メゾンカイザー白金高輪本店が、2022年1月31日で閉店するそうです。
理由は、店舗を構えているビル老朽化による取り壊しのため。たしかに、古そうな建物に入っていたからなあ。。どこかに引っ越すのではなく、本店はこのままなくなり、今後は現在ある国内30店舗でパン作りをしていくとのことでした。
閉店前日、1月30日の朝食用のパンを買いに店舗へ
閉店前日、1月30日(日)の朝食用のパンを買いに行ってきました。
これまでも、何も予定がない土日祝日の朝に買いに行くことが多かったのですが、その文化がなくなると思うと寂しくもあります。
オープンの8時過ぎに訪れたのですが、すでに10名ほどの方が並んでいました。普段、行列ができることはないので、やはり皆さん閉店を惜しんでのことだと思います。
メゾンカイザーをはじめて訪れたのは、妻とパリのノートルダム大聖堂近くに滞在をしていたとき。美味しい朝食を探そうと、散歩をしていてたまたま見つけたのが、Rue Monge通りにあるメゾンドカイザーでした。
香ばしいパンの焼ける香り。
朝食を買いに来て談笑してさっと帰るパリマダムの粋な雰囲気。
握りしめた使い慣れないユーロ硬貨。
パリに慣れず、クロワッサンを買うというただそれだけのことにもドキドキしていたことをよく覚えています。
白金高輪展は路面店であること、またその古めかしい外観がパリっぽく(だからこそ老朽化で取り壊しになったわけですが)、訪れるたびにパリの記憶が蘇る、僕にとってはそういう店舗でした。
クロワッサンとパンオショコラで朝食
メゾンカイザーを買ってきた朝は、しっかりと朝食も準備しようという気持ちになります。
紅茶を淹れて、テーブルナプキンを選び、クラシック音楽を流して。娘のお気に入りは、たまごの入っているクロワッサン。欠かさず買うようにしています。
フランスでは、朝食といえばクロワッサンとパンオショコラ、甘いものが好きな子どもはパンオレザンだそうです。
クロワッサンとパンオショコラはあっても、本格的なパンオレザンがあるパン屋は少ないと思います。クロワッサンも甘すぎず、フランスで食べるのと同じ食感と味わいなのが気に入っていました。
メゾンカイザーは車で行ける範囲に店舗は色々あるのですが、営業時間が遅いところが多いんですよね。土日で朝8時から開いているというと、五反田店になるのかなあ。なにもない休日の朝食を、どう変えていこうかなと思っています。
メゾンカイザー白金高輪の皆様、これまでありがとうございました。
阪口ユウキ
追記:コートダジュールの朝
こちらはコート・ダジュールのヴィラに滞在していたときの朝食写真。フランスのパン屋は朝6時頃、遅くても7時には開いているので、朝起きたらその日のパンを買いに出かけるのが日課でした。
クロワッサンとパンオショコラ、パンオレザン。それとヨーグルト、オレンジジュース、フルーツがあれば言うことなし。最初にオレンジジュースを飲んで、それから紅茶か珈琲を淹れて談笑するという時間の過ごし方でした。コートダジュールの海から昇る朝日は力強かったなあ。
メゾンカイザーの、存在感のある、丸々と香ばしく焼けたクロワッサンを食べていると、あの時の朝食を思い出します。他のパン屋のクロワッサンも色々食べてきましたが、ここまでフランス感を感じるクロワッサンはありませんでした。色んな思い出を想起させる、メゾンカイザーはそういう店なのでした。