2011年3月、起業宣言。

大学4年生の夏に、東南アジアを4ヵ月かけて周遊したことがある。

 

はじめての海外ひとり旅だ。

発展途上の未完成な風景、

路上に漂う香辛料の匂い、

日に焼けきった褐色の肌、

聞き馴染みのない丸っこい言葉、

ここに来なければ出会うことができなかったたくさんの人々。

僕の生きる世界は、あの旅で間違いなく広がったように思う。

 

ただ、その旅は楽しいものばかりではなかった。

 

財布の中身と相談する日々。

「この地域で一番に安い宿を…」と重いバックパックを背負い何件も梯子したり、

「あれおいしそうだけど我慢しなきゃ…」と、ぐっと生唾呑み込んでパンを頬張ったり、

「この船に乗ったら面白そうだけど…」とツアー料金に目眩を起こして泣く泣く冒険を諦めたり、、、

目の前に自分の知らない世界が広がっているのに、経済的な理由がために、それを見過ごさなければならない瞬間が本当に嫌で仕方なかった。

 

旅=自由。

 

誰もがそう思うだろう。僕もそう信じて疑わなかった。

けれど実際には、その「自由」には、たくさんの障害や制限があることを知った。

 

日に日に減っていく銀行残高。

時が経つほどに狭められていく旅の選択肢。

言葉や文化を深く理解することが叶わない限られた旅の期間。

見えない将来への不安。

 

それらの制限は、「いかにお金をかけずに遠くへ行けるか?」という情熱の燃料になる一方、財布の中身がさびしくなるほど、心は荒み、焦燥感に追いたてられる。

それは、とても、自由と呼ぶにはほど遠い精神状態だった。

自由なはずの世界に身をおきながら、そんな状態になってしまう自分を本当に悔しく感じたものだ。

 

「持続可能な旅」を実現したい。それが僕が起業した一番の理由だ。

 

そして、今から11ヶ月後、2012年4月に僕は出国をする。

この旅では、その当時の僕が「やりたい」と思いながらも、手の届かなかったことを全て詰め込もうと思っている。

 

現地の語学学校に通って,現地語をマスターすること。

小説を執筆し,それを電子書籍として発行すること。

異国の街で恋人をつくり一緒に暮らすこと。

 

そういったひとつひとつの目標を叶えるために、PC一台あればいつでも稼ぐことができる仕組みを作りたいのだ。

そして、その方法を体系化し、誰にでもできる状態に磨き上げ、次世代の旅人、特に若い世代にプレゼントしてまわりたい。

そしてそれは決して難しい話ではないと思う。

 

世界一周を貧乏旅行で実現するとき、その予算はだいたい80万-100万とされている。

8ヵ月間でそれを実現するとすると、1ヵ月あたり10万円が銀行口座に振り込まれれば、旅を継続することができる計算になる。

そしてそれはきっと、1年間しっかり準備に取り組めば、実現できる現実的な金額であると思うのだ。

 

今,インターネット上の情報世界では、

「月10万円」という金額は、
「副業」であったり
「自由になるためのお小遣い」

という位置づけになっている。

 

僕は「月10万円」という単位を「世界一周」に転換したい。

それだけの力があれば、今スグにでも旅立てるのだということを、この日本社会に朗らかに提唱してみたいのである。

 

僕はまだ、1円も稼げていない。スタートラインに立ったばかりだ。でも、この情熱だけは誰にも負けない自信がある。

残りあと11ヵ月。

真正面からぶつかって,夢を叶えてやるのだ。

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