フランス移住の費用はいくら?家族3人の生活費と初期費用の目安

フランス移住を考えるとき、多くの人が最初に気になるのが「いくらかかるのか」だと思います。

とくに家族で暮らすとなると、単身や夫婦だけの移住よりも費用の項目がぐっと増えます。家賃、学校、保険、通信、食費、交通、航空券、ビザ、そして渡航直後の初期費用まで、まとめて考える必要があります。

しかも、フランス生活の費用は一律ではありません。パリに住むのか地方都市に住むのか、現地校を選ぶのかインターナショナルスクールを選ぶのか、車を持つのか徒歩生活にするのかで、必要な金額は大きく変わります。「フランスは高い」「いや意外と安い」という単純な話ではなく、生活の設計しだいで上下するのが実情です。

この記事では、一般的な費用の目安を整理しつつ、実際に家族で暮らしてみた実費感も紹介します。数字はあくまで「ひとつのモデルケース」です。すべての家庭に当てはまるものではない点に注意してください。

この記事では便宜上「フランス移住」と書いていますが、永住だけでなく、1年から数年単位の長期滞在・教育移住・家族での海外生活も含めて解説します。為替や物価は変動するため、実際の予算を組む際は最新のレートと現地情報を確認してください。なお本記事の円換算は、1ユーロ=約185円(2026年6月時点)を目安にしています。

結論:家族3人のフランス移住費用は、初期費用と月額費用を分けて考える

最初に結論からお伝えします。フランス移住の費用は、「渡航前から生活開始までにかかる初期費用」と「毎月の生活費」を分けて考えるのが基本です。この2つを混同すると、予算を組むときに見誤りやすくなります。

家族移住の場合、初期費用はかなり大きくなります。敷金や初月家賃、航空券3人分、保険、生活用品の立ち上げ費用などが一度に重なるためです。

一方の毎月の生活費は、住む都市と家賃で大きく変わります。パリは高く、南仏の人気都市も中心部は安くありません。しかし地方都市なら家賃を抑えやすい傾向があります。教育費も、現地校かインターナショナルスクールかで大きな差が出ますし、車なしで暮らせる街を選べば交通費や車関連費を抑えられます。

表:家族3人のフランス移住費用のざっくり目安

項目目安
初期費用約300万円〜700万円以上
毎月の生活費約45万円〜100万円以上
家賃約1,200〜3,500ユーロ以上
食費約600〜1,200ユーロ
保険契約内容により大きく変動
通信費約50〜150ユーロ
学校費用公立校なら無料、インターなら高額
予備費最低でも3〜6ヶ月分の生活費を推奨

数字に幅があるのは、それだけ生活スタイルによる差が大きいということです。ここから各項目を分解していきます。なお金額はすべて目安であり、円換算は記事公開時のレートで調整しています。阪口家のケースは「南仏・家具付きT3・車なし・現地校」というモデルだと考えてください。

フランス移住の初期費用に含まれるもの

初期費用とは、渡航前から現地での生活開始までにかかる一時的な費用です。毎月の生活費とは分けて考える必要があります。

主な項目としては、ビザ申請関連費、書類取得・翻訳費、航空券(家族3人分)、海外保険・医療保険、住居の敷金、初月家賃、不動産仲介手数料、仮住まい費用、家具・家電・生活用品、通信契約、学校関連費、海外送金・為替手数料、現地到着後の移動費、そして予備費があります。

表:フランス移住の初期費用項目

項目内容注意点
ビザ関連費申請料、予約、書類準備最新の公式情報を確認
書類翻訳戸籍、出生証明、予防接種記録など学校・ビザで必要になる場合あり
航空券家族3人分時期により大きく変動
保険医療保険、住宅保険など補償内容を要確認
住居初期費用敷金、初月家賃、仲介手数料家具付きか家具なしかで変わる
仮住まいホテル、Airbnb、アパートホテル本契約までの滞在費
生活用品寝具、キッチン用品、学用品など家具付きでも必要になる
通信SIM、eSIM、ネット契約到着直後に必要
予備費トラブル対応費家族移住では厚めに見る

