自分の中でまだうまく言語化できていないのですが、
「丁寧に暮らす」
ことはもちろん、
「上を向いて暮らすのだ」
という感覚が、日に日に強くなっているのを感じます。
上、というのは、今の自分では明確に想像することはできないけれど、おぼろげながらには見える「理想の姿」というべきものでしょうか。
明確に想像することができるなら、それは自分の範疇を出ていません。
今の自分の脳力や想像力をもってしても辿り着けない、でも目を凝らしたらおぼえろげに見えるような理想。そこに向かって日々の生活やあり方を向かわせていくというのが、僕がやりたい「暮らし方」なのだと、思うようになりました。
4メートルのダイニングテーブルを自宅に迎え入れた
たとえば、先日、6人がけのダイニングテーブルを2セット購入しました。
テーブルは伸長式になっていて、閉じれば160センチ、広げると2メートルになります。これを2台繋げるので合計4メートルに。
この12人が座れるダイニングテーブルをリビング置くことにしました。
これは僕としては思い切った選択でした。
なぜなら、家族3人が普通に暮らす上で、この長さのダイニングテーブルは必要ないからです。ちなみに、これまで使っていたテーブルの長さは180cmでした。
普通に暮らすには必要性がない長さ。
でも、この長さは、僕ら家族が生きたい未来には必要な長さであると思いました。
丁寧に暮らす、の先にある未来
丁寧に暮らすは、テーブルの長さに関わらず実践することができます。
テーブルの上に花を飾る。テーブルクロスやランチョンマットを敷いて食事をする。素敵なティーカップで淹れたての紅茶を飲む。丁寧に暮らすという心構えと、それに応えてくれるアイテムがあれば、実践することはできるのだと思います。
娘が生まれて4年間。そういう暮らしを心がけてきました。
しかしだんだん「丁寧に暮らすは、今の自分の延長線上を生きることになってしまうのではないか」と思うようにもなりました。
今の自分が、心がけて丁寧に生きる。
今の自分が、日々を律して生きる。
その先は、果たして理想の生活に繋がっているのだろうか。
僕の考える「理想」とは、今の自分の生活を続けた延長線上にはないものです。
僕は「パワートラベラー」という、理想のライフスタイルを叶えられる働き方を創る、という生き方をこの10年続けてきました。世界を自由に飛び回る力を身に着けたい、世界のどこにいてもできる仕事をしたい、そういう理想がまずあって、それを叶える手段として「WEBサイト運営」を選びました。
もし、当時の延長線のまま頑張り続ける生活をしていたら、僕は今の生活に辿り着いていなかったでしょう。
丁寧に暮らす、という生き方は、人間的にも、人格的にも、成長をもたらしてくれます。その心構えは、生きる上では必要不可欠だとも思います。
ただ「今の自分が」丁寧に暮らし続けているだけでは理想の生活にたどり着くことはできないのではないか、という思いもまた、強くなっていきました。
丁寧に生きるは、目的ではなく手段なのだ
そんな中、生活を劇的に変えてくれたのがホームパーティーでした。コロナ禍で外出頻度が減り、まん延防止等重点措置などが解除されてからも外食が減った代わりに、自宅で友人と集まる機会が増えました。
ホストとして誰かを自宅に招く、というのは、僕にとっては大きな挑戦です。ホームパーティーが盛んな家庭で育った訳でもありませんし、自分が住む家に誰かが集まるというのは大学生のひとり暮らしぶりでしょうか。
パーティーには誰を呼ぶのか、集まる趣旨はなにか、コンセプトやテーマカラーはどうするか。どうやったら友人たちと素敵な時間を過ごせるか。
妻と話し合いながら、必要なアイテムを揃え、様々な会を創り上げることをしてきました。
丁寧な暮らし、がベースにはなっていますが、こうした風景を創り上げてきたのは、未知なる理想への挑戦でした。
パーティーのあるべき形を考え、試行錯誤しながらそれを実現すること。時には「これを準備しておけばよかった!」「これが足りない!しまった!」と思うこともあるのですが、その過程で劇的に自分が成長していくのを感じました。
普段から丁寧に生きるができていなければ、ゲストを招くことはできません。でも、それだけでは足りなくて、理想に対する挑戦が必要なのだと思います。
丁寧に生きるというのは手段であって、目的ではない。丁寧に生きるを武器に、何を創るのかが目的で、それを叶える力を身につけるのが「日常」なのだと思うようになりました。
4メートルのダイニングテーブルで広がる未来
このダイニングテーブルを2つ繋げて置くというのは、尊敬する知人からアドバイスをもらったものです。
そのアイディアに、僕ら夫婦は最初戸惑いましたが、しかし、この長さのダイニングテーブルがあることで広がる未来を考え、思い切って購入することを決めました。
テーブルコーディネートにしても、装飾にしても、この広さのテーブルを整えていくというのは大きな挑戦です。まず、テーブルクロスはオーダーしないとサイズがありません。生地を探し、どの長さで仕立てるのが最適か、今考えているところです。
花を置くにしても、キャンドルを置くにしても、長さが変われば配置もそれに似合う形も変わります。この広さのテーブルを自由自在にアレンジできるようになる頃には、暮らすということが、もうひとつ上のステージに行くのではないかと期待しています。
まだ届かない、未来のあるべき自分を叶える場所としての部屋をつくる。丁寧に暮らす、だけでなく、上を向いて暮らすの実践を、続けていきたいと考えています。
阪口ユウキ