今でこそ僕はWEBサイトを作ったり、PC一台で生計を立てていますが、12歳の頃から23歳まで音楽と小説をやってきました。ビジネスとは全く無縁の世界でアーティストを目指していたのです。
そうして、23歳でその夢を諦め鬱になってしまったのですが、本当にその夢を未練なく諦めることができたのは、そこから2年位経った頃でした。
僕がアーティストになりたかった二つの理由
僕が音楽や小説を追いかけていたのには2つの理由があります。
まず、僕はそれまで、自分の人生があまり面白いものとは感じていませんでした。
面白くて、刺激的な人生は自分とは別の世界にあるに違いない。そういった世界に触れてみたくて音楽や小説の世界をひたすらに追いかけていたのです。
もうひとつの理由は、音楽や小説という手段が企業や組織に属さずにできる自由な働き方のように感じたからでした。
自分の感性が、仕事になる。その仕事で、どこにでもいける。そんな働き方がしたいと思っていました。
僕が10年来の夢を諦められた理由
僕がどうして夢を諦められたのか。
それは、大切なのは手段ではなく、その向こう側にあるものだと気がついたからです。
面白くて刺激的な、物語のような世界を生きてみたい、色んな世界を見て回りたい。それが、僕が音楽と小説で叶えたいと思っていた状態です。
しかし、本当に大事なのは、手段に固執することではなくその状態を叶えることです。手段は別になんだっていいのです。
自分が面白いと思う人生を生きる。そして、世界を自由に回る仕事をする。その状態さえ叶えることができればどんな働き方でも別にいいのだ、
僕はこのことに納得した時にそれまで狭かった自分の世界が爆発的にひらいていく感じがしました。
自由になることが目的で、その手段はなんでもいい。
僕にとってパソコンは楽器やペンとなんら変わりません。
自己表現のひとつの形であり、企業や組織に属さなくてもできる、自由な働き方を叶えてくれるものです。
そしてこの仕事で成功するのはアーティストになるよりも、よほど簡単です。なぜならこの仕事には運や才能、という領分がまるで関係ないからです。
10年間小説を書いて、なにひとつ賞を取れないことはよくありますが、10年間サイトを作り続けて、収益がまったくあがらないということは考えられません。
芸術に向けるのと同じ力をもしビジネスに向けたなら、ものすごいスピードで成果が出るのです。しかも、自分の理想の状態を同じように叶えてくれます。
自分だけの、ドラマのような人生を生きる。
「PC一台で生計を立てる」と決意して動き出してから、僕はまるでドラマのような人生を生きてきました。
半年間うつ病になったあとで、「世界に出たい」という気持ちだけで起業を決意してから、資金を稼ぐために福岡の住み込み旅館で働き、大阪のあいりん地区に潜伏し、元ヤクザ幹部のおっちゃんに人生を教わり……「世界を自由に飛び回る力」を身に付けるために、すべてのことをしました。
PC一台で稼げるようになってからは、日本と世界を旅しながら、色んなライフスタイルに出会ってきました。
「面白くて、刺激的な人生は自分とは別の世界にあるに違いない」
僕が昔からずっと思っていたこと。それはある意味ではそうだと思います。しかし、ちょっと外に踏み出せばそんな世界には、いくらでも出会うことができました。
音楽や小説以上に面白い物語のような人生を生きることができる。そのことに気がついたとき僕は本当の意味で芸術を諦めることができたのだと思います。
空想の世界でも、芸術の世界でもない。
僕は、僕自身の世界をこれからも生きていきたいと思っています。