このうち、家具なし物件を選ぶと家具・家電を一から揃えることになり、初期費用が一気に膨らみます。逆に家具付き物件なら、その部分を抑えられます。

わが家の場合、南仏エクス=アン=プロヴァンスで家具付きT3を借り、家賃は月1,880ユーロでした。家具付きだったため、大型家具を一から揃える必要はありませんでしたが、それでも寝具、キッチン用品、学用品、生活消耗品など、現地で細かい出費は発生しています。敷金は家賃とは別に必要ですし、住居が決まるまでや、後述するトラブル時には仮住まい費用も重くなります。家族移住では「家賃だけ」を見て予算を組むと、足りなくなりやすいと感じます。

住居探しの詳しい流れは、別記事「フランスで家を借りる方法」で解説する予定です。

家族3人の毎月の生活費の目安

続いて、毎月の生活費です。主な項目は、家賃、食費、光熱費、通信費、保険、学校関連費、交通費、外食・カフェ、日用品、医療費、娯楽・旅行、子どもの学習費、そして予備費です。

下の表は、生活スタイルを「節約モデル」「標準モデル」「ゆとりモデル」の3段階に分けた月額の目安です。

表:家族3人の月額生活費モデル(ユーロ)

項目節約モデル標準モデルゆとりモデル
家賃1,200〜1,6001,600〜2,5002,500以上
食費600〜800800〜1,2001,200以上
光熱費100〜200150〜300300以上
通信費40〜8080〜150150以上
保険100〜300300〜600600以上
学校関連費50〜200100〜500インターなら大幅増
交通費50〜200200〜500車ありなら大幅増
外食・カフェ100〜300300〜700700以上
日用品100〜250200〜400400以上
娯楽・旅行100〜300300〜800800以上
合計(目安)2,440〜4,2303,930〜7,6507,650以上

最大の変動要因は家賃です。そして、インターナショナルスクールを選ぶか、車を所有するか、外食や旅行をどれくらいするかによって、合計額は大きく動きます。表の金額はあくまで目安であり、円換算は最新レートで調整してください。

ちなみにフランスの多くの子どもは公立校に通います。私立に通うのは、宗教教育やモンテッソーリ教育など特定の教育を受けさせたい家庭のみ。インターに通う家庭は外国人家庭が多い印象です。公立校の場合、学費は無料で、日本のように教科書代や体操服代などの実費もかかりません(地域によるかもしれませんが、娘が通う学校は教科書は支給でした)。

実費でかかるのは給食費のみで、これは外国人家庭の場合は1食3-4€程度(月80-100€程度)となります。

わが家は家賃1,880ユーロ、車なし、公立小学校、徒歩生活というモデルでした。食材は市場やスーパーを活用し、自炊中心。外食や旅行をどの程度するかで生活費は上下します。よく「南仏はパリより安い」と言われますが、エクスのような人気都市の中心部は決して安くはありません。それでも、住んでみると東京より暮らしやすいと感じる場面が多かったのも事実です。

家賃がフランス生活費を大きく左右する

家族3人の生活費で、最も大きな割合を占めるのが住居費です。ここをどう設計するかで、毎月の負担は大きく変わります。

一般的な傾向として、パリ中心部は家賃も生活費も高く、南仏の人気都市も中心部は高めです。地方都市は比較的抑えやすく、郊外や小都市はさらに家賃が下がります。

ただし、家賃の安さだけで選ぶと別の問題が出てきます。郊外は家賃が安くても車が必要になることが多く、車関連費が増えれば、トータルでは安くならない場合があるからです。学校までの距離、治安、買い物のしやすさ、公共交通へのアクセスを含めて考える必要があります。

家具付き物件は初期費用を抑えやすい一方、家賃自体は家具なしより高めに設定されることもあります。このあたりは、滞在期間とのバランスで判断します。

表:都市・エリア別の家賃感の違い

エリア家賃感特徴
パリ中心部高い家賃・生活費ともに高い
パリ郊外中〜高エリア選びが重要
南仏人気都市中〜高中心部は安くない
地方都市家賃を抑えやすい
郊外・小都市低〜中車が必要な場合あり

