2日目:青森に到着!太宰治の生地である金木へ、オートキャンプ場で初の野営をする。

寝袋にくるまり、助手席で眠る。

色々角度と場所を変えて就寝を試みるが、シートに身体が馴染まず、寝ては起きてを繰り返す。

タオルで身体を拭いて朝飯代わりにカップ麺をすすると、時刻は0時半。持ってきていたヘミングウェイの小説を読んで時間を潰そうとするが、時間よりも先に、青森までの距離を潰そうと北へ走る。真夜中の運転は静かだが、日中よりも集中して走らなければならず、二時間走ったところで断念。岩手山SAで休憩する。

4時過ぎに寝て、今度は8時まで熟睡する。この数時間で身体が不思議と慣れたようである。人間の適応力は偉大だ。そのまま青森まで一気に北へ駆け抜けた。

青森着が11時。

霧の秋田を抜けると、幾重にも重なる分厚い雲の隙間から、関東では見たこともないようなコバルトブルーの鮮やかな空が広がっていた。

こんなに肉厚な雲は、関東ではまずお目にかかれない。平べったい町並みは、雲に潰され飲み込まれるように見える。しかも取り囲む山々は荘厳で頑固そうである。青森の町に逃げ場はない。

青森駅に車を停めて、演奏場所の下見をする。駐車場料金は1時間220円。

街は整備が行き届いていて、路上駐車の影もない。信号は縦。なんてわかりづらい道路なんだと困惑しながら走っていたが、交通量と街並のわりに、車線が多すぎることが原因だろう。片道平気で3車線も4車線もある。4車線もあるとどこに乗ればいいかわからなくなる。

午後からは太宰治の生誕地・金木へ行く。青森から1時間ちょっと。市街から10分も走らせると、あっという間に人通りが途絶えた。

この金木、津軽三味線発祥の地でもあるという。小さな田舎町ながら色々と密度の濃い町である。

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太宰の実家はとてつもなく広く、大きく、太宰も「ただ広いだけで、趣もなにもない」と言っているように、馬鹿に広々として逆に拍子抜けするようであった。相当の金持ちの子どもに生まれついた。文体の貧乏くささと人間臭さはどこから生じたものなのだろう。
隣には津軽三味線記念館があって、三味線の実演を無料で観た。(津軽三味線最初の坊さんのアニメがあるという)

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青森弁のMCが良かった。大阪以外の方言は人を和ませる作用を持つ気がする。方言を持たぬ自分の言語は薄っぺらに思えて仕方ない。高橋竹山の自叙伝を買う。太宰は青森県内のBookOffに大量に出回っていると踏む。

芦野公園のオートキャンプ場が、車で5分のところにあり、そこで昼飯を済ます。

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今回の旅では地元の名物を楽しむ食の余裕は放棄している。すべてこのガスバーナーで事足らせようと思っていた。米は無洗米にしているので、そのままクッカーに食べる分だけの半合分の米を入れ、焚く。バーナーは無事稼働、なんとか30分ほどして米も炊きあがる。水の分量を間違えたのかパサパサしていたが、それでも米が炊きあがる事実に安堵した。

車内は狭い。外は雨。このままこのキャンプ上で夜を迎えることにする。野宿も車内生活も初めてのことだらけ。トラブル・不手際は当然起こる。あるものでなんとか間に合わせて行くしかない。

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