ANA特典航空券が取れない?予約のコツと確保率を上げる7つの方法

特典航空券の「全然取れない」問題

ANAマイルを貯めて特典航空券を取ろうとしたことがある方なら、一度はこう感じたことがあるのではないでしょうか。

「検索しても空席がない」「キャンセル待ちを入れても結局取れなかった」「家族分をまとめて取るのが絶望的」——。

マイルの入門記事には「100,000マイルでハワイ往復が無料に!」と書かれていますが、現実にはマイルを持っていても航空券に交換できないという問題が年々深刻化しています。特にビジネスクラスの特典航空券は、人気路線のハイシーズンではほぼ争奪戦です。

僕は家族でフランスに住んでおり、定期的に日本に帰国する時マイルでの航空券取得に挑戦していますが、特にビジネスクラス取得は大変で妻とあの手この手で探し回っています。。

この記事では、ANA国際線の特典航空券がなぜ取りにくいのか、その仕組みを解説した上で、確保率を上げるための具体的な方法を7つ紹介します。筆者自身、家族3人分の特典航空券を毎年確保するために試行錯誤してきた経験をもとに書いています。

なお、マイルの貯め方の基本については「マイルの貯め方完全入門ガイド【2026年版】」を、カード選びについては「マイルが貯まるおすすめ航空系クレジットカード比較【2026年版】」をご覧ください。


なぜ取れないのか:特典航空券の座席枠の仕組み

対策を知る前に、まず特典航空券の座席がどのように管理されているかを理解しておく必要があります。

ANAは特典航空券用の座席枠を公式に公開していませんが、各種検証情報を総合すると、おおむね以下のような構造になっています。

クラス1便あたりの初期開放枠(推定)
エコノミークラス5〜10席程度
プレミアムエコノミー2〜5席程度
ビジネスクラス2〜5席程度
ファーストクラス0〜2席程度

※路線・時期・機材によって異なります。

す、少ない…!

ビジネスクラスで2〜5席ということは、家族3人分を同時に確保しようとすると、予約開始直後でも取れない便が多いということです。ファーストクラスに至っては枠がゼロの便も珍しくありません。

さらに、座席枠が開放されても、すべての会員に平等に提供されるわけではありません。空席待ちの処理には会員ランクによる優先順位が存在します。

優先順位会員ステータス
1位ダイヤモンド
2位プラチナ / SFC(スーパーフライヤーズ)
3位ブロンズ
4位一般会員

一般会員が先にキャンセル待ちを入れていても、後からダイヤモンド会員が申し込めば、ダイヤモンド会員が優先されます

直前に座席が追加開放された場合も、SFC以上の会員にはより多くの席が表示されるケースが報告されています。

エコノミークラスであれば枠が多いため、ハイシーズンの超人気路線を除けば家族分でも確保は十分に現実的です。「取れない」問題が深刻なのは、主にビジネスクラス以上であるという点は押さえておいてください。


方法①:355日前の午前9時に予約する

ANA国際線特典航空券は、搭乗日の355日前の午前9時(日本時間)から予約が開始されます。座席枠が最も多い瞬間であり、ここが最大のチャンスです。

予約をスムーズに進めるために、事前にANAウェブサイトにパスポート番号と決済カード情報を登録しておくことをおすすめします。午前9時ちょうどにアクセスが集中するため、ページの読み込みに時間がかかることがあります。

電話予約も併用するのが有効です。ANAの電話窓口は午前8時から繋がりますが、特典航空券の受付は午前9時からです。8時台に電話をかけてオペレーターに繋がった状態で待機し、9時になった瞬間に予約手続きを始めてもらうことができます。ウェブサイトがアクセス集中で重い場合、電話の方が早く予約できるケースも少なくありません。

注意点として、往復旅程の場合は復路の搭乗日の355日前から予約可能になります。つまり、往路と復路の日程が離れていると、往路分の予約開始が遅れることになります。


方法②:直前の座席開放を狙う

355日前の予約に出遅れた場合でも、まだチャンスはあります。ANAは搭乗日の約1か月前〜数日前にかけて、有償航空券の販売状況に応じて特典枠を追加で開放することがあります。これが「直前開放」と呼ばれるもので、我が家もこの方法で航空券をゲットすることが多いです。