わが家は、家賃の安さよりも生活動線を優先しました。

エクス=アン=プロヴァンス旧市街の家具付きT3で家賃は月1,880ユーロ。学校、マルシェ、スーパー、パン屋、薬局が徒歩圏にあり、車なしで生活が成立しました。住んでいた旧市街は車が入れないようになっていて、駐車場付きのアパート自体がほとんどありません。郊外に出れば家賃は下げられたかもしれませんが、子どもの通学と毎日の買い物を考えると、徒歩で生活が回る立地を選んだことは大きかったです。

ちなみに、駐在の場合は日本の家具家電を船便で運ぶ、という方も多いと思います。フランスは築100年以上の物件が多く、ドアが狭い=大きな家具が入らない、ということが起こりえます。家電も日本とは電圧が違いますし、大きな家具家電は現地調達の方が安全かなと思いました。

食費はいくらかかるか

食費は、自炊中心ならコントロールしやすい項目です。

フランスはスーパー、マルシェ、パン屋、肉屋、チーズ屋などが充実しており、これらを使い分けることで支出を調整できます。

一方、日本食材は輸入品が多く高くなりやすいので、日本と同じ食生活をそのまま再現しようとすると食費は上がります。外食も日本と比べると高めで、家族3人だとそれなりの金額になります。子どもの給食費も忘れてはいけません。

表:食費の目安(家族3人・月額)

スタイル目安内容
自炊中心600〜900ユーロスーパー・市場中心
標準900〜1,300ユーロ自炊+週数回カフェ・外食
外食多め1,300ユーロ以上レストラン利用が多い

わが家は南仏の市場やスーパーを活用しながら、現地で手に入りやすい食材を中心に自炊する生活でした。

実際に住んでみると、野菜や肉、パンの質が高く、価格も日本で想像していたより手頃でした。とくに牛肉は赤身中心で手頃ですし、カフェのコーヒーやクロワッサンなどのパン類も、円安を踏まえても安く感じる場面が多かったです。一方で、卵は10個で600〜800円ほどと高めで、品目によって日本との差はまちまちでした。

興味深かったのは、好きな食材を好きなように買っていても、外食やデリバリーが自然と減ったぶん、結果的に東京より食費が下がったことです。市場が日常にあると、「この素材で何を作ろうか」という気持ちが湧いて、自炊が苦になりにくいのだと思います。

日本食を完全に再現しようとすると高くつきますが、フランスの食材を受け入れると、食費はかなり生活しやすくなります。南仏ではとくに、マルシェが日常の楽しみになりやすいのも魅力です。

学校費用は「現地校」か「インター」かで大きく変わる

家族移住で、最も費用の差が出るのが教育費です。ここは進路の方針によって、ゼロに近いか、年間数百万円かというくらいの幅があります。

フランスの公立校は、外国人の子どもでも授業料がかからないのが大きな特徴です

教科書代もかからず、給食費は所得に応じた段階制になっていることが一般的です。ただし、給食費、学用品、学校保険、課外活動などの実費は必要です。

私立校は学校により費用差が大きく、インターナショナルスクールは英語環境が整っているぶん、年間費用がかなり高額になります。加えて、日本語補習やオンライン英語、語学アプリ、本代といった家庭学習費も、家族移住では考慮しておきたい項目です。

表:学校タイプ別の費用感

学校タイプ費用感特徴
公立校低い現地語環境。授業料は原則低負担
私立校学校により費用差が大きい
インターナショナルスクール高い英語環境。年間費用が大きい
家庭学習・オンライン併用教材・レッスン費が発生

うちはフランスの公立小学校を選びました。最初は入学のしやすさからインターナショナルスクールも検討したのですが、エクサンプロヴァンスには学校の選択肢が少なく、年間学費も10000-15000€程度と高額だったので、旧市街にある徒歩圏内の学校を選びました。

授業料・教科書代は無料で、主な費用は給食費や学用品です。給食費は所得に応じた段階制で、外国人家庭のわが家の場合は月1万円少々ほどでしたが、質は高く満足しています。外国語話者向けのUPE2Aのサポートも受けられました。

一方で、家庭では日本語の読書、英語の多読、フランス語の音声インプットを続けていたため、本やアプリ、オンライン教材などの費用は別途かかります。海外生活では、学校費用そのものより、「家庭で言語を支える費用」を見落とさないことが大切だと感じました。

