クルーズ船の選び方:ランキングより「誰に向くか」でタイプ別に比較

最終更新日:2026年10月21日
筆者の乗船実績:エメラルド・プリンセス(アラスカ)/ディズニー・ワンダー(シドニー発着)/ディズニー・ファンタジー(西カリブ海)/ノールダム(エーゲ海&東地中海、大西洋横断)

「クルーズ船 ランキング」で調べている方は多いと思います。どの船がいちばん良いのかを、先に知りたくなるのは自然なことです。

ただ、このサイトでは全体のランキングは作りません。子連れに向く船と、大人だけで静かに過ごしたい人に向く船は、まったく違うからです。

かわりに、この記事では「誰にとって、どのタイプが合うか」を条件別にまとめます。主要26ブランドのデータ(船の大きさ・ランク・含まれるもの)をもとにしています。

先に結論:船は「行き先・時期・同行者」のあとに選ぶ

  • 決める順番は、行き先 → 時期 → 同行者 → 予算 → 船 → 客室 → 予約。船から見始めると迷う
  • ランク(カジュアル・プレミアム・ラグジュアリー)は豪華さの順位ではなく、何にお金を払うかの違い
  • 子連れなら、プールやキッズクラブの充実したカジュアル船のほうが満足度が高い家庭も多い
  • 大人だけで過ごしたいなら、18歳以上しか乗れない船という選択肢もある
  • どの船でも、満足度を大きく左右するのは寄港地でなにをするか

船を選ぶ前に決めること

クルーズは、航路ごとにシーズンが決まっています。行き先と時期を先に決めると、乗れる船は自然に絞られます。

決める順番
  1. 行き先
  2. 時期
  3. 同行者
  4. 予算
  5. 船
  6. 客室
  7. 予約
船から見始めると迷います。航路ごとにシーズンが決まっているので、先に「どこへ、いつ」を決めると、乗れる船が自然に絞られます。

行き先で、乗れる船が絞られる

たとえばアラスカは、夏のあいだだけの航路です。同じアラスカでも、グレイシャーベイ(国立公園の氷河の湾)に入る便を出している会社と、そうでない会社があります。

行きたい場所がはっきりしているなら、その航路を出している船の中から選ぶことになります。アラスカの例はアラスカクルーズの航路を地図で比べるで地図にしています。

時期で、さらに絞られる

子連れの場合、学校の長期休暇とその航路のベストシーズンが合うかどうかが、いちばん大きな制約です。夏休みに行ける航路は限られます。

同行者で、向く船が変わる

ここで初めて、船のタイプの話になります。子ども、親世代、夫婦だけ、ひとり旅で、向く船ははっきり分かれます。

ランクは「何にお金を払うか」の違い

クルーズ船は、大づかみにカジュアル・プレミアム・ラグジュアリーの3つのランクに分けて語られます。これに、日本の船を加えた4つで考えるとわかりやすくなります。

ランクは豪華さの順位ではなく、何にお金を払うかの違い
ランクと乗客数お金を払うもの
カジュアル2,000〜5,700人ほどプール、ショー、キッズ施設などの船の施設
プレミアム多くは1,000〜3,000人食事とサービスの質、落ち着いた雰囲気
ラグジュアリー数十〜750人ほど広い客室、少人数のサービス、含まれる範囲、小さな港
乗客数は2名1室で数えた定員。このサイトでまとめた26ブランドのデータから(2026年10月時点)。

カジュアル:船の施設で遊ぶ

ロイヤル・カリビアン、カーニバル、MSC、ノルウェージャン、コスタ、ディズニーなどです。乗客数は1隻あたりおおむね2,000〜5,700人ほどの大型船が中心です(2名1室で数えた定員)。

  • ウォータースライダー、サーフィン体験、ロッククライミングなど、船そのものが遊び場
  • キッズクラブは年齢ごとに分かれていることが多い
  • 運賃に含まれるものが少なく、必要なものを足していく考え方

