海外旅行保険は必要?クレジットカード保険で足りる人・足りない人

海外旅行保険はどう選べばいいのか。

結論から言えば、90日以内の旅行であれば、手持ちのクレジットカードに付帯している保険で十分対応できます。必要ない、というのが僕の意見です。

この記事では、旅行者向けに「本当に別途保険に入る必要があるのか」を整理した上で、足りない場合の補い方までを解説します。

留学・ワーキングホリデーなど90日を超える長期滞在向けの保険については、別記事で詳しく取り上げる予定です。


海外旅行保険とは何をカバーするのか

海外旅行保険と一口に言っても、補償項目は複数あります。

すべてを把握する必要はありませんが、どの項目が重要かを知っておくと、カード付帯保険で足りるかどうかの判断がしやすくなります。

主な補償項目

傷害治療費用:旅行中のケガで病院にかかった際の治療費をカバーするものです。

疾病治療費用:旅行中に発症した病気の治療費が対象になります。この2つが海外旅行保険のなかで最も重要な項目です。海外では救急搬送と数日の入院で数百万円に達することが珍しくないため、補償額が十分かどうかが保険選びの最大のポイントになります。

傷害死亡・後遺障害:旅行中の事故による死亡や後遺障害に対する補償です。金額は大きいですが、利用頻度としては低い項目です。

賠償責任:他人にケガをさせたり、ホテルの備品を壊したりした場合の損害賠償に備えるものです。

携行品損害:カメラやスマートフォンなどの持ち物が盗難・破損に遭った場合の補償で、1個あたりの上限が10万円程度に設定されているのが一般的です。

救援者費用:旅行者が入院した際に家族が現地へ駆けつける交通費・宿泊費をカバーします。

渡航先別の医療費の目安

保険の補償額をどの程度確保すべきかは、渡航先の医療費水準によって大きく変わります。

アメリカは最も医療費が高い地域です。救急外来の受診だけで数十万円、入院・手術が伴えば500万〜1,000万円を超えるケースも報告されています。ヨーロッパは国によって差がありますが、西欧主要国では入院1日あたり10万〜30万円程度が目安です。骨折や盲腸手術で200万〜400万円になることもあります。東南アジアは比較的安価ですが、外国人向けの私立病院を利用すると100万〜200万円程度になることがあります。オーストラリア・ニュージーランドはヨーロッパに近い水準で、100万〜300万円を見ておく必要があります。

この医療費水準を踏まえると、傷害・疾病治療の補償額は最低でも300万円、北米やヨーロッパへの渡航では500万〜1,000万円あると安心です。


90日以内の旅行ならクレジットカード付帯保険で十分

90日以内の海外旅行であれば、ゴールドカード以上のクレジットカードを持っていれば、付帯保険で基本的な補償は確保できます。

ゴールドクラスのカードであれば傷害・疾病治療がそれぞれ300万円程度ついており、東南アジアや短期のヨーロッパ旅行であればこれで十分です。

重要なのは、自分が持っているカードの保険内容を事前に確認しておくことです。カ

ード会社の公式サイトや会員ページから補償内容の一覧を確認できます。チェックすべきポイントは、傷害治療費用・疾病治療費用の上限額、付帯条件が「自動付帯」か「利用付帯」か、そして補償期間(出国から何日間か)の3点です。

自動付帯はほぼ消滅している

「海外旅行保険 自動付帯 クレジットカード」というキーワードで検索される方は非常に多いのですが、2023年以降、主要カード会社は次々と自動付帯を廃止し、利用付帯へ切り替えています。2026年3月時点で年会費無料カードの自動付帯はほぼゼロです

詳しくは「海外旅行保険が自動付帯のクレジットカードはもう残っていない?【2026年版】」で最新の改定状況をまとめていますが、結論としては「自動付帯を探すより、利用付帯の条件を確実に満たす使い方を知る方が重要」です。

利用付帯の条件は、航空券やツアー代金、空港までの公共交通機関の料金をそのカードで決済するだけです。海外旅行に行く方であれば航空券は必ず購入するわけですから、意識的にカード決済すれば自然と条件を満たせます。自動付帯にこだわる理由は、実質的にはほとんどありません。

カードを持っていない・保険が弱い場合の考え方

手持ちのカードに付帯保険がない、あるいは傷害・疾病治療が100万円以下で心もとないという場合は、この機会にゴールドカードの新規発行を検討するのも一つの手です。

理由はシンプルで、「どうせ旅行保険のために保険料を払うのであれば、その分をゴールドカードの年会費に充てた方が合理的」だからです。ゴールドカードであれば保険に加えて、マイルの高還元や空港ラウンジ、入会キャンペーンのポイント・マイルなども得られます。

たとえば ANAアメックスゴールド は年会費34,100円ですが、傷害・疾病治療300万円の保険に加えて、入会キャンペーンで数万マイル相当のポイントが獲得できます。

無料カードの保険を合算するために何枚もカードを作るよりも、1枚のゴールドカードに決済を集中させてマイルも貯める方が、トータルの費用対効果は高くなります。カードの選び方の詳細は「海外旅行におすすめのクレジットカード比較【2026年版】」にまとめています。


