ホーランドアメリカとは:船・航路・Have It Allの中身を乗船者が解説

最終更新日:2026年10月21日
筆者の乗船実績:エメラルド・プリンセス(アラスカ)/ディズニー・ワンダー(シドニー発着)/ディズニー・ファンタジー(西カリブ海)/ノールダム(エーゲ海&東地中海、大西洋横断)

ホーランド・アメリカ・ラインは、150年以上の歴史がある船会社です。中型の船が中心で、落ち着いた雰囲気と、長めの航路が多いことで知られています。

筆者は、この会社のノールダムに2回乗りました。ベネチアからローマ近郊の港までのエーゲ海&東地中海11泊と、バルセロナからフロリダまでの大西洋横断15日です。

この記事では、ホーランド・アメリカの船・航路・料金に含まれるもの(Have It All)を、公式サイトの情報と筆者の体験で整理します。

先に結論

  • ホーランド・アメリカは、プレミアムに分類される中型船中心の会社。2026年10月時点で11隻
  • アラスカ、カリブ海、ヨーロッパが中心。日本(東京)発着の便も毎年ある
  • 標準の運賃では、チップ・飲み物・Wi‑Fiは別。Have It All を付けると、飲み物・Wi‑Fi・特別レストラン・チップ・寄港地観光のクレジットが付く
  • 船内は落ち着いていて、寄港地を楽しみたい大人に向くと考えている
  • 船内のアクティビティを目当てにする子連れには、物足りないかもしれない

ホーランド・アメリカはどんな会社か

1873年に始まったオランダ系の船会社

ホーランド・アメリカ・ラインは1873年に始まりました。いまはカーニバル・コーポレーションのグループで、プリンセス・クルーズやキュナードと同じグループです。

船の名前の多くが「〜ダム(dam)」で終わります。筆者が乗ったノールダムも、その1隻です。

中型船が中心

乗客は約1,400人から約2,700人までです。4,000人を超える大型船が増えているなかで、ホーランド・アメリカは小さめの船が中心です。

船内のアトラクションを売りにする会社ではない、というのが筆者の見方です。何を船に求めるかで向き不向きが分かれます。船の大きさの考え方はクルーズ船の選び方にまとめています。

長い航路が多い

7日間の航路のほかに、10日以上の航路や、何か月もかけて世界をまわる「グランドボヤージュ」があります。時間に余裕がある人が、ゆっくり船旅をする会社という性格があります。

船:11隻を4つのクラスで見る

2026年10月に公式サイトで確認した時点で、船は11隻です。2029年には、P&Oクルーズの船が移ってきて12隻になると、2026年10月に発表されました。

クラス船乗客
ピナクルロッテルダム、ニュー・スタテンダム、コーニングスダム約2,650〜2,670人
シグネチャーユーロダム、ニュー・アムステルダム約2,100人
ビスタノールダム、ウエステルダム、オーステルダム、ザイデルダム約1,960〜1,970人
Rフォーレンダム、ザーンダム約1,430人

乗客数は公式の資料によります。船名の日本語の書き方は、日本地区の販売代理店のサイトなどで使われているものに合わせました。

ピナクル・クラス(いちばん新しい3隻)

2016〜2021年に就航した、艦隊でいちばん大きく新しいクラスです。生演奏のバンド「B.B. King’s All-Star Band」や、シーフードのレストランは、この3隻だけにあります。

ビスタ・クラス(筆者が乗ったノールダムを含む)

2002〜2006年に就航した4隻です。ノールダムは2006年就航、約8.2万トン、乗客約1,970人です。

ビスタ・クラスのうちオーステルダムとザイデルダムは、2027〜28年に改装してから再デビューする予定と報じられています(第三者の情報)。

R クラス(いちばん小さい2隻)

フォーレンダムとザーンダムは、乗客約1,430人の小さめの船です。公式サイトでは、ピナクル・クラスより乗客が約35%少ないと紹介されています。

航路:アラスカ・カリブ海・ヨーロッパ・日本

主な航路の時期
123456789101112
アラスカ
日本発着
ヨーロッパ
色のついた月に便があります。ヨーロッパの通年は2027〜28年の予定(公式サイト)。日本発着は2026〜27年がウエステルダム、2027〜28年がノールダム。

