日本一周クルーズの選び方:飛鳥Ⅲ・三井オーシャン・外国船の日数と寄港地

最終更新日:2026年10月21日
筆者の乗船実績:エメラルド・プリンセス(アラスカ)/ディズニー・ワンダー(シドニー発着)/ディズニー・ファンタジー(西カリブ海)/ノールダム(エーゲ海&東地中海、大西洋横断)

日本一周クルーズは、船に泊まったまま、北海道から九州・沖縄まで日本の港町をつないでいく旅です。ホテルを移る必要も、荷物を持って移動する必要もありません。

ただ、「日本一周」と名のつく便は、船によって日数も寄港地もかなり違います。10日ほどで本州をぐるりと回る便もあれば、24日間かけて小笠原や知床まで行く便もあります。

この記事では、2027年に出発する主な日本一周クルーズを、公式サイトの日程表で比べます。料金の目安は載せていません。時期と客室で大きく動くからです。

先に結論:日本一周は「何日かけるか」と「どこに寄るか」で選ぶ

  • 2027年の日本船の日本一周は、飛鳥Ⅲの24日間、三井オーシャンフジの11日間・13日間、三井オーシャンサクラの10日間がある(2026年10月確認)
  • 外国船の「日本一周」「日本周遊」は、韓国や台湾の港に寄る便が多い
  • 日数が短い便は、本州の日本海側と北海道を回る形が多い。24日間なら、小笠原や沖縄、知床まで入る
  • 航海日(どこにも寄らない日)が何日あるかで、旅の印象が変わる
  • 長い便ほど、総額のなかで寄港地観光の割合が大きくなる。予算は寄港地の分を残す

「日本一周」には決まった形がない

名前は日本一周でも、回り方はさまざま

日本一周クルーズに、決まったルートはありません。船会社がその年ごとに寄港地を選び、名前を付けています。

本州をぐるりと回って北海道に寄る便、九州から北海道まで日本海側を中心に回る便、太平洋の島まで入る便などがあります。名前より日程表を見て比べてください。

外国船は韓国・台湾に寄ることが多い

外国の船の日本一周には、釜山や済州島などの韓国の港が入ることがよくあります。

外国の船が日本の港どうしで旅客を運ぶことを原則として認めない船舶法の規定(カボタージュ規制)が背景にある、と報道では説明されています。日本一周でもパスポートが必要な便があるので、日程表で外国の港の有無を確かめてください。

旅行会社の貸し切りの便もある

船会社が自分で売る便のほかに、旅行会社や販売会社が船を貸し切って売る「チャーター」の日本一周もあります。

  • JTBは、飛鳥Ⅱを使った博多発着の8泊9日「きらめきの日本一周クルーズ」(2026年11月)を販売している
  • ジャパネットは、MSCベリッシマを貸し切った日本一周を続けていると報道されている(第三者の情報)

貸し切りの便は、売り方や含まれるものが船会社の便と違うことがあります。ジャパネットの便についてはジャパネットクルーズの記事で扱っています。

2027年の主な日本一周クルーズ(2026年10月確認)

2026年10月21日に、各社の公式サイトの日程表で確かめた内容です。寄港地は天候などで変わることがあります。

2027年の日本船の日本一周(日数)
  • 飛鳥Ⅲ(5月)24日間
  • フジ・春(4月)13日間
  • フジ・GW(4〜5月)11日間
  • サクラ・SW(9月)10日間
フジ・サクラは三井オーシャンの船。GW=ゴールデンウィーク、SW=シルバーウィーク。2026年10月に各社の日程表で確認。

飛鳥Ⅲ「2027年 日本一周 ディスカバリークルーズ」:24日間

  • Aコース:2027年5月11日 横浜発 → 6月3日 東京着
  • Bコース:2027年5月12日 神戸発 → 6月4日 神戸着
  • 主な寄港地:父島(小笠原)、那覇、本部、宮古島、島原、敦賀、男鹿(船川)、小樽、網走、函館、大船渡。知床半島は海の上から眺める
  • 飛鳥クルーズ就航35周年の記念の便。島原は飛鳥クルーズとして初めての寄港と発表されている
  • 販売開始は2026年11月11日10時30分(公式発表)

