今年から本格的にワインを覚えようと、色んな地域のワインを飲み始めています。
2019年10月、トスカーナの田舎町にあるワイナリー「IL BORRO(イルボッロ)」を家族で訪問しました。
ワイナリー訪問は、今回が人生で初めて。
昔、夫婦でイタリアを訪問したときにはワインを飲む文化がお互いになかったので、レストランで炭酸水ばかり飲んでいたのは良い思い出。ウエイターに「ワインは水よりも安いんだぞ!?なんで飲まないんだい??」と不思議がられたことをよく覚えています。
そんな僕ら夫婦がワイナリー訪問とは、大人になりました。
イルボッロをこれから訪問する方向けに、ワイナリーの様子をシェアします!
イルボッロ(IL BORRO)ってどんな場所?
トスカーナ地方のワイナリー「イル・ボッロ(IL BORRO)」。キャンティ・クラシコ地区近くにある中世の佇まいを残す村として知られています。
1993年に、イタリアを代表するファッションブランド「フェラガモ」が、ワイン造りのために、ワイナリーがあったこの村と周囲の広大な敷地をまるごと購入。
ワイン生産だけでなく、レストランや宿泊施設、スパの併設など、高級リゾート地としてプロデュースしました。
ちなみに、イルボッロでは18世紀頃からワインの醸造がはじめられたのですが、フェラガモが買収したときには、廃村同然のような状態だったとのことです。
たとえばこちらは、レストラン横に併設されているインフィニティプール。
ホテル宿泊者が利用することができ、眼下にはデッキチェアでくつろぐバスローブ姿の宿泊者の姿も。360度、どこをみても美しく整えられており、ラグジュアリーな雰囲気が漂っていました。
イルボッロのレストランへ
こちらはイルボッロのレストランにて。
今回僕らは、イルボッロのワイナリーを巡るツアーとランチがセットになったプランを申し込みました。
イルボッロのワインメニューであり、こちらの村で造っているワインの全銘柄です。
今回は名前が良いという理由で「IL BORRO SUPERTUSCAN 2015」の赤ワインを注文しましたが、これがこのワイナリーの看板ワインとのことでした。
文句なく、美味しい。
同じワインを飲むでも、こうしてワイナリーを訪問し、そのワイナリーで造られているワインを飲むというのは、なんとも贅沢な時間に感じます。
イルボッロのワイナリーツアーに参加
ランチ後はイルボッロのワイナリーツアーに参加しました。
ワイナリーツアーは、
・映像でのイルボッロ紹介
・フェラガモ所蔵のワイン関連の絵画のコレクション鑑賞
・ワイン醸造庫の訪問
・テイスティング
と続きます。
こちらの映像も、フェラガモクオリティー。このワイナリーは他とはコンセプトも目指す場所も違うのがという、フェラガモの信念を感じました。
ワイン樽が醸造されるカーヴの中へ
こちらはワインが貯蔵されるカーヴ。
イルボッロのワイン造りは18世紀から始まっていますが、フェラガモは当時の醸造庫に200メートルのトンネルを建設、ワインカーヴを作りました。
地下にあるにもかかわらず、空気が澄んでいて居心地がよく、樽の配列も美しく、フェラガモの美学を感じる空間でした。
こちらは18世紀のイルボッロ村から続くカーヴです。
フェラガモは、このカーヴに続く形で200メートルのカーヴを新設しました。こちらは空気が重く、しっかりとカビの香りと湿気を感じる空間でした。ただ、こちらもどこか爽やかな空気が流れていて、居心地良く感じられました。
ワイン作りは、子育てである
今回、子連れでイルボッロを訪問したこともありますが、この美しい空間で静かに貯蔵されているワインを見て、
「ワインは、どんな育ちをしたかが大事なんだな」
と素直に感じることができました。
このイルボッロは、村ひとつをフェラガモがプロデュースしていることもあり、村全体が美しく保たれ、良い空気感が流れています。
カーヴ内も圧迫感がなく、空気が澄んでいて、「ここで熟成されるワインはさぞすくすくと育つだろうう」と感じました。その印象は、ランチのときに飲んだスーパートスカーナの味わいとも繋がります。
ワインは、子育てと同じ。子育て真っ最中ということもあり、そうしたことを感じました。
親(造り手)が違えば、たとえ同じ出身地でも性格が変わりますし、どんな家庭環境(ワイナリー)で育ったかによって、味わいも変わってきます。
子育てと、ワイン造りのプロセスをひとつひとつリンクさせることで、「こういうふうにワインは理解していけばいいのか」と、掴むことができました。この写真は、僕にとって、ワインと自分がどう関わるかの糸口がつかめた、そんな一枚でもあります。
今回のワイナリー訪問を通じて、もっと色んなワインを飲み、ワイナリーを巡り、ワインを人生の中に取り入れていきたいなと感じました。
阪口ユウキ