学校手続きの詳細は別記事「フランスの公立小学校に子どもを入れる方法」で、語学維持については「海外移住中に日本語と英語を維持する方法」「子どもはどれくらいでフランス語が分かるようになるか」で扱う予定です。

保険費用はいくら必要か

フランス移住では、長期滞在用の医療保険、住宅保険、学校保険、個人賠償責任、家財補償などを考える必要があります。

海外旅行保険が付帯したクレジットカードだけでは、長期滞在には足りません。またビザ申請時に保険証明の提示も求められます。

保険を選ぶときは、安さだけで決めないことが重要です。補償内容と免責(自己負担額)を確認し、「何がどこまでカバーされるか」を把握したうえで契約してください。

表:フランス生活で考える保険

保険必要性注意点
医療保険高いビザや滞在形態により必要
住宅保険高い賃貸契約で必要になることが多い
学校保険中〜高学校や課外活動で求められる場合あり
個人賠償責任高い住宅保険に含まれることもある
家財保険火災・水漏れ・盗難への備え

わが家はフランス滞在中、建物内で発生した火災による煙被害を経験しました。幸い家族は無事でしたが、その後は仮住まい、清掃、家財、保険会社とのやり取りが必要になりました。この経験から、住宅保険を単なる契約上の義務としてではなく、生活を守るための重要な備えとして考えるようになりました。費用を抑えることも大切ですが、補償内容を確認せずに安さだけで選ぶのは避けたほうがよいです。あわせて、写真・動画・領収書・メール履歴といった記録を残しておくことが、いざというときの対応で大きく役立ちました。

なお、保険で何がどこまで補償されるかは契約内容によって異なります。「保険に入っていれば必ず補償される」とは限らない点に注意してください。詳しくは別記事「フランス移住に必要な保険」で扱います。

通信費・インターネット費用

フランスの主要キャリアにはFree、Orange、SFR、Bouygues Telecomがあり、携帯プランは比較的安い水準です(Freeの場合、月10-20€程度)。到着直後はeSIMや短期SIMでつなぎ、長期滞在なら現地契約に切り替えると割安になることが多いです。

表:通信費の目安

項目月額目安内容
スマホ1人分10〜30ユーロ程度プランによる
家族3人分スマホ30〜90ユーロ程度使用量による
自宅ネット30〜50ユーロ程度光回線・プロバイダによる
VPN数百円〜数千円日本サービス利用や安全対策

日本の動画配信や一部サービスを使う場合や、通信の安全対策のために、VPNを利用する家庭もあります。

わが家はFreeのモバイルと光回線を利用しました。フランス生活では、学校、不動産、保険、業者との連絡でスマホが欠かせません。メールだけでなくWhatsAppで連絡を取る場面も多いため、到着後すぐに通信手段を整えることは優先度が高かったです。

交通費・車の有無で費用は変わる

交通費は、車を持つかどうかで大きく変わります。

パリや一部の都市は公共交通が発達しており、車なしでも生活しやすい一方、地方都市や郊外では車が必須。車を持つと、購入またはリース、保険、駐車場、ガソリン、高速代、メンテナンスといった費用が積み重なり、家計への負担は決して小さくありません。

そのため、車なしで生活できる街を選ぶと、費用をかなり抑えられます。ただし、旅行や郊外への移動には、必要なときだけレンタカーを使うのが現実的です。

表:車あり・車なしの費用差

スタイル費用感向いている家庭
車なし低い中心部・徒歩生活・公共交通利用
必要時だけレンタカー普段は徒歩、週末旅行あり
車所有高い郊外・地方・通学や買い物に車が必要

わが家はエクス=アン=プロヴァンス旧市街で車なし生活をしていました。学校、マルシェ、スーパー、薬局が徒歩圏だったため、日常の交通費はほぼゼロに近い水準でした。

東京では駐車場代だけで月5万円ほどかかっていたことを思うと、この差は大きかったです。一方で、車なし生活を成立させるには住居の立地選びが肝心です。家賃を下げるために郊外を選んでも、車関連費が増えればトータルでは安くならないこともあります。旅行や遠出のときは、別途交通費が発生する点も見込んでおくとよいでしょう。

