日中、僕はサングラスなしには外を歩けない目の状態になっていて、
歩いているのは、ここ、あいりん地区。
日中、サングラスをかけている、坊主の、ひょろっとした23歳がこの地を歩いていると、当然ながら、いろんな視線を向けられる。
すれ違いざまに小さく罵声を浴びせられることもあれば、
路上にとまっていたパトカーに、いきなり身柄を拘束されて、両脇を固められた上で職質を受けることもある。
季節は、春。あいりん地区の路上でたむろする人の姿も増えてきた。冬の間、ドヤの中ですごしていたであろう人が、陽気に誘われて出てきたのだ。空気感も変わった。
今日、再び職質を受けて、この地に留まることはもうできないと思った。
収益は順調に伸び、今月は30万円に達するかもしれない。桜も散り始めている。
もう、あいりん地区を卒業するときがきたのだと思う。
明日、荷物をまとめて、この町を出ます。
阪口ユウキ