日本発着クルーズの選び方:外国船と日本船の違いと、いま日本から乗れる船

最終更新日:2026年10月21日
筆者の乗船実績:エメラルド・プリンセス(アラスカ)/ディズニー・ワンダー(シドニー発着)/ディズニー・ファンタジー(西カリブ海)/ノールダム(エーゲ海&東地中海、大西洋横断)

日本発着クルーズは、横浜・東京・神戸・博多などの日本の港から乗って、日本の港に帰ってくるクルーズです。

飛行機に乗らずに始められるので、初めてのクルーズの候補になりやすい選び方です。ただ、同じ「日本発着」でも、日本の船と外国の船では、船の上の過ごし方がかなり違います。

この記事では、2026年10月時点で日本の港から乗れる船を、日本船と外国船に分けて整理します。そのうえで、どちらが誰に合うかを書きます。

船ごとの料金の目安は載せていません。航路・時期・客室で大きく動くからです。

先に結論:日本船は「日本の旅館の延長」、外国船は「海外の船を日本から試す」

  • 日本船は飛鳥Ⅱ・飛鳥Ⅲ(郵船クルーズ)と、三井オーシャンフジ・サクラ(商船三井クルーズ)の4隻。にっぽん丸は2026年5月に引退した
  • 外国船は、プリンセス(ダイヤモンド・プリンセス、サファイア・プリンセス)とMSC(ベリッシマ)が日本発着の中心。ほかにも季節ごとに来る船がある
  • 日本船は、日本語・円・チップ不要で、1泊〜数泊の短い便が多い
  • 外国船は、英語が基本・米ドルの会計・チップが自動で加算される会社が多い。そのかわり大型船の設備を日本から試せる
  • 船を選ぶ前に、行き先と時期を決める。どちらの船が合うかは、そのあとで考える

日本発着クルーズとは

港までは国内の移動だけ

日本発着のいちばんの利点は、港まで電車や車で行けることです。飛行機の乗り継ぎ、時差、前泊のホテルがいりません。

海外発着のクルーズでは、この「船の外の費用」が総額のかなりの部分を占めます。日本発着なら、その層が小さくなります(費用の積み上がり方は費用の記事で説明しています)。

外国の港に寄る便も多い

日本発着でも、韓国(釜山・済州島など)や台湾(基隆など)に寄る便がたくさんあります。外国の港に寄る便は、日本人でもパスポートが必要です。

外国船の日本一周に、韓国の港が入ることが多い理由

外国の船の日本発着クルーズは、日本一周と名のつく便でも、韓国や台湾の港に寄ることが多くなっています。

背景には、外国の船が日本の港どうしで旅客を運ぶことを原則として認めない、船舶法の規定(カボタージュ規制)があると報道では説明されています。日程を見て「なぜ韓国に寄るのか」と思ったら、この制度が理由のことが多いと考えてください。

日本船:2026年10月時点で4隻

日本の会社が運航し、船内を日本語で過ごせる船です。どの船もチップは不要です。

飛鳥Ⅱ・飛鳥Ⅲ(郵船クルーズ)

  • 飛鳥Ⅱ:1990年建造、乗客定員872名。全436室が海側。夜の服装はカジュアル/インフォーマル/フォーマルの3種類
  • 飛鳥Ⅲ:2025年7月就航、乗客定員680名(2026年5月出発分から)。全351室がバルコニー付き。夜の服装はエレガントカジュアル
  • 1泊2日〜4泊5日の短い便が多い。飛鳥Ⅱは年に1〜2本、オセアニアやアラスカへの長いグランドクルーズも出している
  • 食事は旅行代金に含まれる。アルコール、一部のソフトドリンク、寄港地観光ツアーは別料金

2隻の違いと料金の仕組みは、飛鳥クルーズの記事にまとめています。

三井オーシャンフジ・三井オーシャンサクラ(商船三井クルーズ)