アラスカ

アラスカは、ホーランド・アメリカが長く力を入れてきた航路です。シーズンは4〜9月で、シアトル往復・バンクーバー往復と、バンクーバーとウィッティア(アンカレッジの近く)の片道があります。

陸の旅を組み合わせた「クルーズツアー」では、デナリ国立公園の近くの自社ロッジに1〜3泊します。ユーコン準州のドーソンシティまで行くコースもあります。アラスカの航路の違いはアラスカクルーズの航路を地図で比べるで比べています。

カリブ海

主にフロリダのフォートローダーデール発着で、7〜11日間の航路が中心です。

ヨーロッパ

ロッテルダム、バルセロナ、ローマ(チビタベッキア)、アテネ(ピレウス)などから出ます。2027〜28年は、ヨーロッパに通年で船を置くと公式サイトにあります。

日本発着

秋(9〜11月)と春(2〜4月)に、東京発着を中心とした日本の航路があります。2026〜27年はウエステルダム、2027〜28年はノールダムが担当します。

  • 日本一周・南日本・日本と韓国をまわる、13〜15泊ほどの航路が中心
  • バンクーバーやシアトルと日本を結ぶ北太平洋横断、香港との片道もある
  • 日本地区の販売代理店のサイトでは、日本人コーディネーターが乗る日程もあると案内している

2027〜28年のノールダムの日本の航路

日本地区の販売代理店のサイト(2026年10月21日に確認)では、2027年秋から2028年春に次のような日程が出ていました。

  • 2027年9月:シアトル発・東京着の北太平洋横断(13泊)
  • 2027年9〜10月:東京発着の日本一周(14泊)が2本
  • 2027年10月:東京発・香港着(14泊)
  • 2028年2〜4月:東京・横浜発着の南日本、日本と韓国、日本一周(14泊)
  • 2028年4月:東京発・バンクーバー着の北太平洋横断(15泊)

2026年秋と2027年春の東京発着は、同じサイトで満室の表示になっている便が多くありました。日本発着に乗りたいなら、早めに日程を見ておくほうがよさそうです。

日本人コーディネーターが乗るかどうかは、便ごとに違います。日本語の手助けが必要なら、予約の前にその便について確かめてください。

料金に含まれるもの:標準の運賃と Have It All

標準の運賃に含まれるもの

客室、メインダイニングとビュッフェ、ショー、プールなどが含まれます。チップ、お酒やソフトドリンク、Wi‑Fi、特別レストラン、寄港地観光は別料金です。

チップとサービス料

チップ(クルー・アプリシエーション)は、船内の会計に毎日自動で足されます。公式サイトでは、1人1日 スイート以外18ドル、スイート20ドルです(2026年10月確認)。

このほか、飲み物や特別レストランなどには20%、スパには18%のサービス料が足されます。どちらも2026年6月に引き上げられたと報じられています(日付は第三者の情報)。

Have It All の中身

Have It All は、運賃に1人1日の定額を足して付けるパッケージです。公式サイト(米国)で2026年10月21日に確認した内容は次のとおりです。

  • 飲み物のパッケージ:1杯12ドルまでの飲み物を1日15杯まで(カクテル・ワイン・ビール・スペシャリティコーヒー・ソーダなど)
  • Wi‑Fi(Surf)
  • チップ(クルー・アプリシエーション)の前払い
  • 特別レストラン:4〜9泊で1回、10〜20泊で2回、21泊以上で3回
  • 寄港地観光のクレジット:4〜9泊で最大100ドル、10〜20泊で最大200ドル、21泊以上で最大300ドル
標準の運賃と Have It All
標準の運賃
  • チップ(毎日自動で足される)
  • 飲み物
  • Wi‑Fi
  • 特別レストラン
  • 寄港地観光
Have It All
  • チップ(前払い)
  • 飲み物(1杯12ドルまで・1日15杯まで)
  • Wi‑Fi(Surf)
  • 特別レストラン(回数つき)
  • 寄港地観光(クレジットのみ)
○含まれる △一部 ×別料金。2026年10月21日に公式サイト(米国)で確認。

