音楽という手段で、世界を巡る力をつけるために。チェロを弾き始めて3ヶ月が経ちました。

(写真は、1月、雪積もる石川で練習会に参加したときに撮影した1枚)

僕はもともとミュージシャン志望でベースを弾いていたのですが、一度その夢に挫折をして、起業をすることを決めてからは音楽から離れて過ごしてきました。

起業をしてから7年、事業も安定してきたので、「今の自分が音楽をはじめたらどうなるのか?」を試したいなと、もう一度楽器を手にしています。

ベースギターはある程度弾けるので、全く弾いたことがない楽器を選ぼうと、選んだ楽器は「チェロ」。以前から、チェロやコントラバスといった中低音域を扱う弦楽器に憧れを持っていました。

また、チェロは「バッハの無伴奏チェロ組曲第一番」という、僕がすごく好きな曲があり、この曲を弾けるようになりたいなーと思ったのも理由のひとつ。

この曲です!

一度は旋律を聞いたことがある、という方も多いのではないでしょうか?

ということで、さっそくチェロをレンタルで取り寄せて、練習をはじめています。

目次

チェロをはじめて3週間で舞台に立った話

僕は今、「アミチエ・ソンフロンティエール・インターナショナル・ジャポン」という、モナコに本部を置くチャリティ団体のオーケストラに所属しています。

僕がチェロをはじめたのは2018年1月になりますが、その3週間後にはすでに次の公演が決まっていました。

会員は全国にいるのですが、公演に出るかどうかは立候補制。そこから、最終試験を経て舞台に立つことができるか決まります。

とにかくこの公演に間に合わせよう!と、Youtubeの動画やインターネット検索で見よう見まねでチェロを練習。もともとベースを弾いていた経験が役立ち、左手についてはなんとかなりそうだったので、右手の弓を集中的に練習。なんとか試験をパスし、本番の舞台に立つことができました。

公演後も練習は続けていたのですが、なんだかチェロの調子がおかしい。音の響きが悪いし、ハリもなくなっている。

でも、どうしたらいいか全然わかりません。

このときはじめて、「あ、俺、チェロについて何も知らないんだな」と当たり前のことに気がつきました。公演に間に合わせることが必死で、チェロの構造や弦の貼り方、チェロがきちんと調整できている状態とは何なのか、ということは考えたこともなかったのです。

チェロの調整を梅田の弦楽器工房「絵譜工房」さんに依頼してみた

ということで、先日、チェロの調整を、大阪梅田にある弦楽器工房「絵譜工房(http://f-koubou.jp/)」さんに依頼してきました!

どんな調整をすれば、チェロは良い音になるのか

という自分の中の基準値がまったくなかったので、一度プロに依頼してその基準値を持ちたかったという理由がひとつ。

もうひとつは、「弦楽器工房」という響きに憧れて。工房なんて、これまでの人生で立ち寄る機会がありません。言葉の響きだけで、なんだかワクワクします(笑)

チェロの調整をしていただく様子。なんとなく、ジブリ映画「耳をすませば」のワンシーンを思い出します。

調整をしていただいたのは、絵譜工房オーナーのヒロさん。こちらの工房は、お父さんの代から35年続く工房とのこと、プロのチェリストやバイオリニストが調整に通っているのだとか。

作業台の上には見たこともない工具ばかり!

チェロってこういう構造になってるんだなーと、眺めているだけで勉強になりました。

チェロの調整が終わった後、色んな弦を試奏させていただきました。

チェロは出したい音に合わせて、「1弦と2弦はこのメーカー、3弦と4弦はこのメーカー」と、異なるメーカーの弦を張ることも多いのだとか。

弦によって「この弦の音はハッキリしてますねー」「これは音の粒がよく聞こえて、金属音っぽい響きがしますねー」などオーナーと色々弦の特徴について会話していたのですが、日本酒の利き酒をしているみたいでした(笑)

ヒロさん自身も3歳からバイオリンをされていて、オーケストラでも演奏経験があるとのこと。

調整をして、弦を張り、音の響きを確かめて、また弦を外して調整をして・・・という工程を何度も繰り返しながら、チェロをベストな状態に仕上げていただきました。

翌日、チェロのレッスンも受けてきました

オーナーにご紹介いただき、調整の翌日、たまたま工房に訪れていたチェリスト・野村朋亨さんのご指導を受けることができました。

野村さんは、大阪交響楽団特別首席を以前されていた他、僕が憧れるカーネギーホールでの演奏経験もあるチェリスト。

  • チェロの正しい構え方
  • 弓の正しい持ち方(添え方)
  • 左手の正しいポジション
  • チェロを弾く時の身体の使い方

など、「正しいフォームでチェロを弾く、とはどういうことか」を教わることができました。

これまでチェロは独学でやっていて、インターネットで「チェロ 奏法」と検索をしたり、Youtubeで「無伴奏チェロ組曲第1番」「2cellos」などと検索して出て来る動画を、見よう見まねで練習していました。

なんとなくは弾けるようになり、オーケストラでの舞台経験もあるのですが、

「これって正しいチェロの弾き方なんかな?」

とよくわからないままゴリ押しで練習をしていました。今回、野村さんに正しいフォームを教わったので、今後は自信を持って練習に取り組めそうです。

弓の持ち方について指導を受ける様子。チェロの弓は「持つ」というより、完全に手首や腕を脱力した状態で「添える」という表現が正しいのだとか。

これまで、力強く握っていて手がつりそうになっていたのですが、本来は早いパッセージも手首を「ぶらぶらぶら」とさせて弾くのだそう。変な癖がつく前にみていただき良かったです!

音楽、という手段を武器に、世界を飛び回る力をつける

僕は今でこそ、パソコン仕事を手段に世界を巡っていますが、今の仕事に出会う前は、音楽を手段に世界に出たいと思っていました。

当時、僕はベースギターをやっていたので、名付けて「ベース一本で世界一周」。

23歳のときには、食料と機材、寝袋をワゴン車に詰め込んで、日本縦断しながら路上演奏をするという旅もしています。

当時は、音楽以外の選択肢がなり、路上演奏しても全くお金にならない日々が続いたことから、

これで世界に出たら、野垂れ死ぬな

と思い、断念。

音楽で生計を立てている自分もイメージできなかったので、他の手段で世界に出ようと、サイト作成の技術をゼロから学び、出国を果たしています。

その後、全く楽器に触れることなく7年が過ぎ、もう自分が昔、音楽をやっていたことも忘れかけた最近になって音楽を再開したのですが、

まだ、どこかで、

パリやバルセロナやフィレンツェの路上で、楽器を弾いている自分の姿が、強く脳内にこびりついていて、

音楽以外の分野で生計を立てている今の自分なら、演奏技術と度胸ができるに違いない、じゃあ、挑戦してみよう!と思ったのでした。

今回レッスンを受けて、ヨーロッパでチェロを演奏している自分の姿がより鮮明にイメージできました。

近い将来現実のものにするために、日々練習を積み重ねていきたいと思います。

絵譜工房のオーナー・ヒロさんとの1枚。また伺います!

 

阪口ユウキ

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