コロナで外出頻度が減り、逆に自宅で友人を招いて食事をしたり、パーティーをする機会が増えました。
食事の席に欠かせないのがシャンパーニュ。僕はワインが好きで、仲間もまたワインが好きな人が多いこともあり、会の最初はシャンパーニュではじめています。
どの会に、どのシャンパーニュを出すか。
というのは、すごく考えます。なぜなら、シャンパーニュによって「世界観」や「イメージ」が違うため、その会の趣旨やゲストの顔ぶれによって、選ぶべき銘柄が変わるからです。
今回は味わいではなく「シチュエーションベース」で、僕がどんな基準でシャンパーニュを選んでいるかということを書いていきたいと思います。
主観と経験則ではありますが、きっと、そこまで大外れはしていないはず。シャンパーニュ選びに迷う機会があれば参考にしていただけたら嬉しいです。
1.世界観がはっきりしている、飲む機会の多いシャンパーニュ
沢山の種類、造り手のいるシャンパーニュですが、その中でも「世界観」がはっきりしていて、
「こういう時には、これが飲みたいよね」
と、頭の中に名前が思い浮かぶような銘柄がいくつかあります。
今回は僕自身も選ぶ機会が多いシャンパーニュをご紹介します。
テタンジェ
ノーベル賞の晩餐会に提供されることもあり、知性と教養を感じるシャンパーニュ。育ちの良い、気品溢れる優等生という感じ。オールラウンダーで、誰にでも喜ばれる銘柄。シャンパーニュの中でも料理に合わせやすい印象があり、食事メインの会にテタンジェを選択することが多いです。
ルイロデレール
オールドリッチなシャンパーニュ、というイメージ。カジュアルな、みんなでワイワイ集まるような場より、ドレスコード・スマートカジュアル〜エレガンス寄りな、かっちりした場に似合います。そういう属性の方々が集まる機会や、場のクラス感を上げたいときに選ぶことが多いです。
ルイナール
とにかく海鮮!海老、牡蠣、鮨食べよう!そういうときに選ぶと喜ばれるシャンパーニュ。先日も自宅で寿司職人を呼んでの鮨会を開催したのですが、オープニングはルイナールに任せました。泡が繊細で保存状態によっては味わいが落ちてしまうので、どこで購入するかも大事。陽光が似合う数少ないシャンパーニュでもあります。
ボランジェ
ジェームズ・ボンド、007のイメージそのままのシャンパーニュ。男性、硬派、黒、夜。男性が集まる場でふるまえば、「なるほど、今日はそういう会か」と一瞬で方向性を決定づけられる一本でもあります。デートで飲むには少しキザ過ぎるかな。逆に、ボランジェを注文する女性はセクシーでいいなあと思います。
ペリエジュエ
エレガントといえばこのシャンパーニュ。ベル・エポック、そのままの華やかなイメージ。エチケットに描かれたアネモネの花も素敵ですよね。主賓のいない、阪口家が主催するホームパーティーの席で選ぶ機会が多いように思います。そういう意味では、阪口家のハウスシャンパーニュ、と言えるかもしれません。
ドゥラモット
ドゥラモットは、まだ自分の中でうまく言語化できていない銘柄ですが、「この会はドゥラモットでいこう」と思う場面がたまにあります。位置づけでいうと、テタンジェと似た、食事と合わせやすくオールマイティーなシャンパーニュというイメージ。以前、プールのあるコテージを仲間と貸し切って日中BBQをやったとき、このマグナムボトルを選びました。
2.価格帯が低め、かつ世界観もわかりやすいコスパ高な銘柄
上に紹介したシャンパーニュよりも、少し低い価格帯ながら、しっかり美味しいシャンパーニュをご紹介します。
パイパー・エドシック
「寝るときに身につけるのはCHANELの5番、毎朝欠かさないのはパイパー・エドシック。私の目覚めの一杯よ」というマリリン・モンローの言葉が印象的なシャンパーニュ。カンヌ国際映画祭でふるまわれることもあり、華やかで艶やかな、女性が集まるときに選ぶことが多い銘柄です。エチケットが赤いシャンパーニュ、というのも大切なポイント。
デュモワゼル
マドモワゼル、みたいな語感の響きが素敵。エチケットも華やか、かつこの価格帯のシャンパーニュにしては抜群に美味しいです。女子会とか、女性が多い会とか、そういう場に合いそうです。
以前、ニース→ミラノに向かうプライベートジェットに乗せていただいたことがあるのですが、その時、飛行機内の備え付けの冷蔵庫に入っていたのが、このデュモワゼルでした。あれは美味しかったなあ。。
3.世界観ははっきりしているけど、飲み飽きている人もいそうな銘柄
モエ・シャンドン
モエは、最も飲まれる機会が多いシャンパーニュだけあって、どのタイミングであるかが問われる銘柄でもあります。なんとなく、モエなのか、あえてのモエなのか、選び手のセンスが問われます。
ちょっと良いことがあったお祝いの席で、大人数がわいわいやるような場とか、良いかも。僕は普通のBrutでも限定エチケットのものや、グランヴィンテージ、ロゼを選ぶことが多いです。モエ・ロゼに苺を浮かべて遊ぶのは、鉄板ながらテンションあがります。
ヴーヴ・クリコ
ヴーヴは、味よりもパッケージのオシャレさが武器なシャンパーニュ。アウトドア、ピクニック、ヨット、そういう場が似合うシャンパーニュ。夜よりも昼間飲むイメージ。以前は、日中、子連れで開催したこ焼きパーティーでこのシャンパーニュを飲みました。
シーンにマッチしたシャンパーニュを選ぶ、という遊び
以上、ホームパーティーや仲間と集まる際に選ぶ機会の多いシャンパーニュをまとめてみました。
僕も毎回、シャンパーニュ選びは試行錯誤をしています。
ただ、そのシャンパーニュが持つ世界観を考え、ゲストの顔ぶれを思い浮かべ、「この会にはどれを合わせるのが良いだろう?」と考える機会を繰り返してきたことで、だんだんとセンスが磨かれていった感覚があります。ワインやシャンパーニュを選ぶというのは、知識と教養、そして経験が活きる、一生涯楽しめる遊びだなあと感じます。
主観的にまとめたリストですが、参考になりましたら嬉しいです。1本数万円〜の高級ラインのシャンパーニュも、また後日まとめたいと思います。
阪口ユウキ
ワイン専用もインスタをやっています。
https://www.instagram.com/yuki_winetraveler/