  • フジ:2024年12月から運航。乗客定員458名。5泊以上の便や、南太平洋への長い便が中心
  • サクラ:2026年9月就航。乗客定員458名。1泊2日〜4泊5日の短い便が多い
  • どちらも元はシーボーン(米国のラグジュアリー船の会社)の船。全室が海の見えるスイート仕様
  • アルコールを含む飲み物が旅行代金に含まれる。一部の寄港地では、追加代金なしの半日の寄港地観光ツアーがある

にっぽん丸は2026年5月に引退

商船三井クルーズのにっぽん丸は、2026年5月10日の横浜帰港をもって引退しました。後継の船については、にっぽん丸の記事で公式の発表をもとに整理しています。

外国船の日本発着:主な船(2026年10月確認)

外国の船会社の船が、季節を決めて日本の港を発着しています。データは2026年10月18日に各社の公式サイトなどで確かめたものです。

プリンセス・クルーズ

  • 2027年は、日本で建造された姉妹船2隻で日本発着。ダイヤモンド・プリンセス(横浜発着)とサファイア・プリンセス(東京発着)
  • 日本向けの発表では、2027年3月〜11月に41出発、8〜14日間。韓国・台湾にも寄る
  • ダイヤモンド・プリンセスには展望浴場「泉の湯」がある

船の詳しい話はダイヤモンド・プリンセスの記事で書いています。

MSCクルーズ

  • MSCベリッシマが2023年から日本発着を担当。春〜初夏は東京発着、冬は那覇発着(石垣・宮古島・台湾など)
  • 2026年11月〜2027年1月は那覇発着、2027年3〜6月は東京発着と、日本語の公式ページで案内(2026年10月確認)
  • 販売会社がベリッシマを貸し切って売る日本一周の便もある

季節ごとに来る船

  • セレブリティ・ミレニアム:2027年は東京発着の12泊(3〜9月)。2028年はセレブリティ・ソルスティスの横浜発着も加わる
  • ホーランド・アメリカ:2026〜27年はウェスターダム、2027〜28年はノールダムで東京発着
  • ロイヤル・カリビアン:2028年3〜4月にボイジャー・オブ・ザ・シーズで横浜発着3本(2026年9月発表)
  • ノルウェージャン:ノルウェージャン・ジェイドの東京・横浜発着(第三者の情報)

ラグジュアリー船も日本に来ている

  • シーボーン・アンコール:2026〜27年の冬〜春に東京(横浜)発着など
  • シルバーシー:2027年春にシルバー・ムーンの東京発着(公式で4月17日発・14日間を確認)
  • リッツ・カールトン:ルミナラの東京(横浜)発着
  • リージェント:セブンシーズ・エクスプローラーの東京発の便(第三者の情報)

終わった便、これからの便

  • コスタ・セレーナの日本発着は、2026年10月18日の東京発が最後と販売各社が案内している。2027年以降の発表はない
  • ディズニーは、2029年春からディズニー・イマジネーションの東京発着を予定している

時期で見ると、乗れる船が変わる

日本船は1年中、日本の港から出ています。外国船は、日本に来る季節が決まっています。

日本発着の時期(2026年冬〜27年)
123456789101112
日本船
プリンセス
ベリッシマ
ミレニアム
薄い色は那覇発着。ミレニアムはセレブリティの船(2026年10月確認)。

春〜秋:選択肢がいちばん多い

プリンセスの2隻は2027年3月〜11月、MSCベリッシマは2027年3〜6月の東京発着です。セレブリティ・ミレニアムも2027年3〜9月に東京発着の便を出します。

冬:那覇発着と日本船が中心

冬は、MSCベリッシマが那覇発着で石垣・宮古島・台湾を回ります。日本船は、クリスマスや新春の短い便、グアム・サイパンや台湾への年末年始の便を出しています。

子ども連れは学校の休みから逆算する

夏休みに乗りたいなら、7〜8月に日本発着を出している船から選ぶことになります。行ける時期が決まっている方ほど、船より先に時期で候補を絞ってください。

外国船と日本船の違い

いちばん大きな違いは、船の上での「言葉」と「お金」です。主な違いを表にしました。

日本船と外国船の違い
項目日本船外国船
船内の言葉日本語英語が基本。日本語は便による
船内の会計円米ドルが多い
チップ不要自動加算の会社が多い
乗客の数458〜872名数千名の船も
日数1泊からある1〜2週間が中心
子ども向け船・便によるキッズクラブの船が多い