寄港地が多く、太平洋の島から沖縄、北海道のオホーツク海側まで入る、いちばん広く回る便です。そのぶん、3週間以上の休みが必要です。

同じ船に、Aコースの人は横浜から、Bコースの人は翌日に神戸から乗ります。Aコースは東京で降り、Bコースはそのまま神戸まで乗る形です。

東日本に住んでいる方はAコース、西日本に住んでいる方はBコースを選ぶと、港までの移動が短くなります。Aコースは横浜から乗って東京で降りるので、帰りは別の港から帰ることになります。

三井オーシャンフジ「春の日本一周クルーズ」:13日間

  • 2027年4月18日 横浜発 → 4月30日 横浜着(12泊13日)
  • 寄港地:佐世保、釜山(韓国)、鳥取、輪島、佐渡島(両津)、男鹿、岩内、函館
  • 航海日は3日

九州から日本海側を北上して北海道へ向かう形です。韓国の釜山に1日寄ります。

三井オーシャンフジ「ゴールデンウィーク日本一周クルーズ」:11日間

  • 2027年4月30日 横浜発 → 5月10日 横浜着(10泊11日)
  • 寄港地:根室、苫小牧、秋田、富山、束草(韓国)
  • 航海日は4日

北海道の東の端・根室から、日本海側を回る形です。ゴールデンウィークに合わせた日程です。

三井オーシャンサクラ「シルバーウィーク 日本一周クルーズ」:10日間

  • 2027年9月17日 横浜発 → 9月26日 横浜着(9泊10日)
  • 寄港地:仙崎、鳥取、七尾、久慈、大洗
  • 外国の港には寄らない日程。航海日は3日

山口県の仙崎から日本海側を北上し、三陸の久慈を回って戻る形です。寄港地の数は、フジの春の便(8つ)より少ない5つです。

プリンセス・クルーズ:日本周遊と韓国の便

  • 2027年は、ダイヤモンド・プリンセス(横浜発着)とサファイア・プリンセス(東京発着)の2隻
  • 日本向けの発表(2026年1月)では、3月〜11月に41出発、8〜14日間
  • 「春うらら 西日本周遊と韓国13日間」「春風満帆!日本周遊と韓国14日間」など、日本を回って韓国にも寄る便がある
  • 8月には、青森ねぶた祭や阿波おどりなど、各地の祭りに合わせた便もある

ダイヤモンド・プリンセスの船の話はダイヤモンド・プリンセスの記事にまとめています。

船ごとの違いをどう見るか

日程の比べ方のポイントを、4つにまとめます。

日数:10日・2週間・3週間以上

日数例回り方
10〜11日サクラ、フジ(GW)本州と北海道の一部
13〜14日フジ(春)、プリンセス九州から北海道まで
24日飛鳥Ⅲ小笠原・沖縄・知床まで

まず、休みを何日取れるかで候補が決まります。24日間の便は、ほかの便とは別の旅だと考えたほうがいいと思います。

寄港地の数と航海日

同じ10日ほどの便でも、寄港地が5つの便と8つの便では、旅の印象がまったく違います。

寄港地と航海日の数(2027年)
便寄港地航海日
フジ・春
13日間
8か所(釜山を含む)3日
フジ・GW
11日間
5か所(束草を含む)4日
サクラ・SW
10日間
5か所(外国の港なし)3日
釜山・束草は韓国の港。寄る便はパスポートが必要です。
  • 寄港地が多い便:毎日のように違う街を歩ける。そのぶん、毎日の観光の予定を考える必要がある
  • 航海日が多い便:船の上でのんびりできる。船内で過ごすのが好きな人に向く

