野菜ジュース(105)、新聞(130)、パン(135)、草野心平記念館(420)、ガソリン(2000)、昼食(200)、ボトル(150)
目次
太平洋へ出る
太平洋へ出る。
鉛を煮詰めたような色の波が、大勢でかけっこをするように、ブロックを積み重ねた堤防のゴールへと次から次に雪崩れ込んでいく。
轟々と恐ろしい唸り声を上げながら、堤防へ存分にたいあたりをすると高らかに白い飛沫を撒きちらして砕けていく。
相対するブロックらは、一致団結、スクラムを組んでがんこに海岸を死守しようとする。
大型の台風が沖縄から北上してきているらしい。
この鉛色の波たちは、遠い沖縄の海から追い立てられるようにしてこの福島の海岸へと流れ着いたのだ。
海は怒号を上げて荒れ狂っていたが、それとはまるで正反対に、水色の空はゆうゆうと雲をでたらめに浮かべながら菩薩のような穏やかな表情で天をまあるく包み込んでいた。
絹のように乗り心地の良さそうな、わたわたとした雲が、地平線と平行にずらりとパノラマにならんで、その上には思い思いに線を描いた雲らが飛び回っている。さらにその上側でお日様がのびのびと黄金に輝いていた。
道の駅のある四倉港まで下りてきて案内板を見ると、興味を惹かれる場所がいtくつもあることに驚く。
草野心平記念館
四畳半の居酒屋火の車を再現したカウンターテーブルの居心地が良かった。
草野心平の写真をはじめてみたが、人間味あふれ、悪戯小僧をそのまま大きくしたような奔放な魅力があった。
「蛙の詩人」などと呼ばれているそうである。賢治と同じく、石集めを趣味としていた。
東北地方の人の、自然と共に生きる視点を23歳からの僕は持つ事が出来るだろうか。