「声なんてどうにでもなる」とあるベンチャー社長に教わった、自分の性格は変わらなくても”性格以外は変えられる”という話。

こんにちは、阪口です。

僕は仕事柄、人前に立って喋ったり、スクール用の音声収録をする機会が多いです。先日もスクールの勉強会で話してきました。

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もともと僕は23歳で鬱病になり、それがきっかけで起業をしています。そして、鬱になったきっかけは、人とうまく話すことができないストレスからでした。

誰かを目の前にして話そうとすると、喉の奥がいつも引っかかる。

一緒に働き、コミュニケーションをとらなくてはならない環境に、耐え難い苦痛がある。

未だに僕は誰かと会うことに抵抗を感じますし、「うまくしゃべれるかなあ」とか、「なんて思われるかなあ」とか、色々なことを考えてしまいます。

これは性格的なもので、今後も変わらないのだろうと思います。

目次

人前に立つことが苦手な性格は変えられない、でも変えられるものもある

喋ることが苦手な性格や人間性を変えるのは難しい。何年かそれも試みましたが、ある日諦め、考え方を変えることにしました。

自分の性格は変わらない。でも、性格以外のものは変えることができるのではないか…?

たとえば、人と話すことが苦手な理由の1つに、「自分の声が嫌い」というものがありました。

僕の地声は高く、見た目も年齢の割には幼く見えることが多いので、声でずいぶん損をしていると感じてきました。

腹から声を出すこともできませんし、議論をするような機会があれば、声量で押し負けます。

もし僕がもっと低く、説得力のある声を持っていたら。

声に対するコンプレックスがなくなったら。

もっと楽に、誰かと話したり、人前に立つことができるようになるのではないか……?

僕は自分の性格を変えるのではなく、「自分の声を変えることの努力」をすることに切り替えました。

ベンチャー企業の社長に教わった自分の声を変える2つの工夫

自分の声を、変える。

そのヒントを僕は、学生時代、インターンシップ生として働いていたベンチャー起業の社長に教わったことがあります。

僕は大学3年生のときに半年間ほど、営業のインターンシップをしていました。

今考えると無謀な挑戦ですが、、、西新宿にあるとあるデザイン会社に通いながら、毎日スーツを着、飛び込み営業に精を出していました。

営業のインターン生ということで、会社で営業研修があります。

テレアポのかけかた。

飛び込み先での営業方法。

会社や商品の説明について。

そうしたものを、小さなオフィスの一角で、社長や先輩に教わっていました。

「阪口、お前はまず声をどうにかしろ」

ある日の研修時、

社長

阪口、お前はどうしてそう、おどおどと話してるんだ?

僕は社長にそんな風に言われました。

そ、そんなにおどおど話していますか?

社長

ああ、今にも絞め殺されそうな鶏みたいな声で話してるな。そんな声じゃ取れる契約も取れんぞ。やりとりを覚えるのもいいが、まずお前はその声をどうにかしろ

できることなら僕だって、堂々とした声で話してみたい。

だけど、これが僕の声であるし……。正直に僕は「自分の声に自信がないんです」と社長に伝えることに。

社長

阪口、自分の声に自信ないなら一人カラオケに行け

一人カラオケですか?

社長

そうだ。そしてブルーハーツを歌うんだ。

ブルーハーツ……?

そのとき僕は、ブルーハーツの名前や「リンダリンダ」などの有名曲の名前は知っていましたが、じっくり聞いたことはありませんでした。

社長

ブルーハーツはいいぞ。腹から声を出せるし、歌詞もわかりやすい。発声をするというただひとつのことに集中できるからな。

社長

歌詞を追いかけるような歌うのが難しい曲は歌うな。そして大声で歌えない曲は歌うな。お前は今日からブルーハーツだけを歌えばいい。お前、ブルーハーツは好きか?

ぜ、全然聴いたことがありません……

社長

今日から歌え。青空を歌い、終わらない歌を歌い、首つり台の上からシャララを歌い、テトラポットの上で1000のバイオリンを歌うんだ

社長

俺も昔、まだ新入社員の営業として他の会社で働いていた時、会社帰りにカラオケに行って、ブルーハーツを歌っていた。発声練習にも、気分転換にもなる。騙されたと思ってやってみろ。

は、はい!

「声が出ないなら、一人カラオケで発声練習すればいい」自分の地声を諦めていた僕にとって、それは衝撃的なアドバイスでした。

「阪口、声なんてものはな、どうにでもなるんだよ」

社長

阪口、声なんてものはな、どうにでもなるんだよ。

そうなんですか?

社長

お前、俺の声、どう思う?

社長の声は、低く、良い感じに枯れていて、どっしりとしている。人混みの中で聞いても、一発で社長の声だとわかるような存在感のある声でした。

僕がその感想をそのまま伝えると、社長は驚くような一言を言いました。

社長

俺の声はな、これは作ったんだよ。

もともとその声じゃなかったんですか!?