プレミアム:食事と落ち着き

プリンセス、ホーランド・アメリカ、セレブリティ、キュナードなどの大型〜中型船と、オセアニア、バイキング、アザマラなどの中小型船があります。

同じプレミアムでも、運賃に含まれるものや客層がかなり違います。このランクは、ひとまとめにせず会社ごとに見るのがおすすめです。

ラグジュアリー:広い客室と少人数、小さな港

リージェント、シルバーシー、シーボーン、ポナン、クリスタル、リッツ・カールトン、シーニック、エクスプローラ、フォーシーズンズなどです。乗客数は数十人から750人ほどの小型船が中心です。

  • 全室スイートや全室バルコニーの船が多い
  • チップ・飲み物・Wi‑Fi はほぼ込み。ただし寄港地観光は会社によって込みと別料金に分かれる
  • 大きな船が入れない小さな港に寄れる

ラグジュアリー船どうしの違いはラグジュアリークルーズ比較で詳しく比べています。

日本の船:日本語で過ごせる

飛鳥クルーズ(飛鳥Ⅱ・飛鳥Ⅲ)と三井オーシャンクルーズです。どちらも公式に、船内を日本語で過ごせると案内しています(2026年10月に確認)。

にっぽん丸は2026年5月に運航を終えました。日本の船はチップが不要です。

船の大きさで変わること

ランクとは別に、船の大きさでも過ごし方が変わります。どちらが良いかではなく、何を優先するかの違いです。

大きい船と小さい船
大きい船
  • レストラン・プール・ショーが多い
  • 子ども向けの施設がそろう
  • 乗り降りに時間がかかる
  • 入れない港がある
小さい船
  • 乗り降りが早い
  • 小さな港や入り江に入れる
  • 船内の施設は少ない
  • 子ども向けの施設は限られる
○良い点 ×気になる点。どちらが良いかではなく、何を優先するかの違いです。

大きい船の良さと、気になる点

  • レストラン・プール・ショーの選択肢が多く、終日航海日でも飽きにくい
  • 子ども向けの施設がそろっていることが多い
  • 乗り降りや寄港地観光の集合に、時間がかかることがある
  • 大きすぎて入れない港がある

小さい船の良さと、気になる点

  • 乗り降りが早く、寄港地で使える時間が長くなりやすい
  • 小さな港や入り江に入れる
  • 船内の施設は少ない。船の上で遊びたい人には物足りない
  • 子ども向けの施設がない、または限られる船が多い

「大きい船なら揺れない」とは限らない

船酔いを心配して大きい船を選ぶ方もいます。ただ、天候と海域によっては大きい船でも揺れます。

揺れ方は、船の大きさだけでなく、客室の位置、海域、季節、天候で変わります。大きさだけで決めないほうがいいと考えています。

同行者で選ぶ

誰に、どのタイプが合うか
同行者・目的考え方の出発点
子連れカジュアル船(キッズクラブ・プール)
三世代大型のプレミアム船
大人だけで静かに18歳以上しか乗れない船、小型船
寄港地をじっくり小型船、寄港時間の長い航路
南極・北極探検用の小型船
日本語で過ごしたい日本の船
ランキングではなく、候補を探しはじめる目安です。

子連れ・三世代

子どもが楽しめるかを優先するなら、カジュアル船が候補の中心になります。年齢別のキッズクラブがあり、プールやスライダーなど、子どもが自分で遊べる場所が多いからです。

  • キッズクラブの対象年齢は会社ごとに違う(3歳から、おむつが取れていること、など)
  • ディズニーは、ディズニーが目的の家族向け。目的でない場合は割高に感じることもある
  • プリンセスは、3〜17歳の年齢別のキッズクラブがある(筆者は9歳の子どもと乗船)
  • プレミアム船にもキッズクラブはあるが、長い航路では実施しない会社もある(ホーランド・アメリカは25日以上の航路で実施なし)

