代官山にあるフレンチレストラン「PACHON(パッション)」に友人6名で行ってきました。パッションは、東京都内に数あるフレンチの中でも雰囲気が素敵で気に入っています。
暖炉とアンティークに囲まれた内装
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パッションといえば暖炉。フランスとスペインの国境をまたぐ巡礼街道沿いのとある修道院から運ばれた、歴史ある暖炉です。この日は11時半オープンと同時にお店に入ったので、お客さんがいない中、じっくりこの暖炉を眺めることができました。夏は暑いので火は炊かないそうですが、冬はこの暖炉の火で焼いた肉料理も食べることができます。この日は6人利用でしたが、様々なアンティークアイテムで飾られた、半個室の席でいただきました。
メニューの絵はパッション氏による油絵作品
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メニューは、オーナーのパッション氏による油絵が描かれています。メニューはひとつず絵が違っていて、みんなで見比べるのもたのしかったです。館内に飾られている絵も、訪問した時期は他のアーティストの作品が企画展示されていましたが、普段はパッション氏自作の絵が飾られているそうです。
パッションのランチコースメニュー
この日は前菜、スープ、メイン(肉料理)のコースを選択。これにチーズワゴンをつけることにしました。
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さつまいもはビシソワーズは絶品。訪れてから日が経ちますが、今でも舌触りと喉越しのやわらかさが鮮明に思い返せるほど。
メインは、牛頬肉の赤ワイン煮込みをオーダーしました。こちらはランチメニューにはないのですが、ジェントルマン修行時代の師匠的な方が、「この店の、この料理を超える牛の煮込み料理はない」と話していたので、事前に電話をして予約しています。
ワインは、「Chateaux Montus Prestige 2002」をオーダー。タナ種のワインははじめて飲みましたが、存在感、丸み、熟成感、あたたかさ、記憶に残る美味しさでした。牛頬肉の赤ワイン煮込みとも最高に合いました。
パッションのチーズワゴン&デザートワゴン
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今回はコースメニューを少なくする代わりに、チーズワゴンをオーダーしました。メインが終わったタイミングで、チーズが並んだワゴンがテーブルに登場。その場でチーズの説明を受け、気になるチーズを選んで好きなものをオーダーします。自家製カマンベールのアイスクリームが、季節的にもピッタリでした。
デザートワゴンも、10種類+アイスクリーム2種の中から3種類を選ぶことができます。こういう、チーズやデザートを選ぶ時間はエンタメ的でいいなと思います。
自分の成長が感じられるフレンチ・レストラン
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僕は以前、フレンチのテーブルマナーやプロトコール(国際儀礼)など、ジェントルマンになるための修行(レッスン)を受けていた時期があります。モナコやフランスにも足繁く通っていました。
フレンチは敷居が高く、正しいテーブルマナーもわからなかったので、以前はずっと避けていました。テーブルマナーを本格的に学ぼうとレッスンに通い、先生とともに訪れたのがこちらのパッションでした。当時は極度の緊張で、料理の味も、内装やアンティークも、ほぼ覚えていません。ワインもほぼ、飲んだことがありませんでした。
今回は友人たちと訪問しましたが、内装、ワインリスト、料理、ソムリエとの会話、チーズやデザートワゴン、暖炉にまつわるストーリーなど、満遍なくたのしむことができたことに、自分の成長を感じます。これからいろんなものへの教養がさらに深まると、今とは違う深さで色々なものを感じられるようになるのかな、と思います。パッションは、僕にとってはフレンチの原点的なお店。これからも訪問したいな、と思っています。
阪口ユウキ
参考:僕のジェントルマン修行の一部はこちらのカテゴリーにまとめています。