61日目:上田城〜安曇野へ

12/10(金)
別所鉄道(370)、古本(210)、新聞(110)、パン(110)、上田市博物館(250)、ガソリン(1320)=2370

上田市は古戦場跡公園にて車を停めて上田市街へ5kmの道程を自転車で駆け、上田城公園を中心に観てまわった。

上田は映画撮影が多く行われている。昨今は、サマーウォーズの舞台ともなり、駅や観光協会にはポスターが貼ってあった。

上田城は堀も石垣も低く、さらに天守閣のような城はなかったと言う話である。それで、徳川軍二回の攻撃に耐えたと言うから、真田幸村はなかなか頭がよかったと見える。山梨甲斐の国に比べると、上田は盆地が開けて、山さえ超えれば攻撃はし易そうであった。

別所鉄道は、サマーフォーズ劇中に出てきたというから、映画に採用される景観というものがいかなるものか、興味があった。別所温泉までは片道30分、距離にすれば10kmである。右手には、城山、三ツ頭山、飯縄山、湯坂山の複雑な稜線が続き、冬木立の褐色に巨大な身体を染めている。左手には富士獄山、独銛山、女神岳と続いて、盆地の裾野に碁盤目の田圃を並べていた。前後左右いかなる方向をも自由に見れるというのは電車の特権である。

この日、鉄道ははじめて「サービス業」であると知る。別所温泉鉄道の車掌さんは、「サクラ大戦」に出てくるような大正ロマンを彷彿とさせる桃色の袴姿で、なかなかの美人であった。また「鉄道むすめ」という、鉄道の制服をきたキャラクターのフィギュア商品がいろいろ出ているようで、驚いた。この路線で買うこともできる、630円。

もう夕方の暮れ始めた時間から安曇野へ向かう。40km。これは地図を見たときに気がつけばよかったが、青木村を抜けると国道143号線は雪積もる峠越えにて、十観山、丸山、大洞山、虚空蔵山の隙間を延々上り詰めていく。

途中、ガードレールが路肩の雪と同化して、道路の輪郭があやふやになる箇所がいくつもあった。カーブで二度ほどタイヤが取られ言うことを聞かなくなる。もう、この時期になると、もはやタイヤへの憤怒不満は出てくる筈もない。ただ信用して祈るばかりである。松もの市街に辿り着いたときには安心した。安曇野へ、ふたたび戻ってきたことも嬉しかった。

目次
閉じる