僕の大学時代の友人のひとりに、「ほとんど睡眠時間がいらない」という変わった体質の人間がいました。
彼は非常に変わった人間で、なんでも、幼少期のときに受けたIQテストで、世界でごく一部の人間しか叩き出したことがない点数を出したとかで、研究対象になったこともあるとのこと。
大学生をやりながら、アルバイトと称して国際機関の仕事の一部を請け負ったり、政治家のブレーンを務めるようなことをしている、「大学生」という定義とは外れた活動をしている人間でした。
水曜日ってさ、そもそも必要?
なんとなく、彼と僕とでは「生きているスピードが違う」と思っていた僕は、普段どんな風にスケジュールを立てているのかを聞いてみたことがあります。
すると、彼はちらっと時計をみながら、
という、突拍子もない答えが。
いるもなにも、そもそもそうした視点で曜日を考えたことがない。
これまでなんの疑問もなく、24時間に1回寝てたんだけどさ、明らかに俺の体力とパフォーマンス考えると睡眠回数多いんだよね。
だから、1日の定義を勝手に【42時間】に設定して、いらない曜日を省くことにしたんだよ。
日、月と来たら、次は金、土のこの4日。だから、阪口は今日、水曜日を生きているかもしれないけど、俺は金曜日を生きてるんだよね。それだけで、得した気分になるだろ?
1週間の内訳なんて、自分の好きなように決めればいいんだよ。
彼は知り合いのエンジニアに、自分の生活サイクル専用のアプリを作ってもらい、その時計を見ながら、自分の生活サイクルを守っていると話していました。
24時間は、自由に設計することができる
その後、彼を真似しようとして42時間サイクルを生きようとして、2日目ですぐに挫折して、24時間サイクルに逃げ戻ったのは良い思い出です。
彼のように、人間の生活サイクルを超越した時間割を生きることはできませんが、
「24時間は、どんな風にも自由に設計することができる」
という発想は、フリーランスな働き方をしている僕らだけでなく、色んな人にとってヒントになるのではないかと感じます。
自分が最もパフォーマンスを発揮する時間を選んで仕事をし、落ちる時間は休息をとる。仕事でPDCAを回しながら事業を改善していくように、自分自身の生活スタイルも最適化できるはず。
忙しいなら忙しいなりに、フリーランスならばなおさら、そうした思考で自分の生活を見直すことはできるのではないかと。
1日24時間を、42時間に改変して生きている彼のようには生きれませんが、自分のできる範囲で、自分の時間割を最適化していこうと思ったのでした。
阪口ユウキ
追伸:彼の話を新生児のお世話に応用してみた
なんでこの話を思い出したかというと、、、
最近子どもが生まれたのですが、新生児は日中・深夜に関係なく、3時間ごとに起きて、ミルクを求めて泣き出します。
この、深夜起こされる時間が、身体的にも精神的にも非常にしんどく感じていたのがこれまでの2週間だったのですが、
考えてみれば僕は自営業で、夜寝て、朝早起きして出勤する必要のない自由にできる仕事をしています。
周りは朝出勤があるから夜眠らないといけないわけで、
「俺は当てはまらないのでは・・・?」
ということに気が付きました。
そこで彼の言葉を思い出し、自分の中の「夜」の定義を4時間ほど前倒しに。晩御飯が食べ終わった20時からすぐに仮眠をとって、深夜に起きて、妻とバトンタッチします。
(ちなみに、昼の時間はなるべく僕がお世話を担当して、妻の昼寝時間を確保するようにしています)
妻は寝室に、僕は部屋を暗くしたリビングで赤ちゃんと過ごしつつ、朝2時過ぎから【朝の仕事をする】というタイムスケジュールに切り替えてみました。
そうしたところ、子どもが生まれてはじめて5時間寝ることができました。。。すごい。睡眠大事。
こうなると、深夜3時の夜泣きも、僕にとっては「朝泣き」となるので、身体的にも精神的にもかなり楽に感じます。
24時間、自分が好きなように時間を設計するという思考の柔軟さを、改めて感じた瞬間でした!