クルーズ旅行の費用は「総額」で比べる:運賃に含まれるものを26ブランドで比較

最終更新日:2026年10月19日
筆者の乗船実績:エメラルド・プリンセス(アラスカ)/ディズニー・ワンダー(シドニー発着)/ディズニー・ファンタジー(西カリブ海)/ノールダム(エーゲ海&東地中海、大西洋横断)

クルーズの料金を調べると、同じ日数・同じ行き先でも、船会社によって表示価格がかなり違います。

ただ、表示価格の安い船が、旅行全体でも安いとは限りません。チップや飲み物、Wi‑Fi、寄港地観光が運賃に含まれるかどうかが、船会社ごとに違うからです。

この記事では、クルーズの費用を「総額」で比べる方法をまとめます。主要26ブランドについて、運賃に何が含まれるかを1つの表にしました。

金額の目安(「7日間で○万円」など)は載せていません。航路・時期・為替で何倍も動くので、目安の数字がかえって判断を誤らせると考えているからです。

先に結論:比べるのは表示価格ではなく総額

  • 表示価格は、ほとんどの場合「運賃」だけ。チップや飲み物は船の上で足されていく
  • 同じプレミアム船どうしでも、チップが自動で足される会社と、運賃に含まれる会社がある
  • ラグジュアリー船でも「全部込み」とは限らない。寄港地観光は、込みの会社と別料金の会社に分かれる
  • 寄港地観光の予算は削らない。クルーズの満足度は寄港地で決まると筆者は考えている

総額は「運賃」+「船の上で足されるもの」+「船の外の費用」

クルーズの総額は、3つの層に分けると見通しがよくなります。

クルーズの総額は3つの層でできている
  1. 運賃(表示価格はふつうここだけ)客室/メインダイニング・ビュッフェ/ショー・プール・ジム/港の間の移動
  2. 船の上で足されるもの(会社によって込み)チップ/お酒・ソフトドリンク/Wi‑Fi/特別レストラン/寄港地観光
  3. 船の外の費用(日本発着なら小さい)航空券/前泊ホテル/空港と港の送迎/海外旅行保険
税金・港湾費用は、表示価格に含む会社と、別に表示する会社があります。

運賃にいつも含まれるもの

どの船会社でも、運賃には客室と、メインダイニング・ビュッフェでの食事が含まれます。

シアターのショー、プール、ジム、キッズクラブ(ある船では)も基本的に追加料金はかかりません。陸の旅行でいえば、宿・食事・移動・夜の娯楽がひとまとめになった状態です。

船の上で足されるもの

差が出るのはここです。会社によって、運賃に含まれたり、別に払ったりします。

  • チップ(船内のサービス料):1人1日の定額で、船内の会計に自動で足される会社が多い
  • お酒・ソフトドリンク:水・コーヒー・紅茶は無料でも、炭酸飲料やお酒は有料のことが多い
  • Wi‑Fi:有料のパッケージの会社と、全員無料の会社がある
  • 特別レストラン:メインダイニングとは別の有料レストラン
  • 寄港地観光(エクスカージョン):港に着いてからのツアー

船の外の費用

海外のクルーズなら、乗る港までの航空券と、乗る前日の前泊ホテルがかかります。

空港と港の送迎、海外旅行保険も忘れがちです。日本発着のクルーズなら、この層はかなり小さくなります。

「何が含まれるか」は会社ごとにこれだけ違う

主要26ブランドについて、標準の運賃に含まれるものをランクごとに並べました。ランクごとの傾向と、同じランクの中での違いの両方が見えます。

表は各社の公式サイトなどで2026年10月18日に確認したものです。運賃の種類(飲み物込みのプランなど)、客室のランク、販売する国で変わります。

「一部」は、たとえば「ワインとビールだけ」「1寄港地に1つだけ」のような条件つきの意味です。チップが別料金の会社は、多くが船内の会計に自動で足します。

カジュアル船:ほぼ全部が別料金

運賃に含まれるもの:カジュアル船
ブランドチップお酒Wi‑Fi特別
レストラン
寄港地
観光
ロイヤル・カリビアン別料金一部別料金別料金別料金
カーニバル別料金一部別料金別料金別料金
ノルウェージャン別料金一部別料金別料金別料金
MSC別料金一部別料金別料金別料金
コスタ別料金一部別料金別料金別料金
ディズニー別料金一部別料金別料金別料金
込み一部込み・条件つき別料金2026年10月18日に確認