直前開放の特徴は以下の通りです。

有償航空券が売れ残っている便ほど開放されやすい傾向があります。搭乗の2〜3週間前から出発数日前にかけて出現することが多いですが、いつ、何席開放されるかは予測できません。SFC以上の会員にはより多くの席が表示されるケースがあり、一般会員にはビジネスクラス1席しか見えない便でも、SFC会員には2席表示されるといった差が生じます。

この方法は「予定を柔軟に変更できる方」に向いています。直前まで旅程が確定しないため、休暇の調整が難しい方にはハードルが高いですが、逆に急に休みが取れた場合やリタイア後の旅行には非常に有効です。

ANA国際線特典航空券のキャンセル料は1名あたり3,000マイル(または3,000円)ですので、仮押さえしておいて直前に良い便が出たら取り直す、という運用も可能です。


方法③:空席待ち(キャンセル待ち)を入れる

希望の便が満席の場合、出発14日前まで空席待ちを申し込むことができます。空席が出た時点で自動的に座席が確保され、登録メールアドレスに通知が届きます。

空席待ちを有効に使うためのポイントがいくつかあります。

空席待ち人数を事前に確認すること。ANAウェブサイトのチャットボット「ANA Chat」で、便名と出発日を指定すると、そのクラスの空席待ち人数(有償航空券の空席待ちも含む)を教えてもらえます。空席待ちが20人以上いる便は確保の見込みが薄いため、別の便に切り替える判断材料になります

電話で空席待ち人数の詳細を確認するのも有効です。オペレーターに聞くと、より具体的な情報を教えてもらえる場合があります。空席待ちが少ない便を選んで申し込むことで、確保率は大きく変わります。

複数人での空席待ちは非常に難しいということも理解しておく必要があります。3人で空席待ちを入れた場合、3席同時に空かないと確保されません。1席だけ空いても、3人分の予約は成立しないのです。

3名以上の人数で空席待ちをする場合

そのため、家族の場合は2名+1名に分けて空席待ちを入れるのが有効な戦略です。

同じ便で2名分と1名分を別々の予約として空席待ちすれば、2席空いた時点で2名分は確保され、残り1名も別途チャンスを狙えます。最悪の場合、1名だけ別便になりますが、3人とも取れないよりはずっと良い結果です。

我が家は妻と娘2名分+僕1名分に分けてキャンセル待ちを入れることが多いです。結果、妻と娘はビジネスクラス、僕は一人でエコノミー、みたいなこともありました。


方法④:スターアライアンス特典航空券に切り替えて必要マイルを下げる

これは中級者向けのテクニックですが、知っているかどうかで必要マイル数に大きな差が出ます。

ANAマイルで発券できる特典航空券には、「ANA国際線特典航空券」と「提携航空会社特典航空券(スターアライアンス特典航空券)」の2種類があります。

ANA国際線特典航空券は、ANA便のみで構成される旅程に適用されます。スターアライアンス特典航空券は、旅程の中に1区間でもANA以外のスターアライアンス加盟航空会社の便が含まれると適用されます。

この2つは必要マイル数が異なり、特にハイシーズンではスターアライアンス特典の方が大幅に少なくなるケースがあります。

渡航先ANA特典(ビジネス・ハイシーズン片道)スタアラ特典(ビジネス・単純往復片道)差額(片道)
東南アジア47,500マイル30,000マイル▲17,500マイル
ハワイ67,500マイル42,500マイル▲25,000マイル
北米82,500マイル55,000マイル▲27,500マイル
ヨーロッパ90,000マイル57,500マイル▲32,500マイル

スターアライアンス特典航空券のもう一つの大きな利点は、シーズンによる必要マイル数の変動がないことです。ANA特典はハイシーズンに必要マイルが跳ね上がりますが、スターアライアンス特典は年間を通じて一定です。

具体的なやり方は、ANA便でサンフランシスコまで行き、そこからユナイテッド航空の米国内線を1区間追加する、という形です。旅程にスターアライアンス他社便が入ることで、全体がスターアライアンス特典航空券に切り替わり、必要マイルが下がります。