このサイトでは、最初の長めのクルーズには寄港地が多めの航路をすすめています。航海日が続くと、船で過ごすことを楽しめない人には長く感じられるからです。

船の大きさで、入れる港が変わる

飛鳥Ⅲ(乗客定員680名)や三井オーシャンの2隻(乗客定員458名)は、大型の外国船より小さな船です。輪島、岩内、仙崎、七尾のような港にも寄港しています。

父島や佐渡島など、離島への寄港があるのも日本船の日程の特徴です。上陸用のボート(テンダーボート)で上陸する港は、天候によって上陸できないこともあります。

航海日の過ごし方

10日以上の便では、航海日が3〜4日あります。その日を船の上でどう過ごすかも、船選びのポイントです。

  • 飛鳥Ⅲ:船首の展望大浴場と露天風呂、劇場、ゴルフシミュレーター、講師の講座など
  • 三井オーシャンフジ・サクラ:プロダクションショー、コンサート、落語、マジックショー。サクラにはプールの足湯がある
  • ダイヤモンド・プリンセス:展望浴場「泉の湯」、劇場、プール、子ども向けのクラブ

どの船も、便ごとにゲストの演奏や講座が入れ替わります。船内のイベントは乗船後に船内新聞やアプリで案内されます。

船の上で含まれるもの

  • 飛鳥Ⅲ:食事は含まれる。アルコールと寄港地観光ツアーは別料金(上位のペントハウスクラスは寄港地観光ツアーも含まれる)
  • 三井オーシャンフジ・サクラ:アルコールを含む飲み物が含まれ、一部の寄港地で追加代金なしの半日の寄港地観光ツアーがある
  • プリンセス:チップが1人1泊の定額で自動で加算される。飲み物・Wi‑Fi・寄港地観光は別料金(パッケージあり)

日本一周のように寄港地が多い便では、この違いが総額に大きく効きます。飛鳥の料金の仕組みは飛鳥クルーズの記事で詳しく書いています。

誰に、どの便が合うか

このサイトでは、全体のおすすめの順位はつけません。条件ごとに、候補になりやすい便を書きます。

3週間以上の休みが取れて、行ける場所を最大にしたい人

飛鳥Ⅲの24日間が候補です。小笠原、沖縄の離島、知床、オホーツク海側まで、ほかの便では一度に回れない範囲を回ります。

連休の範囲で、飲み物込みの船がいい人

三井オーシャンフジのゴールデンウィークの便(11日間)や、サクラのシルバーウィークの便(10日間)が候補です。アルコールを含む飲み物が旅行代金に含まれるので、船の上の支払いが増えにくい船です。

大型船の設備と、韓国の港も楽しみたい人

プリンセスの日本周遊と韓国の便が候補です。劇場やプールなど大型船の設備があり、韓国の港にも寄ります。船内は英語が基本で、会計は米ドル、チップは自動で加算されます。

子ども連れで、夏休みに行きたい人

2027年の日本船の日本一周は、春・ゴールデンウィーク・シルバーウィークの便で、夏休みの便は見当たりませんでした(2026年10月確認)。飛鳥Ⅲと三井オーシャンは、公式FAQで子ども向けのイベントがないと案内しています。

飛鳥Ⅲの2027年6〜10月の便は、2026年11月の販売開始の前で、各便の中身までは確かめられていません。

夏休みなら、8月の祭りに合わせたプリンセスの便や、サクラの「関門海峡花火・熊野大花火大会と阿波おどりクルーズ」(2027年8月9日 横浜発着、9泊10日、済州島・下関・小松島・紀伊田辺)のような便が候補になります。日本一周という名前ではありませんが、何か所もの港町を回る点は同じです。

時期で変わること

2027年、どの月に出る?
123456789101112
飛鳥Ⅲ
フジ
サクラ
プリンセス
薄い色はプリンセスの日本発着の期間。夏の日本船の日本一周は見当たらず。

春(4〜6月)

2027年は、フジの春の便とゴールデンウィークの便、飛鳥Ⅲの24日間がこの時期です。北海道や東北の日本海側は、4月だとまだ寒い日があります。上着を1枚多めに持っていくと安心です。

夏(7〜8月)

各地の祭りや花火大会に合わせた便が出る時期です。祭りの日に寄港する便は、寄港地がとても混みます。

秋(9月)

