クルーズの服装はカジュアルでいい?ドレスコードの実際と各社のフォーマルナイト
最終更新日:2026年10月21日
筆者の乗船実績:エメラルド・プリンセス(アラスカ)/ディズニー・ワンダー(シドニー発着)/ディズニー・ファンタジー(西カリブ海)/ノールダム(エーゲ海&東地中海、大西洋横断)
クルーズの服装でいちばん多い心配は「タキシードやドレスが必要なのでは」というものです。
結論からいうと、多くの船では普段の夜はカジュアルからスマートカジュアルで足ります。フォーマルの夜がある船でも、参加するかどうかは自分で選べることがほとんどです。
一方で、正装をして夕食に出かける夜を楽しみにしている人もいます。それもクルーズの楽しみ方の一つです。
この記事では、主な船会社のドレスコードの名前と、フォーマルの夜の回数を並べたうえで、持ち物の具体例をまとめます。
先に結論
- 近年のドレスコードは全体にカジュアルになっている。自由度は高いというのが筆者の実感
- 昼間はどの船もほぼ自由。決まりがあるのは夕方以降のレストランと一部のバー
- フォーマルの夜は「ある船」と「ない船」に分かれる。ある船でも、参加しない選択ができることが多い
- どの船でも、夜のレストランで水着・タンクトップ・ビーチサンダルはたいてい不可
- 正装を楽しみたい人は、フォーマルの夜がある船を選べばいい。堅苦しいのが嫌な人には、フォーマルの夜がない船もある
クルーズのドレスコードはどう決まっているか
ドレスコードは船会社ごとに決まっていて、さらに夜ごとに指定されます。
その日の指定は、船内新聞や船会社のアプリで前日までに案内されるのが一般的です。
決まりがあるのは「夕方以降」と「場所」
多くの船で、昼間の服装は自由です。プールの周り、ビュッフェ、デッキは、水着の上に何か羽織る程度でかまわない船がほとんどです。
決まりが出てくるのは、夕方以降のメインダイニング、有料の特別レストラン、劇場などです。ビュッフェは夜もカジュアルのままの船が多くあります。
- プールとデッキ昼はほぼ自由。水着に羽織るものでよい船がほとんど
- ビュッフェ夜もカジュアルのままの船が多い
- 夜のメイン
ダイニングその夜の指定に合わせる - 特別レストラン
劇場夕方以降は決まりがある - 夜のレストランでたいてい不可水着、タンクトップ、ビーチサンダル、帽子
夜の服装はおおむね3段階
- カジュアル:ふだんの外食の服。ジーンズやきれいなTシャツでよい船もある
- スマートカジュアル(エレガントカジュアル):襟付きシャツにチノパン、ワンピースやブラウスにスカートなど。ジャケットは任意の船が多い
- フォーマル(ドレスアップ):スーツやジャケットにネクタイ、カクテルドレスやイブニングドレス。タキシードは「着てもよい」で、必須とする会社は少ない
呼び名は会社によって違いますが、だいたいこの3つのどこかに当てはまります。
どの船でもだいたい不可なもの
カジュアルな船でも、夜のメインダイニングや特別レストランでは次のものを断るところが多くあります。
- 水着、バスローブ
- タンクトップ(特に男性)
- ビーチサンダル
- 野球帽などの帽子
- ダメージ加工のジーンズ、運動着
短パンの扱いは会社と店で分かれます。迷ったら、夜は長ズボンにしておけば困りません。
主な船会社のドレスコード
各社の名前と、フォーマルにあたる夜の回数をまとめました。2026年10月に各社の公式サイトなどで確認しました。
回数は「目安」です。どの会社も、航路や船長の判断で変わることがあると案内しています。乗る便の案内で必ず確かめてください。
カジュアル船
- ロイヤル・カリビアン:普段はカジュアル。フォーマルの夜は「Dress Your Best」で、5泊で1回、6〜10泊で2回、11〜14泊で3回、15泊以上で3〜4回(公式FAQ)
