クルーズの船内にはネットがあるのですが、衛星回線を使ったネットになるので速度がとても遅いです。
YahooやGmailの画面でギリギリ。Youtubeになると画面が停止し、もし旅の動画をアップロードしようとするものなら、200MB程度の動画で400分……。最低限のメール返信はできますが、日常の仕事にはかなり支障が出てきます。
ですので、クルーズ船が寄港した先で、僕ら夫婦は観光がてら市街地まで出かけて行き、通り沿いのカフェで仕事をしています。そうして、船内で書いた記事や吹き込んだ音声をアップロードしたり、サイトに使う記事を書いたりしています。
この日の寄港地は、スペインの港町・マラガ。地中海に面したこの街は、画家のピカソの生誕地としても有名で、リゾートに適した浜辺が街に沿ってずっと続いています。
この日、僕らが仕事場に使ったのは、ビーチ沿いにあるACホテル。マリオットが経営するこのホテルは、マラガの低い街並みがを一望できる15階建。その屋上にはルーフトップカフェがあり、そこでお茶をしながら仕事をしました。
値段は、ホテルにしては驚くほど安く、コーヒーも紅茶も2.5-3€。スタバのカフェラテと同じ値段です。席からはマラガの低い街並みと遺跡群、時計台、そして幾羽ものカモメが深い蒼色の空と、碧色の地中海の上を舞い飛んでいる風景を一望することができます。
僕はこれまでたくさんの街に住んできましたが、「この街なら住める」という感覚をつかむためには、いくつかの条件があります。そのひとつが、”仕事ができる居心地のよいカフェがあること”、です。
仕事は部屋でもすることはできますが、せっかく海外に出ているのだから、やはりなるべく外に自分の身を置いていたい。そのときに、居心地の良いカフェがあるかどうかはとても大事です。
僕は、はじめての街にきたときは、遺跡や観光名所もすっとばして、まず市街地やビーチ沿いを歩いてカフェを探します。そうして2-3軒のカフェを見つけ、そこでwifiが繋がるかどうか、その速度を確認してから、ようやく観光名所や街並みに目を配ることができるようになります。
このマラガという街は、とても開放的で、バルセロナのように観光客でごったがえしておらず、過ごしやすい街です。そしてこうした気持ちの良いカフェがあるとわかったことで、この街は、将来短期で住み着く街の候補のひとつになりました。世界にいつでも住み着ける街のリストを作ること。それは、僕がこのライフスタイルを続ける一番の楽しみでもあります。