フランス移住で見落としやすい出費

予算を組むとき、毎月の生活費は意識しても、単発の出費は忘れられがちです。ここで、見落としやすい項目を整理しておきます。

表:見落としやすい出費

出費なぜ必要になるか
書類翻訳ビザ・学校・行政手続き
日本語教材子どもの母語維持
英語教材英語力維持
仮住まい住居契約前・トラブル時
医療費立替保険請求前に必要な場合あり
一時帰国費用学校・家族・手続き
為替差円安時に生活費が上がる
海外送金手数料家賃・生活費送金

とくに家族3人での一時帰国は航空券だけでも高額になりますし、円ベースで資産を持つ家庭にとっては為替変動の影響も無視できません。

わが家の場合も、日本語の本を日本から送ってもらったり、英語の本やアプリ、フランス語学習にLariloや動画を活用したりと、教材まわりの費用は継続的にかかりました。さらに、住居トラブル時の仮住まい費用のように、予定外の大きな出費もあり得ます。海外生活では、こうした想定外の支出に備えておくことが本当に大切だと実感しました。

フランス移住に必要な貯金額の考え方

ここまでを踏まえると、フランス移住に必要な資金は「毎月の生活費」だけで判断してはいけないことが分かります。初期費用と予備費を含めて考える必要があります。

目安としては、初期費用に加えて、最低でも3ヶ月分、できれば6ヶ月分の生活費を予備費として持っておくと安心です。

ビザ申請でも資金証明が求められることがありますし、収入がある家庭でも、生活開始直後は支払いが一度に重なります。円安が進めば、必要な円資金はさらに増えます。とくに子どもがいる家庭では、住居・学校・医療・保険のトラブルが起きたときにすぐ動ける資金余力が、安心に直結します。

表:必要資金の考え方

項目考え方
初期費用渡航・ビザ・住居・保険・生活立ち上げ
月額生活費家賃・食費・通信・学校・交通
予備費最低3〜6ヶ月分
教育費学校タイプ・家庭学習費
為替余裕円安に備える
一時帰国費家族3人分は高額

家族3人でフランスに暮らす場合、「毎月いくらで生活できるか」だけで判断するのは危険です。初期費用に加え、3〜6ヶ月分の生活費を予備費として確保しておくことで、いざというときに落ち着いて対応できます。

阪口家の南仏生活モデル

ここで、阪口家の実例をひとつのモデルケースとしてまとめます。家計簿のように細かく出すことはしませんが、生活の全体像が伝わるよう整理します。

表:阪口家の費用感

項目阪口家のケース
家族構成父・母・娘の3人
滞在地南仏エクス=アン=プロヴァンス
住居家具付きT3
家賃月1,880ユーロ
交通車なし・徒歩中心
学校公立小学校
通信Freeモバイル・Free光
電気EDF
食生活市場・スーパー・自炊中心
教育日本語・英語・フランス語を家庭で併用
注意点住居トラブル時の予備費が重要

わが家のケースは、南仏の人気都市エクス=アン=プロヴァンスで、家族3人が徒歩中心に暮らすモデルです。

家賃は月1,880ユーロで、フランス全体で見れば最安ではありませんが、学校・市場・スーパー・薬局が徒歩圏にあり、車を持たずに暮らせた点が大きなメリットでした。

公立小学校を選んだことで教育費は抑えられましたが、日本語と英語を維持するための本・アプリ・教材費は別途必要でした。住んでみての率直な感想は、「思っていたよりずっと暮らしやすい」というものでしたが、それは住む街と生活の設計を、自分たちの優先順位に合わせて選べたからだと思っています。

費用を抑えるポイント

フランス移住の費用を抑えるコツは、日々の細かい節約よりも、「構造的にお金がかからない生活設計にすること」です。最初の設計で、その後の固定費の大部分が決まります。

具体的には、パリ中心部を避ける、車なしで暮らせる街を選ぶ、家具付き物件を選ぶ、現地校を活用する、外食を減らしてマルシェとスーパーを使い分ける、日本食材にこだわりすぎない、クレジットカードやWiseで為替手数料を抑える、通信プランを見直す、日本語・英語教材は電子書籍やサブスクも活用する、旅行費を別予算にする、といった工夫が効きます。