三世代なら、親世代が静かに過ごせる場所と、子どもが遊べる場所の両方がある船が合います。大型のプレミアム船は、この両立がしやすいと考えています。

大人だけで静かに過ごしたい

子どもの声を気にせず過ごしたいなら、18歳以上しか乗れない船があります(2026年10月に公式で確認)。

  • バイキング:全船18歳以上。カジノ・フォーマルナイトなし。海の船は全室ベランダ付き
  • ヴァージン・ボヤージュ:全便18歳以上。20以上の飲食店がすべて追加料金なし
  • オセアニア:2026年1月7日以降の新しい予約は18歳以上のみ(それ以前の予約で子どもが乗る便は残る)

このほか、ラグジュアリーの小型船も、子ども向けの施設がない、または限られる船が多いです。

夫婦で初めての海外クルーズ

初めてなら、寄港地が多めの航路を選ぶのがおすすめです。終日航海日が続く航路は、船で過ごすこと自体を楽しめる人でないと退屈に感じることがあります。

英語が心配な方は、クルーズで英語はどのくらい必要かも読んでみてください。英語が必要な場面は、思っているほど多くありません。

旅の目的で選ぶ

寄港地をじっくり楽しみたい

寄港地での時間を長くとる航路を売りにしている会社があります。アザマラは、10時間以上の寄港や夜間の停泊を打ち出しています(公式。2026年10月に確認)。

小型船は、乗り降りが早く、小さな港にも入れます。寄港地観光が運賃に含まれる会社もあるので、寄港地観光の記事で込みの会社の一覧を見てください。

南極・北極などの探検

極地は、探検用の小型船の世界です。ゴムボート(ゾディアック)で上陸する航路が中心になります。

  • ポナン(最大でも264人の小型船のみ。フランス語と英語)
  • シルバーシー、シーボーンの探検船
  • シーニック(ヘリコプター・潜水艇を搭載)

船の上で過ごすこと自体が目的

船の施設で1日遊びたいなら、大型のカジュアル船が向きます。ディズニーのように、乗ること自体が目的の船もあります。

この場合は、寄港地観光より船内の体験に予算を寄せる判断でいいと考えています。

日本語の環境で過ごしたい

船内を日本語で過ごしたいなら、日本の船が確実です。海外の船会社の場合、日本語のサポートは会社ではなく便によって違います。

日本の販売会社が、その便に日本人のスタッフ(コーディネーター)を手配しているかで決まることが多いです。「この会社なら日本語が通じる」とは考えず、乗る便ごとに確かめてください。

同じ会社でも、船によって違う

会社を決めても、まだ終わりではありません。同じ会社の中でも、船の大きさや施設はかなり違います。

新しい船と古い船

新しい船ほど、目玉になる施設が増える傾向があります。たとえばカーニバルの一部の船には船上のジェットコースターがあり、セレブリティの Edge シリーズは海に張り出した設計を売りにしています。

古い船は施設が少ないかわりに、小さめで入れる港が多いこともあります。改装で中身が新しくなっている船もあるので、就航年だけで判断しないほうがいいと考えています。

大きな船の中の「専用区画」

大型船の中に、スイートの客だけが使えるレストランやラウンジ、デッキを設けている会社があります(2026年10月に公式で確認)。

  • MSC:MSC Yacht Club(一部の船)
  • ノルウェージャン:The Haven
  • セレブリティ:The Retreat
  • キュナード:客室のグレードで使うレストランが決まる(Grills の客室は専用レストラン)

大きな船の施設と、少人数の落ち着いた空間の両方がほしい人には、こうした区画も選択肢になります。ランクを上げるか、同じ船の中で客室を上げるかは、予算と過ごし方で決めます。

運賃に含まれるものも違う

同じランクでも、チップや飲み物、Wi‑Fi が運賃に入るかは会社ごとに違います。表示価格だけで「安い船」を選ぶと、総額では逆になることがあります。

日本発着で1回試す、という選択肢

初めてのクルーズだから日本発着でなければならない、ということはありません。海外旅行に慣れている方なら、最初から海外発着で問題ないと考えています。

一方で、自分にクルーズが合うかわからない方には、日本発着はいちばん小さなリスクで確かめられる選択肢です。航空券がいらず、船の外の費用と手間が小さくなります。

最初は日本発着?海外発着?