言葉:日本船は日本語、外国船は便ごとに確かめる

日本船は、船内放送も案内も日本語です。医療スタッフが日本語で対応すると公式FAQに書いている船もあります。

外国船は英語が基本ですが、日本発着の便では日本語の船内新聞や日本語を話すスタッフを用意していることがあります。

ただ、どこまで日本語で済むかは、同じ船会社でも便と場面で変わります。日本の販売会社がその便に日本語のスタッフを手配しているかどうかで決まることも多いので、予約の前に便ごとに確かめてください。

お金:通貨とチップ

外国船は、日本発着でも船内の会計が米ドルのことが多くあります。プリンセスの日本語公式サイトのFAQでは、船内通貨は米ドルで、日本円は使えないと書かれています。

チップも、1人1泊の定額が船内の会計に自動で足される会社が多くあります。日本船はチップが不要です。

船の大きさと過ごし方

日本船は乗客数百人の船で、大浴場や和食、落語などの船内イベントがあります。静かで落ち着いた雰囲気が中心です。

外国の大型船は乗客が数千人規模で、プール、劇場、カジノ、子ども向けの施設がそろっています。にぎやかで、船の中でできることが多いのが特徴です。

日数と寄港地

日本船は、1泊2日〜4泊5日の短い便が多く、休みが短い方でも乗れます。外国船の日本発着は、1週間前後から2週間ほどが中心です。

短い便の選び方は国内の短いクルーズの記事にまとめています。

総額の見方も違う

日本船と外国船では、表示されている代金に何が入っているかが違います。比べるときは、同じ日数・同じ客室の種類で、総額をそろえてから比べてください。

日本船:代金に含まれる範囲が船で違う

  • 飛鳥Ⅲの国内クルーズの代金には、消費税などの諸税と各港の施設使用料が含まれると料金表に書かれている(2026年10月確認)
  • 飛鳥はアルコールと寄港地観光ツアーが別料金。三井オーシャンはアルコールを含む飲み物と、一部の寄港地での半日の寄港地観光ツアーが含まれる
  • どの日本船もチップはかからない

外国船:あとから足されるものを数える

  • チップ:1人1泊の定額が自動で加算される会社が多い。家族の人数と泊数をかけると大きな金額になる
  • 飲み物・Wi‑Fi:別料金の会社が多い。パッケージで買う方法もある
  • 寄港地観光:船会社のツアーは別料金

外国船は表示価格が低く見えても、こうした費用を足すと差が縮まることがあります。会社ごとの違いは費用の記事の早見表で確かめられます。

寄港地観光の予算は残しておく

日本発着でも、寄港地でどう過ごすかで満足度は大きく変わると考えています。函館の夜景、沖縄の離島、釜山の市場など、その便を選んだ理由はたいてい寄港地にあるからです。

船代だけで予算を使い切らず、寄港地観光の分を残してください。考え方は寄港地観光の記事にまとめています。

乗船の日の流れ

日本発着は、港に着いてから船に乗るまでの手続きも、海外発着より簡単です。

  1. 港へ向かう電車・車・タクシーで港のターミナルへ。大きな荷物は、船会社が案内する宅配サービスで先に送れることがあります。
  2. 乗船の受付飛鳥の国内クルーズでは、受付は出港の約2時間〜1時間半前が目安と案内されています。
  3. 出国の手続き(外国に寄る便)韓国・台湾などに寄る便は、乗船の前に出国審査があります。国内だけの便より時間がかかります。
  4. 避難訓練と出港乗船後、出港の前後に避難訓練があります。そのあとはデッキで出港を見送れます。

どちらが合うか:条件ごとに

このサイトでは、全体のおすすめの順位はつけません。誰にとってどちらが合うかを、条件ごとに書きます。

日本船と外国船、どちらが合う?