シルバーウィークの便がこの時期です。台風の時期と重なるので、寄港地の変更や中止が起きることも考えておいてください。

天候で寄港地が変わったとき

どの船会社も、天候などで寄港地や日程が変わることがあると案内しています。飛鳥の旅行条件では、運航の中止や変更にともなう交通費や宿泊費は乗客の負担になると書かれています。

長い便ほど、こうした変更に出会う可能性は高くなります。旅行保険の内容も、出発前に確かめておくと安心です。

日本一周クルーズの費用の考え方

「日本一周クルーズ 費用」で調べる方は多いと思います。ここでは金額の目安ではなく、総額がどう積み上がるかを書きます。

総額は4つの層で考える

  1. 旅行代金客室と食事。船によっては飲み物や一部の寄港地観光も含まれます。
  2. 船の上で足されるものアルコール、有料のレストラン、Wi‑Fi、チップ(外国船の場合)。
  3. 寄港地観光寄港地が多い日本一周では、ここがいちばん大きく動きます。
  4. 港までの交通家から港までの往復。出発港と到着港が違う便では、帰りの交通も。

考え方の全体は費用の記事にまとめています。

寄港地観光の予算を残す

筆者は、クルーズの満足度は寄港地観光で決まると考えています。日本一周を選ぶ理由は、たいてい「あの港町に行ってみたい」という寄港地にあるはずです。

10か所近くの港に寄るのに、どこでも港の周りを歩くだけでは、もったいないと思います。予算が足りないときは、寄港地観光より先に客室のランクを見直すことをすすめます。寄港地観光の選び方は寄港地観光の記事に書いています。

早く決めると代金が下がる仕組みもある

飛鳥Ⅲの日本一周には、早めに全額を払うと代金が下がる「早期全額支払割引旅行代金」が設定されています(2026年10月に公式サイトで確認)。

条件や締め切りは便ごとに違うので、販売が始まったら料金表の注意書きを確かめてください。

日本一周クルーズを選ぶ手順

  1. 行ける日数を決める10日・2週間・3週間以上のどれが取れるかで、候補の便がほぼ決まります。
  2. 行きたい港を書き出す北海道、日本海側、小笠原、沖縄など、絶対に行きたい場所を2〜3つ決めます。
  3. 日程表で寄港地と航海日を数える行きたい港が入っているか、航海日が何日あるかを見ます。
  4. 外国の港の有無を確かめる韓国・台湾に寄る便なら、パスポートの有効期限も確かめます。
  5. 同行者に合わせる年配の家族が一緒なら、上陸用ボートを使う港の数や、船内での移動のしやすさも見ます。
  6. 総額で比べる含まれるもの、チップ、寄港地観光、港までの交通を足してから比べます。
  7. 販売開始日を確かめる記念の便や連休の便は、販売開始直後に埋まることがあります。

日本一周クルーズが向かない人

  • 1つの街をじっくり見たい人:寄港地にいられるのは、多くの港で半日〜1日です
  • 出港時刻に縛られたくない人:寄港地では、決まった時刻までに船に戻る必要があります
  • 船で何もしない日が苦手な人:航海日が3日以上ある便が多くあります
  • 初めてのクルーズで、自分が船に合うかわからない人:いきなり10日以上の便より、先に短い便で試すのも一つの方法です

短い便での試し方は国内の短いクルーズの記事にまとめています。

まとめ

  • 日本一周に決まった形はない。日数と寄港地を日程表で比べる
  • 2027年は飛鳥Ⅲ(24日間)、三井オーシャンフジ(11日間・13日間)、サクラ(10日間)、プリンセスの日本周遊と韓国の便などがある
  • 外国船の便や、日本船でも一部の便は韓国に寄る。パスポートを確かめる
  • 寄港地が多いぶん、寄港地観光の予算を残しておく
  • 船に合うか不安なら、短い便で試してから

日本一周は、同じ名前でも日数と寄る港が便ごとに大きく違います。気になる便の日程表を並べて、寄りたい港が入っているかを最初に確かめてください。長い航海が不安なら、短い国内クルーズで船の暮らしが合うかを試してから選ぶと安心です。

あわせて読みたい

類似投稿

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です