クルーズが自分に合うか試したい?

はい日本発着で1回試す
いいえ次の質問へ

海外旅行に慣れている?

はい最初から海外発着でよい
いいえ日本発着から始めるのも手

日本発着がある海外の船会社

日本の船のほかに、海外の船会社も日本発着の便を出しています。2027年はプリンセスがダイヤモンド・プリンセス(横浜発着)とサファイア・プリンセス(東京発着)を予定しています(2026年10月に公式で確認)。

MSC、セレブリティ、ホーランド・アメリカなども日本発着の便があります。便ごとの違いは日本発着クルーズの選び方で詳しく書く予定です。

日本発着が向かない人

  • 行きたい場所がはっきり海外にある人(アラスカ、地中海、カリブ海など)
  • 日本の港と近隣の国の寄港地に、すでに興味がない人

そもそもクルーズが向かない人

船のタイプを選ぶ前に、クルーズ自体が合うかも考えておきたいところです。クルーズは陸の旅行より優れているわけではなく、楽しみ方の種類が違うだけだと考えています。

  • 行き先を深く掘り下げたい人。寄港地にいられるのは数時間〜1日ほど
  • 出港時刻に縛られたくない人。船は決まった時刻に出て、待ってくれない
  • 毎日の予定を自分で細かく組みたい人

筆者が乗った船について

筆者が乗ったのは、エメラルド・プリンセス、ノールダム(ホーランド・アメリカ)、ディズニー・ワンダー、ディズニー・ファンタジーの4隻です。

プリンセス(エメラルド・プリンセス、アラスカ)

ちょうど良く落ち着いていて、アラスカに向いている船だというのが筆者の見方です。子ども向けの施設もひととおりそろっていました。

筆者の便では、船のアプリのレストラン予約や船内マップが日本語で使えました。ただし船内アナウンスは英語です。

ホーランド・アメリカ(ノールダム、地中海・大西洋横断)

落ち着いた船だと感じています。それが良さでもあり、船内のアクティビティを目当てにする子どもには物足りないかもしれない、という見方です。

船内では静かに過ごし、寄港地を楽しみたい人に向くと考えています。

ランキングで選ぶと失敗しやすい理由

  • ランキングの1位は、誰かにとっての1位。自分の同行者・目的と合うとは限らない
  • 一番高い船の一番高い部屋が、一番満足できるとは限らない。予算をどこに置くかのほうが大事
  • 表示価格の安さで並べたランキングは、含まれるものの違いを無視している

価格を比べるなら、同じ航路・同じ日数・同じ客室タイプの総額で比べます。手順はクルーズ旅行の費用は「総額」で比べるにまとめました。

候補を2〜3隻に絞る手順

  1. 行き先と時期を決める行きたい航路と、行ける時期を決めます。ここで候補の船はかなり減ります。
  2. 同行者の条件を書き出す子どもの年齢、親世代の体力、大人だけで過ごしたいか、などを書き出します。
  3. ランクを決める船の施設で遊びたいか、落ち着いて過ごしたいか、小さな船で寄港地を深く回りたいかで決めます。
  4. 残った船の寄港地と滞在時間を見る同じ航路でも、寄る港と港にいる時間が違います。寄港地でしたいことができるかを見ます。
  5. 総額で比べるチップ・飲み物・寄港地観光を足した総額で、2〜3隻を比べます。

船が決まったら、次は客室です。客室の選び方:バルコニーか内側かに続きます。

まとめ

  • クルーズ船に全員にとっての1位はない。条件別に選ぶ
  • 船は、行き先・時期・同行者を決めてから選ぶ
  • ランクは豪華さの順位ではなく、何にお金を払うかの違い
  • 子連れはカジュアル船、大人だけなら18歳以上の船、寄港地重視なら小型船、が考え方の出発点
  • 日本語のサポートは会社ではなく便ごとに違う

船選びで迷ったら、ランキングを見る前に、行き先・時期・一緒に行く人を先に決めてください。条件が決まれば、候補は自然に2〜3隻に絞れます。

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