- カーニバル:普段は「Cruise Casual」。「Cruise Elegant」の夜が5泊以下で1回、6泊以上で2回。2026年は一部の短い航海で、この夜を白い服のテーマの夜に置き換えたという報道がある(いずれも第三者の情報。公式ページは未確認)
- ノルウェージャン:公式は「ドレスアップしてもしなくてもよい」という案内。決まったフォーマルナイトの有無は未確認。2026年に一部の特別レストランで夕食時の短パン・ビーチサンダルを断るようになったという報道がある(第三者の情報)
- MSC:フォーマルの強制はなし。ガラナイトは「タキシードから、いちばん良いジーンズとポロシャツまで、自分なりのエレガンスで」という案内
- コスタ:普段はリゾートカジュアル。航海の長さに応じてフォーマルの夜が1〜2回(米国向けの案内)
- ディズニー:普段はクルーズカジュアル。7泊以上はフォーマルとセミフォーマルの夜が各1回、短い航路は任意のドレスアップの夜。どの長さでもパイレーツナイト(海賊の仮装の夜)がある
プレミアム船
- プリンセス:普段はスマートカジュアル。フォーマルナイトは5〜6日で1回、7〜13日で2回、14〜20日で3回(1〜4日はなし)
- ホーランド・アメリカ:普段はスマートカジュアル。以前のフォーマルナイトは「Dressy Night」という名前に変わった。4〜6日で1回、7〜13日で2回、14〜20日で3回と、日数に応じて増える(公式FAQ)。タキシードは以前から必須ではないと公式が案内
- セレブリティ:普段はスマートカジュアル。フォーマルにあたる「Evening Chic」が各航海1〜2回。参加しない場合もスマートカジュアルで可
- キュナード:航海中に少なくとも1晩「Gala Evening」がある。以前のフォーマルナイトにあたる。一部の船ではタキシードの船内レンタルあり(公式FAQ)。ほかの夜の細かい決まりは未確認
- バイキング:フォーマルナイトなし。夜は「エレガント・カジュアル」(ジーンズ不可、ジャケット・ネクタイは任意)
- オセアニア:フォーマルナイトなし。夜はエレガントなリゾートカジュアル(第三者の情報)
- アザマラ:「リゾートカジュアル」。フォーマルは歓迎だが任意
- ヴァージン:決まったドレスコードなし。赤い服を着る「Scarlet Night」は推奨で、必須ではない
ラグジュアリー船
ラグジュアリー船だから正装が厳しい、とは限りません。むしろフォーマルの夜をなくした会社が目立ちます。
- シルバーシー:2026年6月1日以降の航海から、夜は「Elegant Casual」と「Formal Optional」の2種類に。7日以下はFormal Optionalなし、8〜14日は最大2回。ジャケットは屋内でも任意
- シーボーン:夜は「Elegant Casual」(ジャケット任意、上品なジーンズ可)。フォーマルナイトがあるのは一部の船だけで、メインのレストランに限られる
- リージェント:夜は「Elegant Casual」(きれいなデニムも可)。長い航海にフォーマル任意の夜がある
- ポナン:カジュアルエレガント。ガラナイトはカクテルの服、オフィサーの夜は白、または白と黒の服
- クリスタル:夜は「Evening Resort」。「Formal Evening」の夜は、ダイニングやバーでフォーマルが必要(回数は公式に記載なし)
- リッツ・カールトン、エクスプローラ、フォーシーズンズ、シーニック:フォーマルナイトの記載なし。夜はスマートカジュアルやリゾートの服
ラグジュアリー船どうしの違いは、ラグジュアリークルーズ比較で比べています。
日本の船
日本の船は、海外の船よりもドレスコードがはっきり残っています。
- 飛鳥Ⅱ:夕方17時ごろ以降、カジュアル/インフォーマル/フォーマルの3種類。和服も可
- 飛鳥Ⅲ:夕方17時ごろ以降は「エレガントカジュアル」。ショートパンツ、ノースリーブのTシャツ、ビーチサンダル、キャップは不可
