世界中、自由に旅する会社をつくりたい。

「阪口さんのアメブロの、一番最初の記事を読んで、僕は鳥肌が立ちましたよ。
4年前に書いたことが、まさに現実になってるじゃないですか」

先日、パワートラベラー仲間とスカイプで話していたときのこと。

そう言われてみて、慌ててブログの投稿を見返してみました。

2010年の5月13日。

そのときに書いたブログが、こちらです。

世界中、自由に旅する会社をつくりたい。

オフィスの場所は、今ぼくらがいるところ。
メンバーは、そのときその場所にいる人たち。
事業は、そのメンバーできる最大限に面白いもので。

ぼくは、たとえば貿易をやりたい。

その国にいる素敵な人たちがつくった素敵なものを、
異国の人たちに届けてみたい。
それが本当に素敵に見えるキャッチコピーと、デザインを添えて。

異国にオフィスを構えたい。
南向きの窓と、コーヒー、そしてmacbook。
小粋な女の子をひとり、アルバイトに置いて。

街を歩いて、人と話して、こじんまりと商品を仕入れたい。

仕事の時間は午前中だけ。

午後はきっと、小説を書いたり、散歩をしたり、
本を読んだり、デートをしたりで忙しい。

夜は楽器をかついで、
カフェやバーで演奏をしたいから、これもきっと忙しい。

南向きの窓から差し込む光が、まだやわらかな時間帯だけ。

そうして在庫がなくなって、部屋がからっぽになったら、
部屋をたたんで、彼女と別れる。またあたらしい国へ行く。

そんな風にして、いくつものオフィスや、WEBサイトを立ち上げては、
干したての洗濯物をたたむように、丁寧に片づけていく。

そんな風な毎日を、25歳からつくっていく。
21.1世紀の、新しいはたらき方を、見つけていく。

「会社」と書いたけど、それは古い。
「起業」も、なんだかカッコつけて、肩が張る。

ぼくのは、単なるわがままだ。
ただし、信念のある、わがままだ。

折れそうになることが、日本では本当に多い。
ぼくはあの場所に行く。それまで絶対に、諦めない。

⇒ http://ameblo.jp/walcre/entry-10533890900.html

この記事を書いた2日後、2010年の5月15日に、
僕は死に場所を探して東京の職場から逃げ出しました。

結局は死にきれずに、気がついたら遠く離れた大阪の街に立ち尽くしていて、
茫然自失としたまま夢と気力のすべてを失いました。

行き場所もなく、東京の部屋に戻ってきて、
出迎えてくれた当時の恋人に別れを宣告されました。

医者には鬱病と診断され職場は、その日のうちに退職。

携帯を壊した僕は、誰と連絡を取ることもなく、
そうしてひとりぼっちのまま耐え切れずに、その後、自殺未遂をしました。

薬の後遺症で、身体も頭も動かず、ほぼ寝たきりの状態が続き、
数ヶ月間、毎日ぼんやり窓の向こうの空を眺めていた時。

僕の頭のなかに、パッと、あのときの記事で書いたような風景が蘇ってきたことを覚えています。

まだ自分は、あの場所に行っていない。

あの場所に辿り着くまで、自分は死ねない。

その想いだけで、僕は這い上がることを決意しました。

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あれから4年経って、僕は4年前に描いた風景の中に、大好きな人と一緒に立つことができています。

ここに至るまでは、一言では言えないくらいたくさんのことがありましたが、
僕は、そのすべてに価値があったと心から思っています。

あのときに自分が思い描いた理想の風景を、ライフスタイルをこれからも僕は追いかけていきます。

阪口ユウキ

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