友人宅がフルリフォームするということで、それまでご自宅に飾られていた絵を、我が家で引き取ることになりました。
小さなものから、横幅150cmを超える大きなものまで計4点。
昨日自宅に運んだのですが、どこに飾ろうかなと、あれこれ考えているところです。
絵を選ぶことなく過ぎた東京での1年
東京での住まいは現在のマンションが2軒目で、住み始めて1年が経ちます。
この1年、絵を購入することはしていませんでした。
絵を買う、絵を飾る、ということに、とてもハードルが高いものを感じていたからです。
飾る絵によって、家の雰囲気はガラリと変わります。どういう部屋にしたいのかが明確にならないと、飾ってはいけないような気がしていました。
別に正解があるものではないし、そんなの買って、飾ってみて、合わなかったら取り下げればいいじゃないと思うものの、夫婦で決めきれないままに時間が過ぎていたのでした。
友人が所有していた絵、という安心感
今回、いくつかの絵を友人から譲り受けて思ったのは、
「この方の家で大切に飾られてきた絵なら、安心してお迎えができる」
というものでした。
これまでインテリアショップやアンティークショップに絵画を探しにいくことはあったのですが「この絵だったらいいかな?」と思うものでも、それを家に迎え入れていいか判断がつかないでいました。
僕は霊感が強いほうではないのですが、絵の前に立てば何かしらのエネルギーやオーラは感じます。
それは絵そのものが発しているのか、前の所有者の気配が残っているのか、わかりません。
僕が良いと思っても妻が難色を示したり、またその逆もあったりで、購入を決断できる絵に出会うことができませんでした。
今回は、よく自宅にも遊びに来てくれる、信頼と尊敬ができる友人の自宅に長く飾られていた絵です。
聞くと、彼女自身が好きな画家の絵で、個展で購入されたとのこと。画家から彼女の手に渡り、そこで長年飾られていた絵という安心感がありました。
絵を継承する、ということ
絵を継承する。
そこには、単純なものとしての絵のやりとりだけでなく、色々な想いを引き継ぐことでもあります。
この絵をともに生きていこうと決めた彼女の想いであったり、この絵が見守ってきた生き様であったり。
そうして育てられてきた絵が、今度は我が家に飾られて、友人は「ゲスト」としてその絵を眺めることになるというのは、なんだかロマンがあるなと思いました。
いつか、僕らのライフスタイルの変化で、この絵を手放す時がくるかもしれません。
そのときには、信頼できる誰かへ、この絵を継承できたら素敵だなと思っています。
阪口ユウキ