料金は、米国向けの表示で1人1日65ドルでした(2027年夏より前に出る航海は60ドル)。販売する国や予約の時期で変わるので、目安ではなく仕組みとして見てください。

Have It All で気をつけること

  • 21泊以上の区分からは、グランドボヤージュが除かれている
  • 特別レストランは回数つき。何度でもではない
  • 寄港地観光のクレジットは「最大」。ツアーの代金がすべて込みになるわけではない
  • 2026年秋以降、いちばん短い区分が6〜9泊から4〜9泊に変わった
Have It All:泊数で増えるもの
泊数特別レストラン寄港地クレジット
4〜9泊1回最大100ドル
10〜20泊2回最大200ドル
21泊以上3回最大300ドル
2026年10月21日に公式サイト(米国)で確認。

得かどうかは、お酒を飲むか、Wi‑Fiを使うかで決まります。総額での比べ方は費用は総額で比べる記事にまとめています。

船の上の過ごし方

食事

メインダイニングは、17:00か19:30の決まった時間と、好きな時間に行ける「As You Wish」から選べます。特別レストランは、12歳以下は半額、キッズメニューなら無料です(公式サイト)。

音楽

ホーランド・アメリカは、生演奏の音楽に力を入れています。ピナクル・クラスの B.B. King’s All-Star Band、ほかの船の Rolling Stone Lounge のバンドやビルボードのピアノバーなどです。

ドレスコード

ふだんはスマートカジュアルで、ジャケットなどを勧める「Dressy Night」があります。グランドボヤージュではフォーマル指定の夜もあります。

子ども向け

3〜17歳のキッズクラブがあり、年齢で3つに分かれています。ただし、25日以上の航路ではキッズクラブはありません(公式サイト)。

大人向けの場所と、寄港地の講演

  • 大人専用のプール(Seaview Pool)がある
  • 寄港地について話を聞ける講演(Up Close Presentations)がある
  • 全船にピックルボールのコートがある

寄港地の予習ができる講演があるのは、寄港地を中心に旅をする人にはうれしい点だと考えています。

同じグループのプリンセスとの違い

ホーランド・アメリカとプリンセスは、どちらもカーニバル・コーポレーションのグループです。航路が重なることも多いので、迷う人が多い組み合わせです。

項目ホーランド・アメリカプリンセス
船の大きさ約1,400〜2,700人約2,000〜4,300人
隻数11隻17隻
パッケージHave It AllPlus/Premier
日本発着春と秋に東京発着春〜秋に横浜・東京発着
日本語サイト日本地区代理店のサイト日本語公式サイト

隻数と日本発着は2026年10月時点の情報です。どちらもアラスカに力を入れていて、デナリの近くに自社のロッジを持っています。

迷ったときの考え方

  • 小さめの船で落ち着いて過ごしたい:ホーランド・アメリカを先に見る
  • 子ども向けの施設や、新しい大型船の施設も楽しみたい:プリンセスを先に見る
  • 日本発着で、日本語の案内を重視したい:両社の便ごとの案内を比べる

プリンセスについてはプリンセス・クルーズの記事にまとめています。どちらが上ということではなく、何を重視するかで決めてください。

日本から予約するとき

ホーランド・アメリカの本社のサイトに、日本語版はありません(2026年10月確認)。日本では、日本地区の販売代理店(セブンシーズリレーションズ)が日本語のサイトを出しています。

英語の公式サイトで直接予約もできますが、予約の内容に間違いがあったとき、自分で英語で説明する必要があります。旅行会社を通す利点は旅行会社を通して予約する理由にまとめています。

筆者が乗ったノールダム

エーゲ海&東地中海11泊

  • ベネチアで乗船し、ローマ近郊のチビタベッキアで下船
  • 客室:バルコニー(部屋番号の指定なしで予約する「保証料金」)

