香水の都として世界的に有名な、フランスの「グラース(GRASSE)」に行ってきました。
カンヌから20km程山間に入ったところにある街で、街の至るところに香水工房がある街です。グラースは18世紀末から香水産業が盛んになり、今ではフランスで作られている香水の2/3がこの街で生産されているとか。今日はこの街で、香水作りに挑戦してきました。
古くから残る街並みとカラフルな壁面、香水瓶の素敵なアトマイザーが並ぶショップが続いていたり、ノスタルジックな雰囲気に満ちていました。
今回は、1747年から続くグラースでも老舗の香水工房「GALIMARD(https://www.galimard.com/)」にて、オリジナルの香水が作れるワークショップに参加してきました。グラースの街で、最も古い香水工房のひとつです。
店半分がショップスペース、半分が工房(ワークショップ)スペースになっていて、僕らが訪問したときも数名の方が香水作りに励んでいました。香水作りは、人生で初めてです。どんな香水になるのか、イメージ通りの作品に仕上がるのかドキドキです。
香水作りのコツは?
今回のグラース訪問は、モナコ在住10年のKATOさんに連れて行っていただきました。KATOさん、ご自身がつけられる香水は、前日にご自身で調香されてから、一晩寝かせて翌日纏うことをされているそうです。香水を自分でつくる、というのは、僕にとってはその発想自体がないものでした。
KATOさんに事前に香水作りのコツを教わったところ、
「香水は、名前から決める」
と教わりました。
名前を決めて、どんな香りを作りたいかを鮮明にイメージすることがまず大事なのだと。
「好き嫌いで香りを選ぶのではなく、その完成形に必要な香りだけを選択していく、ということだね。あ、これ好きだな、で選んでしまうと、ド甘ったるい香りの、よくあるような香水にしかならない」
「自分のイメージを鮮明に持ち続けて、それに向けて香りを取捨選択する、というのがコツなんだ」
ということをおっしゃっていました。
ということで、僕もグラースに向かう車中で香水の名前を決め、どんなイメージの香水にするかを鮮明に思い描くことをしていきました。
オリジナルの香水をつくってみよう!

こちらが工房内のワークショップスペース。香水作りのスペースは「オルガン」と呼び、ここで香水を調香していきます。今回は、200種類以上ある香水の中から12種類の香りを組み合わせていきます。
香水は、
トップノート
ミドルノート
ベースノート
という3つの構成にわかれ、それぞれ3〜5種類ずつの香料を混ぜ合わせ、イメージをした香りに近づけていきます。
簡単にそれぞれのノートを説明すると、
トップノート:最初に香ってくる香水の「第一印象」的な華やかな香り
ミドルノート:香水のメインを決める香り。つけてから2時間くらいしたら香ってきます
ベースノート:最後まで肌や洋服に残る、香水のベースとなる香り
となります。
順序としては、ベースノート→ミドルノート→トップノート、という順番に選んでいきます。
個人的には、ベースノートと、その香水の第一印象を決めるトップノートは選びやすかったのですが、どんな香水にするかという肉付けをするミドルノートの5種類を選び取るのが、難しかったです。

選び取った香水は、シリンダーの中に分量を決めて入れていきます。この分量は、選び取った香料のバランスをみながら、調香師が決めてくれました。
「試香錯誤」すること90分。世界でひとつだけの自分だけの香水ができあがりました。
今回は夫婦で使えるようにユニセックスな香りにしました。
出来上がった香水は、2週間寝かせてから使うのだとか。香りにも熟成期間が必要というのも、この日はじめて学んだことでした。香水も、紳士としての嗜みのひとつ。自宅で調香できるキットも購入したので、気分やシーンに合わせて、これからは自分と妻の香水をつくっていきたいと思います。
こちらが自宅でつくることができる香水キット。これから自宅で香水の調香ができるようになると思うとワクワクします。
追伸:
ワークショップはインターネット上で予約することができます。
予約はこちら:https://www.galimard.com/en/product-category/ateliers-en
ワークショップは英語で説明していただけます。英語に不慣れな方でも、調香は直感的にやりやすいですし、きっとゴールまでたどり着けるはずです。訪問は、ニース市街からレンタカーを借りてドライブしていくか(40分程)、あるいはニースーグラース間は鉄道(TER)で直通、70分ほどで到着します。