日本語だけで、短い日数で試したい?

はい日本船が候補
いいえ次の質問へ

プールやキッズクラブを重視?

はい外国船が候補
いいえ残った便を総額で比べる
行き先と時期を決めたあとに使ってください。

日本船が合いやすい人

  • 言葉の心配をせず、日本語だけで過ごしたい人
  • 休みが2〜3日しか取れない人
  • チップや外貨の計算をしたくない人
  • 大浴場や和食など、日本の旅館に近い過ごし方をしたい人
  • 三世代で、年配の家族が一緒の人

外国船が合いやすい人

  • 将来、海外発着のクルーズに行きたくて、その前に英語・ドル・チップの仕組みを日本から試したい人
  • 子ども連れで、キッズクラブやプールなど船内の設備を重視する人
  • 1週間前後の休みが取れて、日本と韓国・台湾を一度に回りたい人
  • にぎやかな大型船の雰囲気が好きな人

どちらとも言えない人

「静かな船がいいが、韓国や台湾にも寄りたい」という方もいると思います。日本船でも、博多発着で釜山・済州島に寄る便や、年末年始に台湾へ行く便があります。

最初に行き先と時期を決めれば、どちらの船が候補に残るかは自然に絞られます。

日本発着クルーズを選ぶ手順

  1. 行き先を決める国内だけを回りたいのか、韓国・台湾にも寄りたいのか。北海道・瀬戸内・沖縄など、見たい場所を先に決めます。
  2. 時期を決める行ける時期と、その時期に日本発着を出している船を照らし合わせます。外国船は来る季節が決まっています。
  3. 同行者に合わせる子ども連れなら子ども向けの設備、年配の家族がいるなら言葉や移動のしやすさを見ます。
  4. 予算を決める表示価格ではなく、チップや飲み物、寄港地観光を含めた総額で考えます。
  5. 船を選ぶここで初めて、日本船か外国船かを比べます。
  6. 客室を選ぶバルコニーにするか、窓のある客室にするかを、船での過ごし方で決めます。
  7. 予約する日本船は運航会社の公式サイトか旅行会社で予約できます。外国船も、日本の販売会社の日本語サイトや旅行会社で予約できる船が多くあります。

船から見始めると、候補が多すぎて迷いやすくなります。船そのものの選び方は船の選び方の記事で書いています。

日本発着が向かない人もいる

初めてのクルーズだから日本発着でなければならない、ということはありません。次のような方は、海外発着も候補に入れてください。

  • アラスカの氷河や地中海の港町など、日本では見られない景色が目的の人:日本発着ではその行き先に行けません
  • 海外旅行に慣れている人:飛行機で港へ行くことが負担にならないなら、行き先の選択肢が大きく広がります
  • 寄港地をじっくり見たい人:日本の街を深く見たいなら、陸の旅行のほうが合うこともあります

筆者自身、2026年8月に家族3人でバンクーバー発着のアラスカのクルーズに乗りました。氷河のように日本では見られない景色が目的なら、海外発着を選ぶ意味は大きいという実感です。

まとめ

  • 日本船は飛鳥Ⅱ・飛鳥Ⅲ・三井オーシャンフジ・サクラの4隻。にっぽん丸は2026年5月に引退
  • 外国船はプリンセスとMSCが中心で、季節ごとにほかの船も来る
  • 違いは言葉・通貨・チップ・船の大きさ・日数
  • 日本語だけで短く試したいなら日本船、海外の船の仕組みを日本から試したいなら外国船
  • どちらでも、船より先に行き先と時期を決める

日本発着は、船より先に「どこへ、いつ行くか」を決めると選びやすくなります。そのうえで、日本語だけで過ごしたいか、海外の船の仕組みを試したいかで、日本船か外国船かを選んでください。まず短く試すなら国内クルーズ2泊3日・3泊4日の記事も参考になります。

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