社長

ああ。前の会社で営業をやってたときにな、憧れの先輩がいたんだよ。その先輩のことはなんでも真似ようと思ってな。

社長

その先輩の声が、またいい声なんだ。低くて枯れてて説得力があってな。ああ、こうした声を持っていると契約がとれるんだと学んだんだ。だから俺は、自分の声を変えようと思ったんだ

社長のこの声は、生まれ持ってのものではないっと知ったときの、衝撃。

社長

ブルーハーツを歌えといったろう。あれは発声練習になるだけじゃない、繰り返し歌ってると、自分の声が枯れるんだ。お前もカラオケの翌日は、声が枯れて低くなっていることがあるだろう。あれだ。

社長

声帯が治る前に、またブルーハーツを歌うんだ。そしてまた声を枯らす。治ると思ったらまた枯らす。それを繰り返すんだ

社長

そうしているとだんだん、自分の地声が変わってくるんだよ。いい感じに低く、枯れる感じに地声がなってくる。そしてそのトーンで落ち着くようになるんだ

社長

俺はこの声になってから、営業成績は上がった。阪口、お前も自分の声が嫌いと思うなら、声を変えればいいんだよ

だから僕は、自分の声を変えることにした。

インターン生の頃は、毎日を乗り越えることに必死で、結局、一人カラオケに通うことができたのは数回しかありませんでした。

ブルーハーツはたしかに歌いやすく、腹の底から声が響くような感覚を感じましたが、一人カラオケがはじめてだった僕は変にテンションがあがってしまい、いろんな曲に浮気をしてしまったことを覚えています。

途中で僕は身体を壊し、インターンシップは中止になったのですが、そのとき社長に教わった衝撃的なアドバイスは、その後もずっと記憶の中に残っていました。

うつ病になってから起業をし、PC一台でできる仕事をはじめたとき。

僕の声はまた、もとの、自分が嫌いな声に戻っていました。

それでも、誰かと会ったり、人前に立って話す機会はでてくる。

僕はあらためて、社長のアドバイスを素直に実践することにしました。

「1000のバイオリン」を、1000回歌えばいいじゃない。

選んだのは「1000のバイオリン」。

これを、1000回歌うことを目標にしました。

毎日近くにある「じゃんから」に通い、「1000のバイオリン」を声が枯れるまで歌う。

潰れ過ぎないギリギリのところで止める。そしてまた翌日、ブルーハーツを歌う。

そのときの僕の履歴は、すさまじいことになっていたと思います。

今日は20バイオリン、今日は17バイオリン。そうして1週間ほど一人カラオケに通っていると、、、

いつのまにか自分の声が、2トーンくらい低くなったまま、そのまま戻らないことに気が付きました。

そのときはまだ、せいぜい100回くらいしか歌っていなかったと思います。

でもたったそれだけで、僕の声はいつのまにか、それまで嫌いだった自分の声と別のものになっていたのです。

人前に立つのが苦手な性格は変わらない。でも、性格以外のものは変えることができる。

それから僕は、コンサルをするときや、人前に立つような機会があるときは、必ず一人カラオケに通って声を調整するということを続けています。

冒頭のセミナーのときも、僕は1週間くらい前からカラオケに通い、声を調整するということをやりました。

生まれ持った自分の性格は、変えることは難しいです。

誰かと話すことが苦手であったり、人前に立つことに抵抗を感じたり。性格的にどうしてもできないことは多々あります。

でも、性格は変えることはできなくても、それ以外のことは変えることができるのだと、僕はこの声を変えるプロセスで気が付きました。

発声練習をしたり、声のトーンを変える。他にも、たとえばプレゼン内容を暗記したり、自分の喋り方を録音・録画して修正したり、ぬいぐるみを前に置いてコンサルの練習をしたり、いろいろあります。

そして不思議なことに自分の性格以外のものを変えていくと、人前に立つときも、誰かと話すときも、以前ほどはおどおどせずに話すことができることに気が付きました。

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自分の声に自信を持つこと

練習をしてきたという自信を持つこと

そうしたことは自然と普段の自分にもポジティブな影響を与えてくれます。

性格は変えられないかもしれない。でも変えられるものはある。その、変えられるものの可能性にかけて、自分ができるだけのことをする。

そうした意識で取り組めば、どんな苦手なものも、人並み程度にはできるようになることを僕は学びました。

これからも僕は人前に立ち続ける機会がある限り、一人カラオケに通い、1000のバイオリンを歌い続けることでしょう。そして1000回を達成したときには、なにか見えるものがあるかもしれません。

社長

阪口、声なんてものはな、どうにでもなるんだよ。

あなたには何か「自分はこんな性格だから」と逃げているものはありませんか?

性格は変えられなくても、それ以外の、変えられるものから変えてみてください。

阪口ユウキ

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