表:節約しやすい項目・しにくい項目

節約しやすい項目節約しにくい項目
外食家賃
通信費ビザ・保険
食材の選び方学校選択
旅行頻度為替
サブスク整理医療・トラブル対応
家具付き物件選び一時帰国費

わが家の場合も、車なしで暮らせる場所を選んだことで交通費は大きく抑えられました。ただしその分、徒歩で生活が回る立地の家賃は受け入れる必要がありました。費用は「どこを削るか」よりも「どこに優先順位を置くか」で決まる、というのが実感です。

費用を抑えすぎると危険な項目

一方で、何でも安くすればよいわけではありません。削りすぎると、かえって生活が不安定になる項目があります。

具体的には、保険、住居の安全性、学校へのアクセス、医療、子どもの日本語・英語維持、通信手段、予備費、そして家族のメンタルに関わる支出です。これらはケチると、トラブル時に対応できなかったり、子どもの教育や家族の安心が損なわれたりするリスクがあります。

家族移住では、問題が起きたときにすぐ動けることが何よりの安心につながります。保険や予備費、住居の安全性、通信手段、子どもの学習環境は、目先のコストだけで判断せず、家族の生活を守るための投資として考えるほうがよいと感じています。

フランス移住費用は、どんな家庭に高くなりやすいか

最後に、費用が高くなりやすい家庭と抑えやすい家庭の傾向を整理します。

費用が高くなりやすい家庭

費用が高くなりやすいのは、パリ中心部に住みたい家庭、インターナショナルスクールを選ぶ家庭、車を所有する家庭、外食が多い家庭、日本食中心の生活をしたい家庭、一時帰国が多い家庭、家具なし物件で一から揃える家庭、家賃の高い観光地・旧市街に住む家庭、そして日本と同じ便利さを求める家庭や、旅行・文化体験を多く取り入れたい家庭です。

費用を抑えやすい家庭

逆に費用を抑えやすいのは、地方都市を選ぶ家庭、公立校を使う家庭、車なし生活ができる家庭、自炊中心で現地食材を使う家庭、家具付き物件を選ぶ家庭、支払い手段を工夫する家庭、子どもの教材をサブスクや電子書籍で工夫する家庭です。

自分たちがどちらに近いかを把握しておくと、予算の見通しが立てやすくなります。

まとめ

家族でフランスに暮らす費用は、決して一律ではありません。同じフランスでも、パリに住むのか、南仏に住むのか、地方都市に住むのかで大きく変わります。さらに、現地校を選ぶのかインターナショナルスクールを選ぶのか、車を持つのか徒歩生活にするのかによっても、必要な金額は変わります。

ポイントを整理すると、フランス移住の費用は

・家賃
・学校
・車の有無

で大きく左右され、家族3人の場合は初期費用と毎月の生活費を分けて考える必要があります。

南仏や地方都市でも人気エリアの中心部は安くなく、公立校を活用して車なし生活ができる街を選ぶと費用は抑えやすくなります。一方で、保険、住居の安全性、子どもの教育、予備費は削りすぎないほうがよい項目です。

実際にフランスで暮らしてみて言えるのは、家族移住では「安く暮らす」よりも「生活が回る設計にする」ことが大切だということです。わが家は家具付き物件に暮らし、車なし・公立校・徒歩生活というモデルでした。郊外にはもっと安い金額の部屋もありましたが、徒歩圏内で全てが完結するエリアに暮らしたことで、結果的に生活コストだけでなく、ストレスも軽減されたと思います。

本記事の金額は目安です。家賃、保険料、通信費、学校費用、為替レートは時期や地域、契約内容によって変わります。実際に予算を組む際は、最新の為替レート、現地の家賃相場、公式情報、各サービスの料金を確認してください。また、ビザ申請料、保険条件、学校手続き、税務・社会保険は変更されることがあります。申請前には必ず在日フランス大使館、France-Visas、居住予定地の自治体、専門家などの最新情報を確認してください。

次に読む

  • フランス移住ロードマップを見る
  • フランスで家を借りる方法を見る
  • フランス移住に必要な保険を見る
  • Wiseの使い方を見る
  • 海外移住におすすめのクレジットカードを見る
  • エクス=アン=プロヴァンスでの暮らしを見る