ロイヤル・カリビアンやカーニバルなどのカジュアル船は、運賃に含まれるものが最も少ないグループです。

そのかわり運賃が抑えられていて、必要なものだけを足していく考え方です。お酒を飲まない人、Wi‑Fiを使わない人なら、追加はチップくらいで済みます。

プレミアム船:会社によって大きく分かれる

いちばん差が大きいのがプレミアムのグループです。

運賃に含まれるもの:プレミアム船
ブランドチップお酒Wi‑Fi特別
レストラン
寄港地
観光
プリンセス別料金一部別料金別料金別料金
ホーランド・アメリカ別料金一部別料金別料金別料金
セレブリティ別料金一部別料金別料金別料金
キュナード別料金一部別料金別料金別料金
オセアニア込み一部込み込み一部
バイキング別料金一部込み込み一部
ヴァージン別料金一部込み込み別料金
アザマラ込み込み一部一部一部
込み一部込み・条件つき別料金2026年10月18日に確認
  • プリンセス、ホーランド・アメリカ、セレブリティ、キュナード:チップは自動で加算。お酒・Wi‑Fiも別料金
  • ヴァージン:Wi‑Fiと全レストランは込み。チップは別
  • オセアニア:チップ・Wi‑Fi・特別レストランが込み
  • バイキング:Wi‑Fi・特別レストラン、寄港地ごとに1つの観光が込み。チップは販売国で違う(米国向けは別、英国・豪州向けは込み)
  • アザマラ:チップと標準のお酒が込み

表示価格だけ見るとプリンセスやホーランド・アメリカのほうが安くても、チップとWi‑Fiを足すと、差が縮まることがあります。

ラグジュアリー船:チップと飲み物はほぼ込み、寄港地観光で割れる

運賃に含まれるもの:ラグジュアリー船(寄港地観光も込み・一部込み)
ブランドチップお酒Wi‑Fi特別
レストラン
寄港地
観光
リージェント込み込み込み込み一部
シルバーシー込み込み込み一部一部
シーボーン込み込み一部込み一部
ポナン別料金込み込み込み一部
シーニック込み込み込み込み込み
込み一部込み・条件つき別料金2026年10月18日に確認

ラグジュアリーのグループは、チップ・飲み物・Wi‑Fiがほぼ込みです(ポナンはチップが任意で別、フォーシーズンズはお酒が別)。

ただし寄港地観光は、込みの会社(シーニック、リージェント)と、別料金の会社(クリスタル、リッツ・カールトン、エクスプローラ、フォーシーズンズ)にはっきり分かれます。

運賃に含まれるもの:ラグジュアリー船(寄港地観光は別料金)
ブランドチップお酒Wi‑Fi特別
レストラン
寄港地
観光
クリスタル込み込み込み一部別料金
リッツ・カールトン込み込み込み一部別料金
エクスプローラ込み一部込み一部別料金
フォーシーズンズ込み一部込み別料金別料金
込み一部込み・条件つき別料金2026年10月18日に確認

「ラグジュアリーだから全部込み」と考えて予算を組むと、寄港地の費用で崩れます。ラグジュアリー船どうしの違いはラグジュアリークルーズ比較で詳しく比べています。

日本の船:チップは不要

運賃に含まれるもの:日本の船
ブランドチップお酒Wi‑Fi特別
レストラン
寄港地
観光
飛鳥込み一部一部一部別料金
三井オーシャン込み込み一部一部一部
にっぽん丸込み一部別料金別料金別料金
込み一部込み・条件つき別料金2026年10月18日に確認

飛鳥、三井オーシャン、にっぽん丸は、どれもチップが不要です。

三井オーシャンは、お酒を含む飲み物と、多くの寄港地での半日の観光ツアーが代金に含まれます。日本の船どうしでも、含まれる範囲は違います。

いちばん見落としやすいのは、自動で足されるチップ

海外の船会社の多くは、チップを1人1日の定額で、船内の会計に毎日自動で足します。表示価格には入っていないことがほとんどです。

主な船会社の金額は次のとおりです(標準的な客室の場合)。

船会社1人1日メモ
プリンセス18ドルミニスイート19ドル、スイート20ドル
ホーランド・アメリカ18ドルスイート20ドル。飲み物などに別途20%
ロイヤル・カリビアン18.50ドルスイート21ドル
セレブリティ19.50ドル上位の客室は20.50〜24.50ドル
キュナード18ドルGrillsの客室は19ドル
ノルウェージャン20ドルスイートとThe Havenは25ドル
カーニバル17ドルスイート19ドル(第三者の情報。公式で未確認)
ディズニー16ドル子どもも対象。コンシェルジュは27.25ドル
ヴァージン20ドル事前払いの場合。船内払いは22ドル
バイキング20ドル米国向けの推奨額。英国・豪州向けは運賃に込み
コスタ11ユーロ15歳以上。4〜14歳は5.50ユーロ