検索は「複数都市・クラス混在」から行う必要があります。通常の往復検索では表示されないため、必ず複数都市検索を使ってください。

注意点として、スターアライアンス特典航空券ではプレミアムエコノミーの予約ができません。また、ストップオーバー(24時間以上の途中降機)は往路または復路のいずれか1回のみ可能で、ANA便のみの特典航空券ではストップオーバー自体が不可です。


方法⑤:オープンジョーや経由便で選択肢を広げる

同じ都市の単純往復にこだわると、その都市への直行便に空きがなければそこで終わりです。しかし、行きと帰りで異なる都市を使う「オープンジョー」や、経由地を変える検索をすると、空席が見つかる可能性が広がります。

たとえばヨーロッパ旅行で、行きはロンドンin、帰りはフランクフルトoutという旅程を組めば、ロンドン直行便が満席でもフランクフルト便に空きがあるかもしれません。都市間の移動はLCCや鉄道で手配すれば、むしろ複数都市を楽しめる旅程になります。

また、地方空港からの出発便や海外空港発着便も検討する価値があります。羽田・成田・関空からの直行便は競争が激しいですが、名古屋や福岡からの便、あるいはソウル発着の便は比較的空席が出やすい傾向があります。ソウルまでLCCで往復し、そこからANAマイルで特典航空券を発券するという方法も有効です。

ANAの特典航空券は、乗り継ぎが24時間以内であれば日付をまたいでも問題ありません。この仕組みを利用して、国内区間の乗り継ぎを加えたり、中継地での短い滞在を組み込んだりすることもできます。


方法⑥:エコノミーを購入し、マイルでビジネスクラスにアップグレードする

ビジネスクラスの特典航空券がどうしても取れない場合、有償でエコノミー(またはプレミアムエコノミー)を購入し、マイルを使ってビジネスクラスにアップグレードするという方法があります。

この方法の最大のメリットは、まず「搭乗できる」状態を確保した上で、ビジネスクラスのチャンスを待てる点です。特典航空券の空席待ちでは、取れなかった場合に旅行自体が成立しなくなるリスクがありますが、有償航空券を押さえておけばそのリスクがありません。

アップグレード特典の主なルールは以下の通りです。

ANA国際線が対象で、アップグレードは1クラス上への変更のみです。エコノミー→ビジネス、ビジネス→ファーストは可能ですが、エコノミー→ファーストへの2クラスジャンプはできません。対象となる予約クラス(運賃種別)に制限があり、格安エコノミーの一部はアップグレード対象外です。予約時にアップグレード空席を確認でき、空席がなければ空席待ちとなります。空席待ちの処理は特典航空券と同様に会員ランク順です。

必要マイル数の目安(エコノミー→ビジネス)は、東南アジアで片道20,000〜28,000マイル、ハワイで片道25,000〜33,000マイル、北米で片道25,000〜38,000マイル、ヨーロッパで片道28,000〜38,000マイル程度です。

*筆者自身も、最近はこの方法を多用しています。家族3人分のビジネスクラス特典航空券を同時に確保するのは至難の業ですが、エコノミーの有償航空券なら確実に3席押さえられます。その上でアップグレードが通ればビジネスクラス、通らなくてもエコノミーで旅行はできる——この安心感は大きいです。


方法⑦:提携航空会社の便を活用する

ANA便が満席でも、ANAマイルでスターアライアンス加盟航空会社の便を予約できます。

方面主な提携航空会社
ヨーロッパルフトハンザ、オーストリア航空、スイスインターナショナルエアラインズ、ターキッシュエアラインズ、LOTポーランド航空
北米ユナイテッド航空、エアカナダ
東南アジアタイ国際航空、シンガポール航空、アシアナ航空、エバー航空
オセアニアニュージーランド航空

これらの便はANA便とは別の特典枠が設定されており、ANA便が満席でも空席がある場合があります。特にルフトハンザやオーストリア航空のヨーロッパ内路線、タイ国際航空のバンコク以遠路線などは、比較的空席が見つかりやすいという声があります。

ただし、注意点が2つあります。

提携航空会社の便はANAのウェブサイトで検索しても表示されないことがあります。電話予約の方が確実で、オペレーターに「スターアライアンス提携便も含めて空席を探してほしい」と伝えると、ウェブには表示されない便を案内してもらえることがあります。