それでも不安が残る場合:ネット型海外旅行保険の選び方

ゴールドカードの保険で基本は十分とはいえ、北米への渡航や、万が一の高額医療が心配な方は、ネット型の海外旅行保険を追加で加入するのも良いと思います。代理店型と比べて保険料が安く、出発当日でもスマートフォンから加入できるものが主流です。

選ぶ際に見るべきポイント

最も重視すべきは治療・救援費用の補償額です。カード付帯の300万円に上乗せして、合計で1,000万円以上になるプランを選べば北米でも安心できます。

治療費無制限プランを用意している保険会社もあり、保険料の差は数百円〜千円程度のことが多いため、選べるなら無制限を選ぶのが無難です。

次に重要なのがキャッシュレス診療への対応です。これは現地の病院で自己負担なく治療を受けられるサービスで、立替払いの必要がありません。数百万円の治療費を一旦自分で支払って後から請求するのは現実的に困難なため、キャッシュレス対応は必須と考えてください。

そのほか、24時間日本語サポートの有無、歯科治療の補償があるかどうか、航空機遅延費用の補償があるかどうかも確認しておくと安心です。

主なネット型海外旅行保険

ジェイアイ傷害火災「t@bihoたびほ」 は、治療・救援費用無制限プランが選べるネット型保険の代表格です。カスタマイズ性が高く、補償項目ごとに金額を調整できるため、カード保険で足りている部分を外して保険料を抑えることも可能です。キャッシュレス診療対応、24時間日本語サポートがあり、31日以内の旅行であればスマートフォンから当日加入できます。

エイチ・エス損保「たびとも」 は、最安プランでも治療費用1,000万円が付き、無制限プランも選択できます。出発当日の加入が可能で、保険料は業界内でも安い部類です。キャッシュレス診療にも対応しています。

大手の旅行保険もありますが、そこまで補償を手厚くしなくても良いと思います。個人的にはたびほが保険料も安くおすすめです。

保険料の目安

ネット型海外旅行保険の保険料は、渡航先と期間によって大きく変わります。

目安として、アジア圏1週間で1,500円〜3,000円程度、ヨーロッパ1週間で2,500円〜5,000円程度、北米1週間で3,000円〜6,000円程度です。

治療費無制限プランを選んでもプラス数百円〜千円程度の差であることが多いため、迷ったら無制限を選んでおくことをおすすめします。

カード付帯保険とネット保険の合算について

クレジットカードの付帯保険と、別途加入するネット型保険は合算が可能です。ただし、合算できるのは傷害治療費用・疾病治療費用・賠償責任・携行品損害・救援者費用などの「費用型」の補償に限られます。

傷害死亡・後遺障害については合算されず、最も補償額が高い保険1社分のみが適用されます。

たとえば ANAアメックスゴールド の疾病治療300万円に加えて、t@bihoたびほ の治療費無制限プランに加入すれば、実質的に治療費の心配はなくなります。カード保険をベースにして、不足分だけをネット保険で補うという考え方が、費用対効果の面でも最も合理的です。

海外旅行保険が不要なケースと必要なケース

別途保険が不要なケース

ゴールドカード以上を保有しており、傷害・疾病治療300万円以上の付帯保険がある方。渡航先が東南アジアや短期のヨーロッパ、オセアニアであれば、カード保険だけで十分です。

ネット保険の追加を検討すべきケース

渡航先が北米(特にアメリカ)で、カード保険の治療費補償が300万円程度の場合。万が一の入院・手術に備えて、無制限プランの追加加入をおすすめします。費用は1週間で3,000円〜6,000円程度です。

本記事の対象外(別記事で解説予定)

90日を超える長期滞在(留学、ワーキングホリデー、海外ノマドなど)の場合は、カード保険の補償期間を超えるため、長期対応の海外旅行保険や留学保険への加入が必要です。こちらは別記事で詳しく取り上げます。


まとめ

海外旅行保険の選び方は、実はそれほど難しくありません。

まず手持ちのクレジットカードの付帯保険を確認すること。ゴールドカード以上であれば傷害・疾病治療300万円程度の補償があり、90日以内の旅行ではこれで基本十分です。

自動付帯のカードはほぼなくなっているため、航空券やツアー代金をカードで決済して利用付帯条件を満たすことを忘れないでください。もしカードの保険が心もとないなら、保険料を別途払うよりも、入会キャンペーンや保険が充実したゴールドカードを1枚持つ方が賢い選択です。

それでも不安が残る渡航先や期間の場合だけ、t@bihoたびほたびともなどのネット型保険を数千円で追加すれば万全です。

カードの選び方については「海外旅行におすすめのクレジットカード比較【2026年版】」、カード付帯保険の最新改定状況については「海外旅行保険が自動付帯のクレジットカードはもう残っていない?【2026年版】」をあわせてご覧ください。

追伸:筆者の場合

筆者は ANAアメックスゴールド で航空券を決済し、利用付帯の保険(傷害・疾病300万円)を毎回の旅行でカバーとして使っています。90日以内の旅行であれば、これまで追加で保険に入ったことはありません。

現在はフランスに家族で暮らしているため、長期滞在の保険として t@bihoたびほ の保険に入っています。日本/ヨーロッパの保険会社を比較しましたが、2026年現在一番安く加入できる保険でした。