金額は2026年10月18日に各社の公式サイトなどで確認したものです。改定が多い項目なので、予約の前に必ず確かめてください。

計算してみると、思ったより大きい

チップは「日数×人数」でかかります。たとえばプリンセスの標準的な客室に、2人で7泊すると次のようになります。

  • 18ドル × 7泊 × 2人 = 252ドル

ディズニーは子どもも対象なので、家族4人で7泊なら次のとおりです。

  • 16ドル × 7泊 × 4人 = 448ドル

これが表示価格の外にあります。同じ航路で、チップ込みの船会社と比べるときは、この金額を足してから比べてください。

飲み物やスパには、さらにサービス料

チップとは別に、飲み物やスパの支払いにサービス料が上乗せされる会社もあります。

  • ホーランド・アメリカ:飲み物・特別レストランなどに20%、スパに18%
  • ディズニー:バー・大人向けレストラン・スパに18%

実例:筆者が乗ったアラスカ7日間の明細(2026年)

ここからは、筆者が2026年8月に家族3人で乗ったクルーズの、実際の明細です。

料金は便・時期・予約の仕方で変わります。相場の目安ではなく、総額がどう積み上がるかの例として見てください。

乗った便と条件

  • 船:エメラルド・プリンセス(プリンセス・クルーズ)
  • 航路:アラスカ・インサイドパッセージ7日間(バンクーバー発着、2026年8月11日〜18日)
  • 寄港地:ジュノー、スキャグウェイ、ケチカン。エンディコット・アームでは船から氷河を見る
  • 客室:バルコニー付きのミニスイートに3人(大人2人+9歳の子ども。子どもはソファベッド)
  • パッケージ:大人2人は Princess Premier

運賃(3人分)

運賃はカナダドル建てでした。予約した旅行会社がカナダの会社だったためです。

  • 大人1人:3,922.85カナダドル(うち税金・公的な手数料143.67、必須の諸費用212.55)
  • 子ども(3人目):1,655.55カナダドル(うち税金・公的な手数料143.67、必須の諸費用212.55)
  • 3人の合計:9,501.25カナダドル
筆者の運賃(3人分、カナダドル)
大人大人子ども
  • 大人1人目3,922.85
  • 大人2人目3,922.85
  • 子ども(3人目)1,655.55

3人の合計 9,501.25カナダドル。1人ごとに税金・公的な手数料143.67と必須の諸費用212.55を含みます。

2026年8月、エメラルド・プリンセスのアラスカ7日間、ミニスイート。

プリンセスの予約確認書では、税金と必須の諸費用は運賃の中に含めて表示されていました。

予約サイトや旅行会社によっては、これを運賃とは別に表示します。比べるときは、税金・諸費用が入った金額どうしでそろえてください。

Premier で運賃に含まれたもの

大人2人は Princess Premier で乗りました。予約確認書に書かれていた内容は次のとおりです。

  • お酒を含む飲み物のパッケージ(サービス料込み。21歳未満はノンアルコールのパッケージ)
  • Wi‑Fi(MedallionNet Max、4台まで)
  • チップ(クルー・アプリシエーション)
  • 特別レストランとカジュアルダイニングが何度でも
  • 写真のパッケージ
  • ショーのシアター席の予約
  • 寄港地観光のクレジット100ドル(6〜9日間の航海の場合)

9歳の子どものチップも、船上では請求されませんでした。このほか、大人1人75米ドルの船内クレジットが付いていました。

寄港地観光(筆者1人分)

いちばん大きな追加は寄港地観光でした。船内の支払いは米ドルです。

  • エンディコット・アーム:カタマラン(双胴船)でドーズ氷河を見に行く 269.95ドル
  • ジュノー:ヘリコプターで雪山へ行き、犬ぞりに乗る 829.95ドル
  • スキャグウェイ:ホワイトパス鉄道(ゴールドラッシュの時代の山岳鉄道) 179.95ドル
  • 合計:1,279.85ドル
寄港地観光の代金(筆者1人分、米ドル)
  • ジュノー:ヘリコプターと犬ぞり829.95
  • エンディコット・アーム:氷河269.95
  • スキャグウェイ:ホワイトパス鉄道179.95