保証料金は、客室のカテゴリーだけを決めて、部屋の場所は船会社に任せる予約の仕方です。部屋の位置は選べませんが、そのぶん安く出ることがあります。

大西洋横断15日

  • バルセロナで乗船し、フロリダのフォートローダーデールで下船
  • 客室:部屋の指定なしで予約

大西洋横断は、季節の変わり目に船がヨーロッパからアメリカへ移るときの航路です。一般に寄港地が少なく、海の上の日が続く航路です。

乗ってみて考えたこと

筆者のひとことは、「落ち着いた船。満足度は寄港地観光で決まる」です。船内が落ち着いているのは良さでもあり、物足りなさでもあると考えています。

船の上ではにぎやかに遊ぶより静かに過ごし、寄港地で何をするかで旅の印象が決まる、という実感です。寄港地観光の選び方は寄港地観光(エクスカージョン)で満足度が決まるにまとめています。

ノールダムは、2019年10月に改装しています(公式の資料)。

ホーランド・アメリカが向いている人・向かない人

向いていると考える人

  • 船内では静かに過ごし、寄港地を楽しみたい人
  • 長めの航路でゆっくり旅をしたい人:10日以上の航路やグランドボヤージュが多い
  • アラスカで、船と陸の旅を組み合わせたい人:デナリの自社ロッジに泊まるクルーズツアーがある
  • 大型船の混雑が苦手な人:中型船が中心

向かない人

  • 船内のアクティビティを目当てにする子連れ:子どもには物足りないかもしれない
  • にぎやかな船内を楽しみたい人:カジュアル船のほうが合う
  • 「全部込み」を期待する人:Have It All でも寄港地観光はクレジット分だけ

ホーランド・アメリカを選ぶ手順

  1. 行き先と時期を決めるアラスカは4〜9月、日本発着は春と秋。行き先によって船がいる時期が違います。
  2. 日数を決める7日間か、10日以上か。ホーランド・アメリカは10日以上の航路も多くあります。
  3. 船のクラスを見るピナクル・クラスは新しく大きめ、R クラスは小さめです。
  4. Have It All を付けるか決めるお酒とWi‑Fiの使い方で決めます。チップは付けなくても自動で足されます。
  5. 寄港地観光を先に選ぶHave It All のクレジットを差し引いても、寄港地の予算は別に確保します。

似ている船会社との違い

ホーランド・アメリカと同じプレミアムに分けられる会社に、プリンセスとセレブリティがあります。3社とも日本発着の便があり、違いは船の大きさと、運賃プランに何が含まれるかに出ます。

プレミアムの3社を比べると
会社1隻の定員飲み物込みのプラン
プリンセス2,000〜4,300人Plus/Premier:チップ・Wi‑Fi込み
ホーランド・アメリカ1,400〜2,700人Have It All:チップ・Wi‑Fi・観光クレジット込み
セレブリティ2,200〜3,300人All Included:Wi‑Fi込み、チップは別
2026年10月18日に公式サイトで確認。3社とも日本発着の便があります。

プリンセスとの違い

プリンセスは約2,000〜4,300人の大型船が中心で、キッズクラブが3〜7歳・8〜12歳・13〜17歳に分かれています。運賃プランのPlus/Premierは、Have It Allと同じくチップとWi‑Fiが込みです。

落ち着いた船で寄港地を楽しみたい人にはホーランド・アメリカ、子連れで船内の施設も使いたい人にはプリンセスが合うと考えています。詳しくはプリンセスの記事で整理しています。

セレブリティとの違い

セレブリティは約2,200〜3,300人の大型船が中心で、海に向いた設計のEdge Seriesの船があります。運賃の「All Included」は飲み物とWi‑Fiが付きますが、乗務員へのチップは別です。

Have It Allはチップも込みなので、2社を比べるときはチップを足した総額でそろえてください。詳しくはセレブリティの記事で整理しています。

まとめ

  • ホーランド・アメリカは中型船中心のプレミアム船。2026年10月時点で11隻、2029年に12隻の予定
  • アラスカ・カリブ海・ヨーロッパが中心で、日本(東京)発着もある
  • 標準の運賃ではチップ・飲み物・Wi‑Fiは別。Have It All で多くが付く
  • 落ち着いた船で、満足度は寄港地観光で決まると筆者は考えている

ホーランド・アメリカは、船内で静かに過ごし、寄港地をじっくり楽しみたい人に向く会社です。航路が決まったら、Have It All にするかより先に、寄港地で何をしたいかを決めてみてください。寄港地観光の選び方は寄港地観光の記事にまとめています。

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