- 三井オーシャン、にっぽん丸:夕方以降にカジュアル/セミフォーマル/フォーマル。回数は乗船の案内に書かれる。和服も可
短い国内クルーズの選び方は2泊3日・3泊4日のクルーズの記事にまとめています。
カジュアル化はどこまで進んでいるか
各社の名前の変え方を見ると、全体の流れはカジュアルの方向です。
- ホーランド・アメリカは「フォーマルナイト」を「Dressy Night」に改めた
- キュナードも、以前のフォーマルナイトを「Gala Evening」と呼んでいる
- シルバーシーは2026年6月から、夜の服装を2種類に減らし、ジャケットを任意にした
- バイキング、オセアニア、ヴァージン、リッツ・カールトンなどは、もともとフォーマルナイトを置いていない
筆者が乗った船の範囲でも、夜の服装の自由度は高いという実感です。きっちり決まりを守らないと居心地が悪い、という雰囲気の船ばかりではありません。
ただし、逆の動きもあります。ノルウェージャンは2026年に一部の特別レストランで短パンを断るようになったと報じられました(第三者の情報)。「何でも自由」ではなく、「最低限の決まりはある」と考えておくのが安全です。
- キュナード
- プリンセス
- ホーランド・
アメリカ - セレブリティ
- 日本の船
- ヴァージン
- バイキング
- オセアニア
- アザマラ
- 正装の夜だけ避ける
正装を楽しみたい人へ
フォーマルの夜は、ふだんの旅行では着る機会のない服を着て、ゆっくり夕食をとる夜です。写真撮影の場が用意される船もあります。
こうした時間を楽しみにしているなら、遠慮せずドレスアップすればいいと考えています。それもクルーズの楽しみの一つです。
フォーマルの夜がはっきりある船を選ぶ
- キュナード(Gala Evening)
- プリンセス、ホーランド・アメリカ、セレブリティ(7日以上なら2回以上が目安)
- 日本の船(飛鳥Ⅱ、三井オーシャン、にっぽん丸)
- 長い航海(世界一周やグランドボヤージュ)は回数が増える
服の目安
- 男性:ダークスーツ1着とネクタイ。タキシードは任意。ふだんのビジネススーツで足りると考えている
- 女性:カクテルドレス、きれいめのワンピース、パンツスーツ。日本の船なら和服も選べる
- 子ども:男の子は襟付きシャツとズボン、女の子はワンピース。必須ではない
堅苦しい服を着たくない人へ
反対に、旅先でまでスーツを着たくない人もいます。それも自然な考えです。
その場合でも、クルーズをあきらめる必要はありません。選び方と過ごし方で、ほぼ避けられます。
フォーマルナイトのない船を選ぶ
- ヴァージン(決まったドレスコードなし)
- バイキング、オセアニア、アザマラ(夜はきれいめのカジュアル)
- リッツ・カールトン、エクスプローラ、フォーシーズンズ、シーニック(フォーマルナイトの記載なし)
- シルバーシーの7日以下の航海、シーボーンの一部の船
フォーマルの夜がある船で、参加しない
- その夜はビュッフェやカジュアルな店で食べる。多くの船で、こうした店は夜もカジュアルのまま
- セレブリティのように「参加しない場合もスマートカジュアルで可」とする会社もある
- ルームサービスで部屋で過ごす(料金の扱いは会社により違う)
フォーマルの夜に、メインダイニングだけを避ければよい船がほとんどです。
それでも向かない人
夜のレストランでも短パンとビーチサンダルで通したい、という人には、どの船も少し窮屈に感じるかもしれません。
ドレスコードがないとうたう船でも、水着やタンクトップを断る場所はあります。「服装の決まりが一切ない旅」を求めるなら、クルーズより陸の旅行のほうが合うと考えています。
昼の服装と、寄港地の服装
服装で本当に差が出るのは、夜よりも寄港地です。クルーズの満足度は寄港地観光で決まると筆者は考えているので、ここは手を抜かないでください。
寄港地観光の選び方は寄港地観光(エクスカージョン)で満足度が決まるで詳しく書いています。
航路ごとに気をつけること
