フィレンツェの街を歩いていて驚くことは、待ちゆく人や談笑している人が、誰もスマホを持っていないということです。
日本の街路であれば、友達同士でいても、片手にはスマホがあっていじっているような印象がありますが、ここフィレンツェ人が片手に持っているのは、ワインやコーヒー。そうしていつまでもお喋りをして時間を過ごしているのです。
もちろん、連絡手段としてのスマホ端末は持っていて、たまに若い女の子たちが、ワインを片手にスマホを出している光景を見ることもあります。
しかしそれも、各自で遊んでいるのではなく、みんなで撮った画像についてお喋りをしていたり。日本とはだいぶ雰囲気が違うのです。
少し話は変わりますが、フィレンツェの街並みはもう数百年変わっていないそうです。
16世紀に作られた建物の中をリフォームして住み続けるなど、外観はそのままで、内側だけが入れ替わっています。(なので、部屋の中はけっこう隙間風が吹いたり、寒かったりして不便なのですが)
便利なテクノロジーと文化や歴史、習慣を比べたら、テクノロジーはそこまでいらないよね、というような雰囲気が街全体に流れているように感じました。
スマホ文化も、その街並みと同じ位置づけのような気がします。
便利だから使うけれど、テクノロジーはあくまでテクノロジーにしかすぎないし、「一番大切なのは人間だよね」とあくまでも自分たちのペースを崩さずに生きている。それはこの時代にあって、とても人間的な生き方でいいなあと感じました。
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