都会すぎず、自然が多くて、程よく都会。僕はそんなふうに捉えています。
娘はこちらでも現地の公立小学校に通っています。2026年の秋はGrade 4で、日本の学年でいうと小学3年生にあたります。
自分で問いを持って、調べて、考えて、人に伝える。そういう探究的な学びを、英語で経験できるのは、カナダの学校に通う良さだと思っています。
バンクーバーで暮らす場所を選ぶときに大事にしたこと
バンクーバーでは学校と住まいを一緒に考えました。学区名や学校名は書けませんが、僕らが伝えた希望はこんなものです。
- 地元の子が多い落ち着いた学校がいい
- 学校に日本人がいるかどうかは、重視しない
- 住まいは生活に便利なエリアがいい
特定の学校や特定のカリキュラムに強いこだわりがあって選び始めたわけではありません。
選んでいく途中で学校と家の場所は切り離せないと実感しました。暮らし始めてからは、習い事の場所も合わせて考えたほうがいい、ということにも気づきました。
車も最初は持つことを考えました。ただ、運転や保険、維持管理、慣れない土地ということを合わせて考えて、まずは車なしで暮らしてみることにしています。必要になったらあとから買うつもりです。
街そのものを選ぶのと同じくらい、その街のどこで、どう暮らすかを選ぶことも大事だと感じています。
石畳の旧市街と自然の多い都会
2つの街を並べてみると本当に対照的です。
| 南フランス | バンクーバー | |
|---|---|---|
| 街 | 17世紀から続く石畳の旧市街 | 海と山にすぐ行ける、自然の多い都会 |
| 言葉 | フランス語圏 | 英語圏 |
| 前から | 暮らすなら南仏と思っていた | 娘の中学生での留学先の候補だった |
| きっかけ | スタートアップに誘われた | 仕事の依頼と、別の言語圏への関心 |
| 暮らし | マルシェで野菜や果物を選ぶ毎日 | まずは車を持たずに暮らし始めた |
| 娘の学校 | 現地校で、フランス語で | 英語で学ぶ学校 |
歴史のある旧市街と、自然と都市が近くにある街。この組み合わせの違いに僕は価値があると思っています。
同じ「海外暮らし」でも、言葉も、街の古さも、自然との距離もまったく違います。
2つの文化圏を吸収してから東京に戻る
カナダで1年ほど暮らしたら、日本に戻る予定です。娘は東京で以前通っていた小学校に戻ります。
娘は、日本、フランス、カナダの3つの国の学校生活を経験することになります。家の中では日本語が中心で、帰国して元の学校に戻ることを考えて、日本語の読書や漢字、計算の勉強も家で続けています。
フランスとカナダ、2つの文化圏での生活を吸収してから、東京に戻りたい。今の海外暮らしはそのための時間だと思っています。帰国したあとはしばらく日本で落ち着くことも考えています。
このサイトでは「世界を自由に飛び回る力」の1つに、移住や親子留学も含めた「暮らす場所を選ぶ力」を置いています。
住む場所を選べるというのは、ずっと海外にいることではなく、家族にとって必要な時期に、必要な場所を選べることなのかなと思います。
南仏やバンクーバーでの暮らし、娘の学校や語学のことは、noteに書いています。僕がどうやって今の働き方にたどり着いたかは「プロフィール」に、このサイトで大事にしている考え方は「POWERTRAVELERとは」にまとめています。
旅を続けるためのお金のことは段階ごとに「旅とお金」にまとめています。
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