世界を自由に飛び回りながら仕事をする生活をはじめて、もう6年の月日が経ちました。
この文章を書くにあたって、久しぶりに、大阪のあいりん地区を歩くことをしてみました。
JR新今宮駅を降りてから、職業安定所を横目に、ドヤ街を抜けて通天閣のある新世界へ。あいりん地区も、最近は安い宿泊費で大阪観光をたのしめる拠点として外国人観光客に人気のスポットになっており、僕が住んでいた頃の雰囲気とは、だいぶ変わってきたように思います。
「世界を自由に飛び回る力をつける」
その想いは今も変わっていません。「充実感のない仕事だけはしたらあかん」という中條さんの言葉も。
出国してから、東南アジア、ヨーロッパを問わず、様々な都市で暮らしながら仕事を継続してきました。何か新しいことをはじめるとき、方向性に迷ったときにはいつも、中條さんのこの言葉を思い出すようにしています。
出国してから6年、変化をしてきた旅やライフスタイル
2012年7月にタイ・バンコクに向けて出国してから6年、ライフスタイルも変化してきました。
一番大きな変化は、妻と子どもができたことです。
妻とはフェイスブック上で出会ったのですが、もともとネットショップで起業をして、仕事の合間に小旅行するような「パワートラベラー的」な働き方をしていたこともあるのですが、話をしてみてこの人しかいないと思い、出会って1ヶ月でプロポーズをしました。
結婚式を挙げた後は新居を構えずに出国、アパートを借りてくらしたり、クルーズ船に乗りながら地中海や大西洋を横断するなど旅ぐらしを続け、世界一周も達成しました。
ひとりで黙々とパソコンに向き合っていたカフェでは、今は隣に妻の姿があり、一緒にパソコンを並べて仕事をしたり、これからの将来について語り合うことをしています。
パワートラベラーのライフスタイルと結婚は、相性が悪いのではないかと思っていたのですが、僕は妻と結婚をしたことで、これまで自分が踏み入れようとしなかった、様々な世界に足を踏み入れることができるようになりました。
自分ひとりでは考えないような旅行プランを立てたり、泊まらないようなホテルに宿泊したり、一人では入らないようなレストランで食事をしたり。結婚をすることで、自分ひとりで体感できる自由の幅が、ぐっと広がることもあるのだと知りました。
パワートラベラーと家族
ひとりで世界を巡る旅を2年、夫婦で仕事をしながら旅をする生活を続けること、さらに2年。妻の妊娠を契機に、日本国内に拠点を構えることにしました。
パワートラベラーの仕事は旅をしながらでもできますが、もちろん在宅でも可能です。出産後は仕事と旅中心の生活から、育児を中心とした生活に切り替えました。
これまで自分の知らない世界というと、「地理的な世界」だけをイメージしましたが、育児にしても、料理にしても、赤ちゃんと生活しながらの仕事にしても、
「自分がこれまで未経験だった”世界”に足を踏み入れる」
ということも、ひとつの旅なんだろうなと気が付きました。
そう気がついてからは、一度は諦めた「音楽」に再挑戦したり、ヨーロッパ生活中に不便を感じた「マナー」や「ワイン」について勉強をはじめたり。地理的以外の、文化や芸術、未知の世界に飛び込むようになりました。今後娘が成長したときに、身の回りに色んな世界の扉があるような、そんな環境になればいいなと思っています。
育児中心の生活にはなりましたが、娘が1歳を過ぎてからは、家族で小旅行をするようになりました。この1年、沖縄、ハワイ、フランス、モナコ、イタリア、アメリカ、ジャマイカやキューバ諸島などのカリブ海の国々を巡ることをしています。以前のように数ヶ月単位で旅をするようなことはありませんが、日常の中に自然と旅が溶け込んでいるような感覚に変化してきています。
自分ひとりで歩く世界。
妻とふたりで歩く世界。
家族で歩く世界。
同じ街を歩いていても、メンバーが増えると、それだけ感じるもの、見えるものが変わります。子どもがいることで異国の街での交流が生まれたり、娘の歩く速度に合わせて観光することでいつもと違う発見があったり。これから家族が成長するにつれて、どんどん違う世界が広がっていくのだと思います。
パワートラベラーの仕事について
パワートラベラーとしての仕事は、今も、「収益を上げるWEBサイトを作る仕事」そして「自由な人を増やす仕事」の2つ柱で進めています。
以前よりサイトをつくる頻度は下がりましたが、年2-3サイトは新しいサイトを増やし、収益サイトの基盤を整えています。同時に、この働き方を叶える具体的な方法を伝えるオンラインコミュニティを運営したり、大学の経営学部でスピーカーとして登壇するようなこともしてきました。
僕同様、世界を自由に飛び回る力をつけようと、パソコン一台での働き方を叶えようと行動する仲間も増えてきました。
世界を自由に旅して巡りたい、企業を独立したい、家族で過ごす時間を増やしたい、その同機は様々ですが、会社員時代の給料をはるかに越える金額を、稼ぐような仲間も増えてきています。
自由な人を増やす活動をはじめてから6年、最初は僕ひとりでやっていたこのライフスタイルも、現在は100名近くの仲間が「パワートラベラー化」を叶えています。
世界を旅しながら仕事をしたり、海外に拠点を構えて現地起業家とタイアップしながら事業を興したり、好きな人を追いかけてロンドンへ移住、そのまま結婚を叶えるような仲間も出てきました。
「世界のどこでも、ふらっと合流できるような仲間がいる状態」
という昔思い描いた状態に、どんどん近づいているのを感じます。
どんなに弱くても、人は自由に働ける。その想いは年々強くなってきています。
僕のように鬱病経験者でも、企業ではうまく働けないという人でも、子どもがいて外に働きに出ることができないという主婦でも。
たとえ現時点で持っているスキルがゼロだったとしても、自分が思い描く理想を明確にして、それに向けて足りないピースをひとつずつ埋め合わせるべく行動を積み重ねていけば、そう遠くない未来に全てのピースが埋まり、理想の状態は叶えられるのだと思います。
これからも僕は、「自由な人を増やす」という活動を続けていきながら、企業に属するでも、属さないでも、人は自由に働くことができるというメッセージを、発信し続けたいと思っています。
阪口ユウキ