すべてを失ってなお「美しさ」を感じることができる人間の素晴らしさを思う!

ちょうど1年くらい前のことですが、

「ああ、人間ってなんて素晴らしいんだろう」

と、実感した瞬間をふっと思い出したので、シェアさせていただきます。

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1年前、僕は大阪のあいりん地区に住んでいました。

あいりん地区は、日本で唯一「スラム街」と呼ばれるところです。

路上には当たり前のようにホームレスが横たわり、
人間が醗酵したような饐えた臭いが至るところに染み付いています。

1泊1000円前後のドヤが迷路のように犇めき合い、
その隙間で麻薬の密売が行われている、
夜になると喧嘩する誰かの怒声がこだまする――

これは誇張でもなんでもなく、
僕が8ヶ月間潜伏していた、
2012年のあいりんの日常風景です。

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僕はそのとき、1泊1200円、三畳一間の部屋に籠城し、
朝から晩までひたすらサイトアフィリエイトに取り組んでいました。

三畳一間の部屋1

この汚い写真が、僕の仕事場です。
独立してから8ヶ月間、僕はこの部屋で格闘していました。

本当に、去年の冬は寒かったです。
寒さと飢えと孤独で、気が狂いそうでした。

たとえば。

人間はあまりに飢えると、
身体が軋む音が聞こえてくるんですね。

腹が減りすぎて眠れない、そんな状態が続くと、
夜中、身体から「ビシ….ビシッ….」と軋む音がしてきます。

乏しい栄養に合わせて骨が縮む音、
骨の中身が空洞になる音、
筋繊維が失われる音。

それはもうほんとうに恐ろしい音で、
できることならもう二度と聞きたくありませんw

またこんなこともありました。

この地区では夕方になると、浮浪者や労働者のために
炊き出しが行われ、外に長い長い列ができるんですね。

血色の悪い、薄汚れた格好の男たちがただじっと、順番を待っている。
その横を通り過ぎようとしたとき、その中に
自分の青白い顔があったような気がして身の毛がよだちました。

もしこのまま稼げなければ、自分もまたあの列の後ろに
並ばねばならぬかもしれない。
今見た幻覚は数ヵ月後の自分の姿ではないか?
そう思うと、あまりにも惨めで震えが止まりませんでした。

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ただただ、悔しかった。

すべてを捨てて、プライドも捨てて、こんな場所に潜伏して、
24時間死に物狂いでやっているのに成果が出ない。

友達を断ち、家族を断ち、社会的地位やキャリアや将来を断ち、
すべてを断絶しているのにまだ成果が出ない。出る気配すらない。

24年間も自分は生きてきたのに、自分は、

ひとりで稼ぐほんの少しの力すらなく、
苛立ち狂っても同情してくれる一人もなく、

文句を言っても成果が上がるわけではなく、
手を動かさねば現状を変えることはできず、
しかし変わるかどうかの保証はどこにもない。

そして自分がこんな惨めな生活をしている間にも、
たとえば同期はふつうに東京で働いて、給料をもらって、
いいお洋服着てるんだろうなあとか。
可愛い彼女連れて手繋いで歩いたりしてるんだろうなあとか。

そうゆうやわらかいものやあたたかいものを考えると、
「いったい、俺の青春時代はなんなんだ!?」
と、悔しさで心臓が抉れる気持ちがしました。

知ってる人は知っていますが、
僕はその前、鬱病になって、1年半ほど人と喋れなくなってるんですね。
自殺未遂も2回していて、そのときに恋人と友人もなくしています。

そのどうしようもない悔しさとか、情けなさとかが、
稼げない事実と津波のように押し寄せてきて
本当に毎日「ちくしょう、ちくしょう!!」と叫びながら仕事をしていました。

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その幾千回目の「ちくしょう!」を吐き出したとき、
ふっと、窓の向こうを見たんですね。

そして、言葉を失いました。

僕の部屋は、アパートの7階最上階にあって、
そこから迷路のようなあいりんの街並みを一望することができました。

薄汚れたコンクリートの壁、色褪せたトタンの屋根、風になびく洗濯物、
濡羽色のアスファルト、寒さに肩をすくめて歩く労働者。
それらがぜんぶ、美しいオレンジ色に染まって輝いていました。

冬の夕日がゆっくり街の向こうに沈んで、迷路のような街の隙間に、
そのオレンジ色の光がバーっと隅々まで差し込んで、
汚いはずの街が、もうめちゃめちゃにキレイなんですよ。
もう信じられないくらい美しかったんです。

ああ、お天道様はこんなにも平等だ。
こんなどうしようもない自分にも、こうしてみんなと平等に陽の光を拝ませてくれる。
「ああ、こんな美しい陽を眺められるなんて、自分はなんて幸せなんだろう」と、心から思いました。

で、そのとき思ったんです。

ああ人間は、

どんな境遇にあっても、寒くて飢えていても、友達も恋人もいなくても、孤独に引き裂かれようでも、まったく報われない生活を過ごしていても、こうして「幸せ」を感じることができる。

ただ冬の寒い日に、ただ夕日がきれいだったということだけで、これまでの人生で体感したことのなかったような「幸せ」を感じ取ることができる。

そんな感受性を持った人間という生き物は
「なんて素晴らしいんだろう!」と心の底から思い、泣きました。

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あの日から、僕の中の物欲は完全に消え去ったように思います。

ただ晴れているだけで幸せ、ただお腹いっぱいであるだけで満足。

そんな風に幸福度のハードルが下がったので、とても生きやすくなりました。

今また冬の寒い季節に帰国して、夕日を見ながら思い出したので、
ここで書かせていただきました。

最後までお付き合いいただきありがとうございました!

2017年10月スタートメンバー募集

【2017年10月スタートの募集は終了しました】

募集期間:2017年9月18日〜9月24日
募集人数:50名→満席

※募集期間内でも定員に達しましたら、早めに募集を停止させていただきます。
→定員に達しましたので期間内ですが募集を終了させていただきました。

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