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パリノートルダム大聖堂のコンサートに参加して。僕らは世界に無限にある美しい催しの、ほんのひとつしか選択することができない。

僕ら夫婦はパリ滞在中、世界遺産であるノートルダム大聖堂に近いホテルを借りています。

毎朝この大聖堂の付近を散歩してから、美術館に出かけているような生活をしているのですが、この大聖堂でコンサートが開かれるということで聴きに行ってきました。

 

チケットはこちら。

夜8時半からのスタート。にもかかわらず5月のパリはこの明るさです。この季節、パリは21時を過ぎてようやく日没となります。

今回は「TRIO MUSICA HUMANA」というグループの演奏です。男性5人組のこのグループは、クラシックの教会音楽や賛美歌、聖歌などを各地の協会などで歌っているとのこと。こうしたグループがあるというのも、ヨーロッパ的ですね。

 

今回は、ルネサンス音楽の作曲家であるウィリアム・バードの楽曲を演奏するとのことです。

ウィリアム・バード(William Byrd, 1543年 –1623年7月4日)は、イングランドで活躍したルネサンス音楽の作曲家である。「ブリタニア音楽の父」 (Brittanicae Musicas Parens) として現代イギリスにおいて敬愛されている。―wikipediaより

ルネサンス音楽というのは、15-16世紀のルネサンス期に作られた音楽の総称で、主に声楽や宗教曲を指します。僕ら夫婦はこの分野の知識は全くないのですが、「大聖堂でのコンサート」という響きに惹かれて参加してきました。

当然ながら知っている曲はなく、同じような旋律の宗教曲が続いて最後はウトウトしてしまったのですが、マイクを通さない人間の声が、大聖堂の荘厳な空間を震わせて、僕らを包み込むように届いてくる。たった5人の歌声が大聖堂いっぱいに響く様子は圧巻でした。

このコンサートはたまたま、ノートルダム大聖堂の前を通りかかって知ったものです。もしこの日この場にいなければ、こうした美しいものに触れることはできませんでした。

滞在先をパリではなく、ウィーンにしていたら。同じパリ市内に滞在していても、別の場所にホテルを借りていたら。日本から出る選択をしていなければ。こうしてこの場にはいられなかったでしょう。

世界には美しいものを感じる機会がたくさんあります。ニューヨークで、バンコクで、サンクトペテルブルクで、パリで、ウィーンで。しかし僕らは、そうした色んな場所で同時多発的に展開される美しいものの、ほんのひとつにしか触れることができません。

どんなに熱心に旅をしても、出会うことができるのは、目の前にあるほんのひとつだけ。そのひとつに何を選択するのか、それが生きることなのかもしれないなあと、コンサートが終わり、日暮れに沈むセーヌ川を歩きながら感じました。

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