もう1つは、提携便の特典枠の開放タイミングがANA便と異なることです。提携航空会社便の予約開始は搭乗日の300日前の午前9時で、ANA便の355日前より55日遅くなります。


番外編:ユナイテッドマイルでANA便を発券する

ANAマイルではなく、ユナイテッド航空のマイル(マイレージプラス)でANA便の特典航空券を発券するという選択肢もあります。

この方法の最大のメリットは燃油サーチャージが無料になることです。ANAマイルで特典航空券を発券すると、欧米路線では片道29,000円(2026年1月時点)のサーチャージがかかりますが、ユナイテッドマイルなら不要です。家族3人の往復で約174,000円の差になります。

さらに、ユナイテッドマイルの特典航空券はキャンセル料が無料マイルの有効期限もなし誰にでも発券可能(家族以外の友人にも発券できる)というメリットがあります。

ただし、デメリットも明確です。ユナイテッドの予約開始はANAより20日遅い335日前のため、人気便はすでにANA会員に押さえられている可能性が高いこと。そしてANA便をユナイテッドマイルで予約する場合、必要マイル数がANA自社マイルより大幅に多いことです(路線によっては2倍以上)。

また、ANAが自社マイルの特典枠を優先する傾向が強まっており、ANAサイトでは空席ありと表示される便がユナイテッドの検索では表示されないケースも増えています。

ユナイテッドマイルは「ANAマイルの補助的な手段」として持っておくと選択肢が広がります。特に燃油サーチャージが高騰している時期には大きな価値があります。


実践例:筆者の家族3人分の予約戦略

最後に、筆者が家族3人分のANA特典航空券を確保するために実際に行っている手順を紹介します。

まず、355日前の予約開始に参加します。 ウェブサイトと電話の両方を使い、9時ちょうどに申し込みます。3名同時に取れればベストですが、取れないことも多いです。

取れなかった場合、2名+1名に分けて別便で検索します。 同日の別の便、あるいは前後1日ずらした便で空きがないか確認します。3名が同じ便に乗れなくても、同じ日にそれぞれの便で到着できれば問題ありません。

それでも取れなければ、空席待ちを入れます。 事前にANA Chatで空席待ち人数を確認し、人数が少ない便を選んで申し込みます。空席待ちの期限は出発14日前です。

並行して、有償のエコノミー航空券を購入しておきます。 特典航空券が取れた場合は有償を払い戻し、取れなかった場合はエコノミーで搭乗します。有償航空券を押さえておくことで、「旅行自体がキャンセルになる」リスクをゼロにできます。

出発1か月前から直前開放を毎日チェックします。 ビジネスクラスの直前開放が出れば、エコノミーの特典航空券から取り直します(キャンセル料は1名3,000マイルまたは3,000円)。あるいはエコノミーの有償航空券に対してマイルでのアップグレードを申し込みます。

正直に言えば、この一連のプロセスは手間がかかります。。。

しかし、ビジネスクラスの航空券を3名分正規購入すれば100万円を超えることを考えると、マイルと工夫で同じ体験を得られる価値は十分にあると考えています。


まとめ

方法難易度効果向いている人
①355日前に予約★★★計画的に動ける人
②直前開放を狙う★★日程に柔軟性がある人
③空席待ちを入れる★★粘り強く待てる人
④スタアラ特典に切り替え★★★★◎◎マイルを節約したい人
⑤オープンジョー・経由便★★★旅程を柔軟に組める人
⑥エコノミー購入+アップグレード★★確実に搭乗したい人
⑦提携航空会社の活用★★★ANA便にこだわらない人

特典航空券は「貯めたマイルを使う」段階が最も難しいというのが正直なところです。しかし、仕組みを理解し、複数の方法を組み合わせれば、確保率は確実に上がります。

エコノミークラスであれば、ハイシーズンの超人気路線を除いて家族分でも十分に取得可能です。ビジネスクラスは確かに競争が激しいですが、直前開放やアップグレード戦略を使えば、チャンスはゼロではありません。

大切なのは、1つの方法に固執せず、複数の手段を並行して進めることです。


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