起業というと、「何か凄いことをやらなくてはならない」と思い込んでいる人が多くいます。
- こんな風に社会を変えたい
- このサービスで社会を「あっ!」と言わせたい
- まだ世にないものを生み出したい
といった、何か社会にインパクトを与えられるような事業やサービスを興さなくてはならないと。
実際、メディアで取り上げられている起業家は、何か新しいものやサービスを生み出し、結果を出している人がほとんどです。
しかし僕は、起業をするのに大それた理由は必要ないと思っています。
たとえば「会社から逃げたい」とか「人間関係がつらい」とか、「実家から一刻もはやく出たい」とか。そうしたネガティブな状況から逃げ出すために起業をするという選択肢も、僕はありだと考えています。
ポジティブな理由で始まった起業は、いつ辞めることもできた。
学生時代に僕は一度、仲間と一緒に「起業」を志したことがあります。
ちょうど、堀江貴文さんや藤田晋さんなど、ITベンチャー起業家が一気に注目を浴びた時代もあったからか、「俺らも起業しようぜ」と友達に誘われ、軽い気持ちで参加したのがきっかけです。
「学生起業」というのはなかなか新鮮な響きでしたり、ビジネスを起動に乗せるべく動き回ることも面白さを感じました。そして収益をあげるべくそれなりに奮闘をしていったのですが、その結果はというと、、、
全員が、辞めていきました。
- 収益が上がらなかったから
- 思ったほど上手くいかなかった
- 卒業が近づいて現実を見始めた
- 起業よりも面白いものが見つかった
など、理由をあげれば色々とあります。
しかし一番の理由は、「起業する以外の選択肢が他にもあったから」ことだと思います。
僕を含めてその当時の仲間は、自分の力で独立し、何がなんでも飯を食っていくという気概を、あまり持ってはいませんでした。
「楽しそう」「面白そう」というポジティブな気持ちではじめた起業は、「思ったほど楽しくない」「思ったほどうまくいかない」という気持ちで辞めることができた。あえてこの起業を成功させる積極的な理由を、僕らは持っていなかったのだと思います。
追い詰められて起業した24歳。
大学を卒業して社会人として働き、1年ちょっとでうつになりました。業務ができなくなり、自殺未遂をし、会社を辞めたのが23歳のときのことです。
「もう企業で働くことはできない」
「もう一度社会人として働くことを思うと逃げ出したくなる」
「誰かと一緒に仕事をするのは苦しい」
それでも、生きていかなくてはならない。だから僕は起業をすることにしました。
ひとりぼっちでできる仕事、PC一台でできる仕事をしようと、アフィリエイトやアドセンスを使って収益をあげるWEBサイトをゼロから作り始めたのが24歳のとき。
そして、1年半かけて月30万円程度、人並みの収益をあげられるようになりました。今ではこの分野で十分な収益もあがり、家族を養うこともできるようになっています。
うつ病で半年間寝たきりだった僕が、PC一台で世界を自由に飛び回るようになった話」
関連記事「ネガティブな理由で起業をしたら、逃げ場がなかった
以前の起業と、今回の起業のは何が違うのか。
それは、今回の起業は「ネガティブな動機」から起業をしたということです。
そのときの僕にとって「社会から逃げたい」「企業ではもう働けない」という思いは、妥協することのできないものでした。
それを我慢してまた社会に出て働けば、今度こそ自分は潰されてしまうかもしれない。そんなのっぴきならない状況に追い込まれ、最後に残った選択肢が「起業する」というものでした。
大学時代の起業とはわけが違う、ここで逃げたらもう自分の人生は終わりだという気持ちでビジネスに挑みました。社会的になにか価値を与えようとか、良い変化を生み出そうとか、そういうことを考えている余裕はありません。
ただ、自分ひとりを生かすための起業。自分の人生を取り戻すための起業。だからこそ僕は、這い上がることができたのだと思います。
ネガティブな動機は強ければ強いほど、成功確率は高くなる。
ネガティブな想いが強ければ強いほど、僕は成功確率は高くなると思っています。
- 会社から逃げたい
- もう、企業で自分は働けない
- 人間関係に疲れ果ててしまった
もし、こうした理由から「逃げたい」ために起業をしたなら、もうその事業は絶対に成功させるしかありません。この現状を変えることができなければ、また会社に戻らないといけない。この痛みや苦しみを、ずっと抱えなければならないからです。
その状態から脱出するために何かしらに事業を起こす。その理由は、起業の立派な理由になりますし、そうしたネガティブな理由で起業を志す人は、なかなか途中で諦めるということがありません。
あなたにとって、今すぐにでも逃げ出したい「ネガティブな理由」は何ですか? そこから逃げ出すために起業するとしたら、どんな働き方がありますか? そこから、新しい生き方のヒントが見つかるかもしれません。