失われたiPhoneを求めて、位置情報だけを頼りに、台湾最後の夜を駆け回った話

「iPhoneが、ない」

と気がついたのは、台北出張最後の夜、起業家や投資家仲間が集まるレストランでの会合中でした。

目次

iPhoneが、ない。

いつものように料理写真を取ろうとポケットに手をのばしたら、

あるべきはずのiPhoneが、そこにない。

カバンの中を探そうも、

衣服のポケットを何度まさぐろうと、

どこにもない・・・!

思い当たったのは、レストランへの移動に利用したタクシー。支払いの時に座席にiPhoneを置いて、そのまま忘れて出てきたに違いありません。

「スマホにどんなデータが入っていたか・・・」

としばらく考えてからさっ、と血の気が引いたのは、

娘の、生まれてから1歳を過ぎるまでの膨大な写真と動画データが、そこに入っていると気がついたからでした。

写真は、iCloud上に自動保存されているとは聞くものの、実際にそうかを確認したことはありません。

iPhoneは買い換えることができても、家族の思い出はプライスレス!絶対に失うことはできない!!

どうすればいいかと、、、と考えを巡らせていると、

ふっと、

iPhoneはGPSで位置情報を検索できることに思い当たりました

GPSで台北市内のどこかにあるiPhoneを探す

会合を中座させてもらい、レストランスタッフにWIFIのパスを聞いて、Macbookをつなげて位置情報を検索。

すると、、、

我がiPhoneは、レストランから遠く離れた

延吉街

というエリアにあることがわかりました。

そしてその位置を示すピンは、しばらく待っていても位置情報が変わらない。

もしかしたら、ドライバーは夜勤に備えて仮眠をとっているか、夕食に小籠包でも突いている最中かもしれない・・・!

今日は台北最終日。

フライト時間まで、あと4時間。

今から追いかければまだ間に合う。なんとか、出国までの時間にiPhoneを取り戻す!!

会合には最後まで参加したかったのですが、途中で帰らせていただき、台湾の街に飛び出しました。

iPhoneのGPSを頼りに延吉街へ

タクシーを15分程走らせ、現場に到着。

しかし、タクシードライバーが「この辺だよ」と降ろしてくれた場所に、目当てのタクシーの姿がありません。

ちょうど地図が指し示す場所には「大黒屋」のような質屋的な店がシャッターを閉ざしている。

まさか俺のiPhoneは、すでにこの店に売られてしまったのだろうか・・・!?

道行く台湾人をつかまえて、Macbookに表示された地図をみてもらうと、

正しい場所は大通りを一本挟んだ向こう側とのこと。

マジか!!

スーツケースを引きずりながら、セリヌンティウスを待たせるメロスのように、走る、走る、ひた走る。

汗だくになって辿り着いたのは、とある古びたアパートの前。

そして、その路上に、たしかに、少し前に僕が利用したタクシーが停まっているのを発見しました。

タクシーを発見、しかしドライバーはいずこへ

・・・やった!

と思って覗き込むも人影はない。

どうやら部屋に戻っているか、車を停めて食事に出かけている様子。

アパートを見上げるも、どの部屋の窓からも光なく、

ドライバーはどの部屋の住人なのか、そもそもここは本当にアパートなのか検討がつきません。

幸いなことに、周囲はブランドショップなども並ぶお洒落な店も多い繁華街であるし、

なにかあれば脱兎の如く逃げれば良い、とにかく、誰かに出てもらわねば話は進まないと、アパートの呼び鈴を鳴らしてみることに。

チャイムが響く音がして、しばらくすると扉の向こうから威圧感のある男の、中国語の返答が。

「表のタクシードライバーって、ここに住んでる?」

「中に俺のiPhoneがあって、取り戻したいんだ!」

扉の向こう側の男に交渉するも、

俺は知らない、
警察に行ってくれ、
帰れ、

の一点張りで全く相手にしてくれません。

それでも、ここで諦めたらあかん、
ピンポン鳴らして2回目の交渉。
これもダメ。

タクシー会社に電話して問い合わせようも、運悪く僕が利用したのは個人タクシーで、会社名や個人が特定できそうな情報は車体・車内のどこにも書いてありません。

途方に暮れたまま打開策を探してうろうろしていると、男女二人組の台湾人が通りがかったので、

「台湾人は日本人に優しいはず・・・!」

という、なんら根拠のない期待を胸に、

「Please, Help me!!」

と助けを求めたのでした。

Please,help me!

話してみると、この台湾人、

つい数日前まで日本を旅行していて、初めての日本の滞在先に福岡の「柳川町」を選択するという日本好きな男でした。

しかも、英語での意思疎通も可能という

「君を待っていたんだ!」

と呼び止めて早々に握手を交わしてしまうほど、願ったり叶ったりな人物でした。

周、

と名乗るこの男に事情を説明すると、

「そりゃ大変だ!!」

「フライトはいつなんだ!?」

「ここのアパートの住人には相談した!?」

「このタクシー、個人タクシーだから連絡先どこにも書いてないじゃん!」

「間に合わなかったら俺が代わりに取り戻して、日本に送り届けるよ!」

などなど、

久しぶりに再会を果たした世話焼きな親戚の叔父さんのように力を尽くしてくれました。

アパートの住人に呼びかけたり、近隣の住人に話を聞いたりとひとしきり動いてくれた後で、

「あ、警察に相談してみよっか」

と、気がついて電話をかけてくれたのでした。

やってきた警察官、そして。

しばらくすると二人組の警官が自転車に乗ってやってきます。

台湾の警官と会話をするのは当然ながらこれがはじめて。

事情を説明すると、こちらも親切で、。車のナンバープレートからドライバーを割り出して、電話をして探してくれることに。

そうして警官のひとりがおもむろにその場を離れ、10分くらい待っていると、、、

遠くから、

来た!

いた!

あのドライバー!!!

仕事終わりにどこかで飲んでいたらしいドライバーを引き連れて警官が戻ってきてくれました。

ドライバーに鍵をあけてもらって車内を捜索。

iPhoneを探して台湾の街に飛び出してから、2時間弱。

ようやく、

ついに、

iPhoneを取り戻すことができました・・・!!!

異国の街でiPhoneをなくし、位置情報だけを頼りにタクシーを探し当て、

多くの台湾人の手を借りながら、iPhoneと家族の思い出を取り戻すことができました。。。

周さんとは連絡先を交換し、ハグをして別れ、僕は空港へと向かったのでした。

*****

多少のトラブルが起こっても、怯まずに、前進を続けること。

自分ひとりの力では無理と思ったら、助けてくれる誰かを見つけて素直に頼ること。

そして、大切なデータは、クラウドや外付けHDに必ずバックアップをつくっておくこと!

そんな3つの教訓が思い出に刻まれた、台湾最終日になったのでした。

追伸:

写真は、周さんが、後で送ってきてくれたもの。

「この一連の騒動、写真に残しておきたかったなー」

と思うタイミングでLINEで写真が送られてきて、周さんという存在は仕込みだったのではと思ってしまうほど、助けられた存在でした。Chou Georgeさん、謝謝!再见!


YUKI

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