- アラスカ:夏でも船上や氷河の近くは冷える。重ね着できる上着、薄手のダウン、雨具、手袋があると安心。航路はアラスカの航路の記事へ
- 地中海:教会や修道院では、肩とひざを隠す服を求められる場所がある。薄いストールが1枚あると便利
- カリブ海:日差しが強い。帽子、サングラス、日焼け止め、ビーチで濡れてもいい靴
- 北欧・フィヨルド:天気が変わりやすく、夏でも肌寒い日がある。防水の上着
どの航路でも
- 歩きやすい靴(石畳、桟橋、テンダーボートの乗り降りがある)
- 船内の冷房対策の羽織りもの
- プールに行くなら水着と、上に羽織るもの
子ども連れの服装
子どもの服装は、大人ほど厳しく見られないのが一般的です。ただ、夜のメインダイニングで水着や裸足が不可なのは子どもも同じです。
テーマの夜を楽しむ
家族向けの船には、仮装やテーマカラーの夜があります。ディズニーのパイレーツナイトはどの長さの航海にもあり、海賊の衣装は推奨で必須ではありません。
ヴァージンの「Scarlet Night」(赤い服)や、カーニバルで報じられている白い服の夜(第三者の情報)のように、色で楽しむ夜もあります。持っていく服を1枚決めておくと、子どもが喜びます。
フォーマルの夜の子ども
- 襟付きのシャツやワンピースが1着あれば十分
- フォーマルの夜は子どもだけキッズクラブで夕食、という過ごし方ができる船もある(対象年齢・時間は船による)
- 大人だけの特別レストランは、子どもは入れないか、服装の決まりが厳しいことがある
子ども連れで船を選ぶときの考え方は子連れ・三世代のクルーズの記事にまとめます。
持ち物の具体例:7泊のクルーズの場合
フォーマルの夜が2回ある7泊の航海を例に、大人1人分の服の目安を挙げます。フォーマルナイトのない船なら、フォーマルの分を除いてください。
夜の服
- スマートカジュアルの服:4〜5日分(男性は襟付きシャツと長ズボン、女性はワンピースやブラウス)
- フォーマルの服:1〜2組(同じスーツやドレスを、小物を変えて2回着ても問題ない)
- 夜用の靴:1足(男性は革靴、女性はパンプスなど)
昼の服と小物
- 昼の服:Tシャツ、ポロシャツ、短パンやスカートなど、日数分より少し少なめ
- 上着:薄手のカーディガンかジャケット1枚(航路により防寒着・雨具)
- 歩きやすい靴:1足、サンダル1足
- 水着、帽子、サングラス
荷物を減らすコツ
- 船内の洗濯サービスやコインランドリーを使う。筆者が乗ったエメラルド・プリンセスでも、コインランドリーを使った
- 色を2〜3色にそろえて、組み合わせで日数をまかなう
- しわになりにくい素材を選ぶ
- タキシードを持っていくのが大変なら、船内レンタルのある船(キュナードの一部の船など)もある
服装を確かめる手順
- 船会社の公式の案内を見るドレスコードの名前と、フォーマルの夜があるかを確かめます。
- 乗る便の日数で回数を見当づける多くの会社は日数で回数を決めています。上の一覧を目安にしてください。
- 寄港地と季節から昼の服を決める寒さ・日差し・教会の服装など、航路に合わせて足します。
- 乗船後は船内新聞やアプリで確かめるその夜の指定は船の上で案内されます。日程が変わることもあります。
まとめ
- 普段の夜はカジュアルからスマートカジュアルで足りる船が多い
- フォーマルの夜は会社と日数で回数が決まる。乗る便の案内で確かめる
- 正装を楽しみたい人はフォーマルの夜がある船を、堅苦しいのが嫌な人はない船を選べばいい
- どの船でも、夜のレストランで水着・タンクトップ・ビーチサンダルは避ける
- 本当に大事なのは寄港地の服装。航路と季節に合わせて準備する
旅の快適さを左右するのは、夜の正装より、寄港地の気温と天気に合わせた準備です。フォーマルの夜の回数は、乗る便が決まってから案内で確かめれば十分です。
クルーズ全体の流れは初めてのクルーズ完全ガイドから読むとつかめます。