合計1,279.85ドル。クレジット100ドルと75ドルを引いて、事前に払ったのは 1,104.85ドル。

ここから、Premier の寄港地観光クレジット100ドルと船内クレジット75ドルが差し引かれました。事前に払ったのは1,104.85ドルです。

船の上で足されたもの

チップ・飲み物・Wi‑Fiが運賃に入っていたので、筆者の船内口座に足されたのは、寄港地観光のほかは次の2つだけでした。

  • コインランドリー(コインと洗剤):13.25ドル
  • ブティックでの買い物:88ドル

ほかの家族の口座の分は入れていません。

この明細からわかること

  • チップ・飲み物・Wi‑Fiが運賃に入っていると、船の上の支払いはほとんど増えない。そのぶんは運賃に入っている
  • 総額のなかで大きく動くのは寄港地観光。アラスカでは、ヘリコプターを使うツアーが特に高い
  • 通貨が混ざる(この便では運賃がカナダドル、船内が米ドル)。比べるときは、どちらかにそろえる

総額で比べる手順

候補の船が2〜3つに絞れたら、次の順で総額をそろえます。

  1. 同じ条件で並べる航路・日数・時期・客室のタイプ(内側/海側/バルコニー)をそろえます。条件が違うと、総額を比べても意味がありません。
  2. 運賃に含まれるものを確かめる上の早見表で、チップ・お酒・Wi‑Fi・特別レストラン・寄港地観光のどれが込みかを見ます。
  3. チップを足す自動で加算される会社なら「1人1日の金額 × 泊数 × 人数」を足します。
  4. 自分が使う分だけ足すお酒やWi‑Fiは、使う人だけ足します。飲まない・つながなくていいなら、パッケージは要りません。
  5. 寄港地観光の予算を足す行きたい寄港地観光を先に選んで、その分を足します。込みの会社なら、ここが小さくなります。
  6. 船の外の費用を足す航空券、前泊のホテル、空港と港の送迎、海外旅行保険を足します。
  7. 総額で比べるここまでそろえて、はじめて「どちらが安いか」を比べられます。

「全部込み」のプランは得か

最近は、運賃の種類を選ぶだけで飲み物やWi‑Fiが付くプランを出す会社が増えています。

  • セレブリティ:All Included(飲み物・Wi‑Fiなど)
  • ノルウェージャン:Free at Sea(飲み物・特別レストラン・Wi‑Fi・寄港地観光のクレジットなど)
  • プリンセス:Plus/Premier(Premier の中身は上の実例のとおり)
  • ホーランド・アメリカ:Have It All
  • コスタ:All Inclusive運賃

得になるかどうかは、付いてくるものを自分が実際に使うかで決まります。

飲み物込みなどのプランは得?

お酒をよく飲む?

はい別々に買うより安くなることがある
いいえ使わない分まで払うことになる

毎日ネットにつなぎたい?

はいプランのWi‑Fiが役に立つ
いいえパッケージは不要

お酒をよく飲む人、毎日ネットにつなぎたい人なら、別々に買うより安くなることがあります。逆に、ほとんど飲まない人には、使わない分まで払うことになります。

内容は毎年のように変わるので、予約の時点の条件で、上の手順の4番目と比べてください。

寄港地観光の予算は削らない

総額を下げたくなったとき、最初に削りたくなるのが寄港地観光です。

ただ、筆者はクルーズの満足度は寄港地観光で決まると考えています。アラスカなら氷河、地中海なら遺跡や港町と、その航路を選んだ理由は、たいてい寄港地にあるからです。

上の実例のように、寄港地観光は1人分でも大きな金額になります。それでも、予算が足りないときは、寄港地観光より先に、客室のランクを1つ下げることを考えてください。

  • 客室を下げても、食事・ショー・寄港地は同じように楽しめる
  • 寄港地で何もできないと、その航路を選んだ意味が小さくなる

まとめ

  • クルーズの表示価格は、ほとんどの場合「運賃」だけ
  • 総額は「運賃」+「チップ・飲み物・Wi‑Fi・寄港地観光」+「航空券・前泊・保険」
  • 同じランクの中でも、何が込みかは会社によって違う。比べるときは早見表で確かめる
  • チップは「1人1日の金額 × 泊数 × 人数」。家族だと大きな金額になる
  • 予算が足りないときは、寄港地観光より先に客室を見直す

クルーズの費用は、表示価格の安さではなく、自分の旅で実際に払う総額で比べます。候補の船が決まったら、運賃に何が含まれるかを確かめ、チップと寄港地観光を足してから比べてみてください。

クルーズそのものがはじめての方は、初めてのクルーズ完全ガイドから読むと全体がつかめます。

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